『L.A.ノワール』ダウンロード事件「ニコルソン電気メッキ工場」は実際に起きていた

ロックスター・ゲームスは、PS3/Xbox360ソフト『L.A.ノワール』のダウンロードコンテンツに関する最新情報を公開しました。

ソニー PS3
L.A.ノワール
L.A.ノワール 全 6 枚 拡大写真
ロックスター・ゲームスは、PS3/Xbox360ソフト『L.A.ノワール』のダウンロードコンテンツに関する最新情報を公開しました。

『L.A.ノワール』は、凶悪犯罪が多発する1947年のロサンゼルスを舞台に、主人公「コール・フェルプス」を中心に展開する「クライムスリラー」です。過去に例を見ない数々暴行事件、強盗、殺人が横行している時代の中、「フェルプス」は第二次大戦における兵士としての行いを償うため、ロサンゼルス市警の刑事として様々な事件を解決していきます。刑事として昇進を重ねながら、やがて自らの深い闇、そして戦後のロサンゼルスの闇の真実へと近付いていきます。

8月4日に新たなダウンロードコンテンツである事件「ニコルソン電気メッキ工場」が配信されます。ゲーム内で描かれる数多くの薄暗い犯罪とは趣が異なり、この事件は1947年のロサンゼルスで実際に発生して全米に知れ渡ったある事件を元にしています。

■放火特捜課担当事件「ニコルソン電気メッキ工場」とは?
午前9時45分、雷鳴のような大爆発がロスの街を揺るがしました。 かつて「ニコルソン電気メッキ工場」があった周辺には瓦礫が散乱し、灰と黒煙が立ち込めているようです。

いち早く現場に駆けつけた主人公「コール・フェルプス」と相棒の「ハーシェル・ビッグス」両刑事の心には、瓦礫の山と化した工場跡地で数々の疑問が浮かび上がります。

爆発の原因、そのとき工場では何が行われていたのか、そして主任化学研究員の「ハロルド・マクレラン」博士と、謎に包まれた彼の助手は事件の後どこへ消えてしまったのでしょうか。

■1947年に実際に起きた「ニコルソン電気メッキ工場」事件
実在に起きた事件をモデルとしたこの事件。工場の名前は「オコーナー」から「ニコルソン」へと変更されているほか、さまざまな陰謀や、実際の事件で捜査官が見つけた以上の複雑な経緯を加えています。実際の事件はもっと単純で、ショッキングで、工場の経営陣にとっては恥ずかしいものでした。

1947年、2月20日の朝。ロサンゼルス繁華街のイースト・ピコ大通り926番地にあったオコーナー電気メッキ工場で突然の大爆発が発生し、周囲数マイルの市街地を衝撃波が襲いました。数十マイル離れた場所にいた飛行機が衝撃波を感じたと報告しており、周辺ブロックの建物は窓ガラスは粉砕されました。罪のない歩行者から、工場で事故を引き起こした人間まで、数多くの死傷。151名が負傷し、15名が死亡しました。

重要参考人である工場の主任化学研究員「ロバート・マギー」は、面接の際にその高度な学位と自らが開発したとプレゼンテーションする冶金法が工場経営者「ロバート・オコーナー」の目にとまり、採用されていました。それは会社の秘密兵器となりえるもので、ビジネスの活性化だけでなく、他社の追従をゆるさないものでした。

事件が発生し、捜査員たちは「マギー」が何者であるか疑問を抱き、捜査を進めました。すると彼は、実際には高度な学位など所有しておらず、出身地オハイオのスチューベンヴィル高校を中退していたことがわかりました。彼の知識と化学分野における才覚は独学によるもので、正規の学位を持っていた同僚の化学者たちも感嘆するほどのものだったことが、事件後の聞きとり調査によって判明しています。しかし、彼とそのチームが危険な薬品の取り扱いを誤ったことは、不幸な事実です。

適切な学位を持たない科学者による不適切な作業と、工場そのものが人材管理レベルで必要な配慮を怠ったことが原因と言え、非難の矢面に立たされたロバート・オコーナーは、遺族から訴訟を起こされました。

『L.A.ノワール』には、この他にも実際に起きた犯罪をモデルとした事件が収録されています。ゲーム内の事件と向き合うことで、現実のロサンゼルスの過去を体感することになるようです。

『L.A.ノワール』は、好評発売中で価格は7,770円(税込)です。ただしCERO:Z(18歳以上のみ対象)です。

(C) 2011 Rockstar Games, Inc.

《津久井箇人 a.k.a. そそそ》

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