【徒然ゲーム音楽語り】第5回 反射ゲーなら怖くないもん !音ゲースペシャル ― 各音ゲーの特徴を紹介

海の幸を釣り上げたら、せっかくなので美味しくいただきたいものです。ゲーム音楽を語ると称して音楽ゲームを料理しないわけにはいきません。「徒然ゲーム音楽語り」第5回音ゲースペシャルでは、入門編としてなじみやすい音楽ゲームを4つ紹介します。

その他 全般
『maimai GreeN』
『maimai GreeN』 全 10 枚 拡大写真
海の幸を釣り上げたら、せっかくなので美味しくいただきたいものです。ゲーム音楽を語ると称して音楽ゲームを料理しないわけにはいきません。「徒然ゲーム音楽語り」第5回音ゲースペシャルでは、入門編としてなじみやすい音楽ゲームを4つ紹介します。

リズム感がないと音楽ゲームはできないと思っていませんか?確かにハイスコアや完クリを叩き出すにはリズム感がものを言うかもしれません。しかし、音楽ゲームはリズムゲームであり、反射ゲームであり、記憶ゲーム。様々な工夫によって誰でも音楽と一体化することができる体感型のエンターテインメントです。スピードを何倍にもすれば、動体視力と反射神経を要するゲームとなり、複雑な配置をプレイするなら画面を丸々覚える記憶力が必要なゲームとなります。音ゲーと一口に言っても特徴や楽しみ方は色々。今回はアーケードゲームから『pop’n music』と『maimai』、PSPソフトから『初音ミク-Project DIVA-』と『megpoid the music #』をピックアップします。

■アーケード
・『pop’n music』
9つのカラフルなボタンが目印の音楽ゲームです。収録曲はJ-POP、オリジナル、アニメ系が主なところで、オリジナル曲の中には叙情詩のような緻密な世界観があるものや、民族調のものなどリズムゲームとして遊ぶだけではもったいないくらいに作りこまれた楽曲も多数あります。

『pop’n music』は画面上部から降ってくる、色とりどりのマカロンのようなフォルムをした「ポップくん」がラインに重なったタイミングで、対応する色のボタンを叩く、というのが基本操作です。押し方は単押し、同時押しの2種類で、長押しがない代わりに連打がしばしば登場します。

『pop’n music』では隣り合うオブジェクトを連続で押していく「階段」という配置が頻繁に出現します。これが最初の初心者キラーです。「階段」は基本的に左から右へ、文字通り階段状に全色が少しずつずれたタイミングで配置されているものを指します。右から左のものを「逆階段」、両方向の「階段」が連なったものを「螺旋階段」といいます。同時押しが階段状になったものは「多重階段」といって、熟練のプレイヤーでもひとつタイミングを外すと連鎖的に落とす恐れもある高難易度です。「階段」をクリアするには、まず自分なりの押しやすい方法を考案することが第一歩です。9ボタンすべてを使う「階段」の場合、片手だけですべて押していくプレイヤーもいれば、ボタンを真ん中あたりで区切って両手に分けるプレイヤーもいます。手を広げて「指押し」感覚で軽く押す場合もあれば、掌底と指先を交互に使って押していく場合もありとプレイヤーによって押し方のバリエーションが多いのも『pop’n music』の面白味です。繁華街のゲームセンターには、怒涛のように降ってくるポップくんを残像が見える手さばきで無慈悲に弾き飛ばす達人クラスがよくいるので、「階段」などのテクニックにお悩みの方は後ろからこっそりのぞいてみてはどうでしょうか。

現在稼働している最新バージョンは『pop’n music Sunny Park』。従来「EASY」「NORMAL」とあったモードが「NORMAL」にまとまり、5ボタン・9ボタンのいずれかだったボタン選択もなくなりました。「EASY」モードと5ボタンの譜面がなくなった代わりに3ボタン~8ボタンに対応した「EASY譜面」が新しくできたので、まだ修行中の人もご安心。BATTLEモードでしかできなかった3ボタンが1人でもできるようになり、初めての音ゲーとしておすすめのアーケードゲームです。

・『maimai』
洗濯機のようなフォルムと、画面の外周に一体化したボタンが特徴的な音楽ゲームです。音ゲーの中では最大クラスの画面の大きさで、これゆえにダンスのようなスタイルでプレイができる新感覚の音楽ゲームとなっています。収録曲のジャンルはJ-POP、オリジナル曲、アニメ系、ボーカロイド、『東方project』など広く、大画面で楽しめるアニメPVや踊り手のダンス映像など、楽曲に合わせた演出も嬉しいポイントです。

基本は画面の周囲に配置されている6つのボタンを使います。中央から発生するオブジェクトが画面端のリングに重なるタイミングでボタンをプッシュ。単押し、長押し、同時押しとありますが、レベルがあがってオブジェクトの数や種類が増えるほど色々な体勢で押すことになり、ダンス要素が増して楽しくなります。ちなみに隣り合わせの同時押しは、ボタンでやる場合片手だとギリギリ届きません(※筆者の手はマックス直径18cm開きます)。ボタンの配置が比較的離れているため、基本アクションでも体を動かせるのが『maimai』の持ち味です。ボタンの代わりに画面タッチでも反応しますが、ATMやスマホによく無視される人はボタンを使うのが安全策。難易度があがると「ボタン押し→スライド」の速いテンポについていくのが辛くなるので、脱初心者するならタッチパネル対応の手袋装備で画面タッチにも挑戦です。

筆者は今回初めて『maimai』をプレイ。ビギナー目線で見ると、初心者の鬼門は「スライドアクション」だと思われます。☆マークが出たときは1回ボタンか画面をタッチして、点線に合わせて動く☆をなぞるようにスライドさせますが、力加減が難しく、突っ張ってしまったり、早すぎたり遅すぎたりと「JUST」判定を出すのにはコツがいるようです。落ち着いて、軽いタッチで、☆から手をずらさないように追いかけていきましょう。

現在稼働している最新バージョンは『maimaiGreeN』。楽曲の新ジャンルに東方が追加されたほか、ORIGINALジャンルに「ビートまりお」や「YMCK」など音ゲー馴染みのコンポーザーが新たに楽曲提供をするなど、収録曲が一挙充実しました。またゲーム内通貨mimile(マイマイル)システムも追加。楽曲やアイテムを購入できます。『maimai』は基本的に2台セットとなっていて、1Pプレイも可能ですが2Pに向いた筐体でもあります。収録曲のバリエーションが豊富で、誰もが知っている流行りのJ-POPや洋楽系のかっこいいものも入っています。いわゆるアニメ系のキャラクター要素が強くない音楽ゲームなので、ゲーマーじゃない友人同士・恋人同士でも気軽に遊べる間口の広いゲームです。

■コンシューマ
・『初音ミク-Project DIVA-』シリーズ
「初音ミク」をはじめとするボーカロイドの音楽ゲームです。ミクやリン・レン、ルカたちが華麗に踊るムービーやバリエーション豊かなスチル絵をバックに、縦横に飛び交う○×△□のオブジェクトが灰色のターゲットアイコンに重なるタイミングでボタンを押していきます。

一見シンプルで簡単そうに見えますが、ターゲットとオブジェクト両方に独特のクセがあり、慣れないうちはトリッキーです。例えば連打の時は「××××…」のようにターゲットがくっついて発生しますが、これは16分連打でも4分連打でも同じ間隔で配置されます。ターゲットを見て「連打キタ!」とばかりにスピーディーに連打すると、もれなく落としてコンボが切れる憂き目に合うことに。あちこちから飛んでくるオブジェクトも、流れ星のように画面を演出する華やかさはチャームポイントのひとつですが、テンポの速い曲になると反射ゲーム並みの不意打ちで飛び出してきてプレイヤーを翻弄します。

また、筆者がプレイしたのはPSP版ですが、音ゲーの中で1,2を争うのでは?というほど厳しい判定に定評があります。判定は、楽曲中どれだけタイミングよく叩けたかでオブジェクトの1つ1つにつく「Cool」「Fine」「Safe」「Sad」「Worst」の評価と、1曲プレイ後の総合評価「PERFECT」「GREAT」「STANDARD」「CHEAP」とありますが、コンマ単位で正確に入れないと「Cool」は出なかったり、ノーミス・コンボ200越えでも「GREAT」がもらえなかったり、「解せぬ!」と叫びたい瞬間も多々ありますが、ある程度やりこむとコンボ数の更新にはやはり燃えるもの。スコアやコンボ数、総合評価の一定数値が公開条件になっているアイテムやフォトギャラリーも豊富なので、解放目当てでやりこんでいたらめきめき上達ということもあり得ます。

現在発売中のシリーズ最新作はPS3ソフト『初音ミク-Project DIVA-F』。PSP、PS3、PS Vita版はアーケードよりボタンが押しやすい点もおすすめ。アーケード筐体のボタンは、人によっては重いと感じることもあるので、指先で軽く押せるコンシューマ版でDIVA特有のリズムに慣れてから、華麗にアーケードデビューしましょう。

・『megpoid the music #』
PSPタイトルとして発売されている本作は、ボーカロイド「メグッポイド」通称GUMIの楽曲だけを集めた音楽ゲームです。4列の横ライン式で、オブジェクトは○×△□と方向キー・上下左右の8種類。多彩なステージでGUMIが披露するダンスをバックに、右から左へ流れてくるオブジェクトが対応するアイコンに重なるタイミングでボタンを押していきます。

コンセプトとしては『初音ミク-Project DIVA-』に似ていますが、リズムゲームとしての機能面は大分違っています。大きな違いは方向キーの使用。『DIVA』の倍の数、オブジェクトの種類があるのに対し、画面左側に並ぶターゲットアイコンは上から△○□×の4つのみです。つまり「△:△ボタン+↑ボタン」「○:○ボタン+→ボタン」「□:□ボタン+←ボタン」「×:×ボタン+↓ボタン」という対応になります。押し方は単押し、長押し、同時押しの3種類とあり、相当ボタン数の多い音楽ゲームのようにも思えますが、少しプレイしてみると同時押しは4種類しかないということがわかります。組み合わせとしては「○+←」「△+↓」「×+↑」「□+→」のどれかなので、○×△□か方向キーのいずれかを見ればもうひとつのオブジェクトもわかるという寸法。「右手が○のとき左手は←」というようにインプットしてしまえば、パニックにならずに同時押しが大量発生する曲もこなすことができます。

判定は「Brilliant」「Great」「Good」「Miss」の4種類、総合評価は「PERFECT」「EXCELLENT」「WELL」「BAD」の4種類です。同系統の『DIVA』に比べると判定はゆるやかですが、最大難易度のEXPERTモードでは配列の複雑さに泣かされます。『pop’n music』と同じように各オブジェクト流れてくるラインが決まっているため、数が増えると混雑して見え、一瞬処理が遅れてしまいます。コツのひとつとしては、曲を覚え、自分のリズム感を信頼すること。全体的にメロディラインや伴奏のトップノートなど、比較的耳で拾いやすい部分を叩くような譜面になっているので、オブジェクトの間隔は目で捉えようとするより、歌うようにリズミカルに叩いてしまった方がいっそヒットします。ただしどのオブジェクトが流れてくるのかは視認するしかないので、そこはいわゆる「覚えゲー」です。もしくは、常に少し先を見ながら叩くというテクニックなら、ある程度心の準備ができるので成功率もあがります。本作では、大体2フレーズ分くらいの譜面は1画面に入りきるので、後続のオブジェクトを確認する効果は高め。1つ1つを確実に捉えられます。

『megpoid the music #』は好評発売中。どうしてもという時は、アドホック通信の協力プレイで難所を乗り越えましょう。心が折れたらゲーム内のGUMIルームへ。GUMIが褒めたり励ましたりしてくれます。


気になるタイトルはありましたか?歴戦の音ゲーマーが後ろに並ぶ中、初挑戦というのは怖いものかもしれませんが、音楽ゲームが種々様々に置いてあるのもゲームセンターです。『初音ミク-Project DIVA-』のアーケード版や『jubeat』のようなコンパクトな筐体の場合、左右を仕切ってパーテション状にしてある店舗もあります。お気に入りの音楽ゲームを探しに行ってみるのも楽しいのではないでしょうか。

第6回は『シャイニングハーツ』のオリジナルサウンドトラックをお届けします。更新は8月19日を予定していますので、お楽しみに。


■筆者プロフィール
井口宏菜
インサイド編集部にて修行中の身。好きなものは音楽と女の子と女性、ゆえにiPodのバッテリーがなくなると活動を一時停止する。音ゲーは地元辺境のゲームセンターでひっそりとビビりながら細々とプレイ。

(C)2010 Konami Digital Entertainment
(C)SEGA / (C)Niwango
provided by DYNAFONTS.
Cooperation provided by FONTWORKS inc.
(C)SEGA / (C)Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
(C)ParaPhray / (C) INTERNET

<訂正>
『初音ミク-Project DIVA-』に関して、アーケード版、PSP版、PS Vita版が混合しており、誤解を招く内容だったため、訂正いたしました。

《井口 宏菜》

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]

特集

関連ニュース