【アナログゲーム決死圏】第3回:TRPGの始め方…体験方法からオススメのタイトルまで

前回のボードゲームと同様に、TRPGも買ってから遊ぶか、遊んでから買うかが悩むところですが、TRPGが全くの未経験という方は、心に決めたタイトルが無い限り、可能であれば試しに遊んでみてから買うことをオススメします。

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◆体験に必要なもの




まず、TRPGで遊ぶには「ルールブック」が必要です。しかし、先述の通り、最初の体験の時は「ルールブック」をゲームマスターや他の参加者に見せてもらいながら、遊んでみるとよいでしょう。

TRPGは、キャラクターのデータ等を紙に書き込むため、基本的に筆記用具を必要とします。ゲームの展開の中でデータを書き換えるので、ボールペンやサインペンではなく、鉛筆もしくはシャープペンシルと消しゴムを用意します。

それ以外にも、TRPGではダイスやミニチュア(駒)など遊ぶシステムに応じて必要な物が異なりますが、こちらも最初は借りながら遊んでみるのがよいでしょう。

ちなみに、第1回でTRPGは「それぞれがキャラクターになりきって」遊ぶと説明しましたが、別に演技力が必要というわけではありません。デジタルのゲームで言うところの会話の選択肢を、ボタンを押すのではなく、読み上げて選ぶくらいのイメージで大丈夫です。

難しそうに感じるかもしれませんが、初体験でそんなに気負う必要はないので、少し肩の力を抜いて、まずはとにかくどんなものかを試してみてください。

◆体験方法


■TRPGプレイヤーの知り合いをあたろう

やはり一番手っ取り早い方法はこれ。もし身近にTRPGプレイヤーがいたら、まずはその人を頼ってみましょう。しかし、TRPGプレイヤーの知り合いがいないという方のために、別の方法もいくつか紹介していきます。

■TRPGが遊べるゲームスペースへ行ってみよう

TRPGが遊べるゲームスペースというものがあり、定期的に初心者向けの卓(同じテーブルで遊ぶプレイヤーの集まりの単位)を立てているところもあります。そういったお店をネットで見つけ、メールや電話で事前に問い合わせた上で、体験させてもらいましょう。

TRPGはGMの事前準備がある程度必要なので、参加予約が必須なところも多いですし、そうでなくても、可能であれば予約をしておくことを強くオススメします。また予約の際、未経験・ルールブック未所持でも参加できるか確認しておきましょう。

ゲームスペースの形態は様々で、全国で展開する「イエローサブマリン」のようなアナログゲーム専門店に併設されているものもあれば、アナログゲームが遊べる飲食店というものもあったりします。

今回はそんなゲームスペースの中から、東京の神田にある「テーブルトーク・カフェ Daydream」を紹介します。



「Daydream」は平日に1人で行っても快適な環境でTRPG、ボードゲーム、ミニチュアゲームで遊べるゲームスペース。



ゲームに必要なルールブックなどの貸し出しもあり、手ぶらで参加もできる初心者向けの卓(同じテーブルで遊ぶプレイヤーの単位)も定期的に立っているので、試しに遊んでみるのに最適。「テーブルトーク・カフェ Daydream」の詳しいアクセス方法や料金、卓のスケジュール等の公式ページをご覧ください。

■TRPGサークル主催のゲーム会に行こう

各地にあるTRPGサークル(クラブ)主催のゲーム会(コンベンションと呼ぶところもあります)をネットやショップの掲示板等で探して参加するのもオススメです。

いきなり参加は心配という方も多いかとおもいますが、初心者向けの卓を立てているところもありますので、ゲームスペースのイベントに参加するのと同じ要領で、未経験・ルールブック未所持でも参加可能かどうかを、事前に問い合わせて確認した上で参加してみましょう。

サークルの多くはホームページやblogだけでなく、TwitterやmixiなどのSNSで情報を発信しているので、そちらも合わせてチェックしてみましょう。TRPGには専用のSNSも存在します。また、メーカーの公式サイトに会の情報が掲載されていることもあります。

会のページやアカウントでは、開催される場所日時や会場のルール・注意事項、遊ぶタイトルの等の情報の他に、写真等を上げていることも多いので、会の雰囲気がつかめるはず。

サークルの活動場所は、貸会議室や公民館もあれば、ショップやカラオケボックスなど色々あります。また参加費(会場費)が無料のところから有料のところまでありますので、事前に確認しておきましょう。

また、似たような形式で、TRPGのメーカー(出版社)が主催してコンベンションや体験会を開いている場合もありますので、そちらに参加するのもよいでしょう。

■オンラインセッション

TRPGはアナログゲームではありますが、オンライン上でも盛んに遊ばれているので、まずはオンラインで体験というのもいいかもしれません。家の近くに行けそうな店や会が無かったりする人にもオススメです。

オンラインセッションでは、同じ卓を囲んでゲームをする代わりに、IRCを使ったテキストチャットやSkypeなどのボイスチャットを介して遊びます。様々な判定に使うダイスの目等は、プログラインや支援ツールを導入する必要があります。

また、ウェブブラウザ上で動くオンラインセッション・支援ツールなどもあり、遊び方は様々です。オンラインセッションのプレイヤーの募集もTwitter、mixi等で行われているので、チェックするとよいでしょう。

ちなみに、オンラインセッションは、実際に集まってセッションをするのとは違い、本を見せてもらいながら遊ぶことが出来ないため、初心者向けの卓であっても参加にルールブックが必須のことが多いので注意が必要です。募集要項をしっかりチェックしてから参加を申請しましょう。

■とりあえず買ってみて友達と遊んでみる

長々とルールブックを買わないで試すことを勧めてまいりましたが、とりあえず気になるルールブックを買ってみて、まずは気の合う仲間と遊んでみるのも楽しい体験方法です。

他の体験方法より難易度が少し上がるのは確かですが、TRPGのルールブックの多くは、「TRPGとはなにか」という説明から始まり、「プレイヤーとしての遊び方」だけでなく、「ゲームマスターとしての遊び方」まで丁寧に書いてあることが多いので、書かれている内容に従って遊べば、初心者でも遊ぶことができるでしょう。

もちろん、合わないタイトルとあたってしまったり、思うようにゲームが進まなかったりすることもあるかと思います。特に慣れないうちのゲームマスターは大変です。ですが、そうやってトライ&エラーを繰り返しながら遊んでいくのも楽しみの1つなので、臆せず繰り返し楽しんでみてください。

■リプレイ

デジタルゲームのプレイ動画と同じように、TRPGにもプレイの記録をまとめた「リプレイ」というものがあります。読んでいて実際遊べるわけ絵はありませんが、TRPGそのものや、各タイトルの内容が一体どんなものなのかを把握するのにオススメです。

プレイの記録を単純に書き起こして(録画して)まとめたものから、小説(戯曲)やコミック、動画形式で作ったものなど、リプレイには様々な種類があります。

リプレイ小説はウェブで無料公開されているものもあれば、書店で販売されているものまで本当に沢山出ています。

また、リプレイ動画は特に「ニコニコ動画」で盛んに公開されていますので、そちらからチェックしてみるのもよいでしょう。

ちなみに、小説・コミック・動画という形式のリプレイは、プレイの記録をエンターテイメント性豊かなものにするため編集・演出を加えているものが多く、実際遊んだ様子とは異なる部分があり、必ずしも「プレイのお手本」ではないのでご注意ください。

◆選び方


とりあえず体験したら、今度はルールブックを買ってみましょう。最初は借りながら遊んでも大丈夫ですが、ゲーム中に何度も参照するものなので、継続的に遊ぶならプレイヤー1人1人が持っている方がよいでしょう。

それでは今回も、遊び始めの頃のTRPGの選び方を紹介していきます。

■世界観

その中で冒険してみたいと思える世界が設定されているものは非常に重要です。同じファンタジー系だったとしても、それぞれのタイトルで独特の設定を作り出しています。

デジタルゲームや小説など他の媒体ですでに知っていて、好きな世界が舞台のものがあれば、それはかなり遊びやすいとおもいます。個人的な話にはなりますが、自分はデジタルゲームで『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を知り、そこからTRPGを遊び始めました。

また、自分の好きなジャンルの映画やアニメなどを再現できそうなタイトルがあればそれを遊んでみるのもオススメです。例えば、TRPGはファンタジーやSFだけでなく、FPSやアクション映画を彷彿とさせる現代が舞台のタイトル(『ガンドック』)などもあります。

■周囲の環境

TRPGは、単発で遊ぶのも面白いのですが、同じキャラクターを使い継続的に複数回プレイし、時間をかけてキャラを成長させながら長い物語を進めていく、「キャンペーン」という遊び方もあります。

もちろん、いきななりキャンペーンで遊び始めるのはちょっと大変かもしれませんが、いずれは体験して欲しい遊び方であります。

しかし、キャンペーンでは基本的にゲームマスターとプレイヤーが定期的に集まる必要が有るため、そのタイトルが定期的に遊べる環境が必要です。

そのため、自分がアクセスできる範囲の環境でそのタイトルが定期的に遊べるかどうか、もしくはそのタイトルを一緒に遊んでくれるプレイヤーを定期的に集められるかどうかも、選ぶ時に考えるとよいでしょう。

■日本語化されているかどうか

TRPGには外国産の物がたくさんあり、日本語化されずに流通しているものもあります。TRPGは他のアナログゲームに比べて読む部分が沢山あるので、特にマスターに挑戦する場合は、読める自信がない場合、あまりオススメはできません。最初は日本語で読めるものを選ぶといいでしょう。

それでも日本語化されてない外国産TRPGにはたくさん面白いタイトルがあり、私を含め熱心に遊んでいるプレイヤーはいますので、TRPGに慣れてきたらぜひとも挑戦していただきたいですね。

■ルールブックとそれ以外

いざ買おうとすると、ルールブック以外にも色んな種類の本が出ていることがわかると思います。しかし、必ずしも全てが遊ぶのに必須のものではなく、デジタルゲームでいうところのDLCのようなものです。プレイヤー・GM問わず、とりあえず最初は「ルールブック」と説明に書かれているものを買っておきましょう。

せっかくなのでルールブック以外のTRPG書籍でよくある形をまとめて説明しておきます。

●サプリメント(エクスパンション)
新たなデータやルールなどを追加する本。

●シナリオ本(キャンペーン本)
既成のストーリーが収録されている本。長めのキャンペーンをやるための物が多い。主にGMが使います。

●ガイドブック
ルールや遊び方を噛み砕いてわかりやすい形で解説している本。また、世界観をより深く説明する本にこういった名前がつくこともあります。

●リプレイ
上で説明した通り、 TRPGにもプレイの記録をまとめた本。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

それでは、選び方を説明したところで、筆者が大好きなTRPGの中から、初心者にオススメしたいタイトルをいくつか紹介していきましょう。今回もあえて筆者の趣味を全力で入れたラインナップでいきますよ!
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《傭兵ペンギン》

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