【hideのゲーム音楽伝道記】第15回: 法廷の熱い逆転劇を盛り上げる!『逆転裁判』の音楽と効果音

インサイドをご覧の皆さま、こんばんは。ゲーム音楽好きライターのhideです。ゲーム音楽の連載記事「hideのゲーム音楽伝道記」第15回目となる今回は、『逆転裁判』についてご紹介します。

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【hideのゲーム音楽伝道記】第15回: 法廷の熱い逆転劇を盛り上げる!『逆転裁判』の音楽と効果音
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インサイドをご覧の皆さま、こんばんは。ゲーム音楽好きライターのhideです。ゲーム音楽の連載記事「hideのゲーム音楽伝道記」第15回目となる今回は、『逆転裁判』についてご紹介します。



『逆転裁判』は、2001年10月12日にカプコンからゲームボーイアドバンスで発売された法廷バトルアドベンチャーゲームです。その後多数の続編や移植作、スピンオフの『逆転検事』、『大逆転裁判』などの作品群がリリースされ、累計販売本数は530万本(2015年6月末現在)を数える人気シリーズです。


主人公・成歩堂龍一(なるほどくん)


この作品は、主人公の弁護士・成歩堂龍一(通称:なるほどくん)が、無実の罪を着せられた依頼人を救うため奮闘します。証人たちの証言を聞き、尋問することによって「ムジュン(矛盾)」を見つけだし、ムジュンを暴いていくことで、事件の真相を明らかにする。そして、依頼人の無罪を立証することがゲームの目的です。

「裁判」と聞くと、「えっ、裁判……? 堅苦しいゲームなのかな」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません! 脚本・監督の巧舟氏によるユーモアにあふれたセリフ回しと、個性的で濃いキャラクターたちによるギャグが満載な、とっても楽しいゲームなんです。

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『逆転裁判』に登場するキャラクターは、みんなキョーレツかつ破天荒な面々ばかりなのですが、音楽もそれに負けないくらい全体的にメロディアスで印象に残る楽曲が多く、物語を大いに盛り上げてくれます。特に法廷での戦いで流れる楽曲は熱いものが多いですね。



その中でも特に印象的な1曲が、「追求 ~追いつめられて」です。これは裁判のクライマックスで、なるほどくんが証人を追いつめる際に流れるアップテンポの楽曲なのですが、これが流れたときの盛り上がりはたまりません! あと一歩で依頼人が有罪になってしまう……という崖っぷちのピンチから、証人のウソを見つけ、証拠品をバシッと突き付ける! 「異議あり!」のかけ声で一気に形勢を逆転し、アップテンポで展開される音楽とともに、証人をじわじわと追い詰めていく爽快感! これが『逆転裁判』の最大の醍醐味だと思います。この気持ちよさは、一度体験したらやみつきになりますよ。

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また、『逆転裁判』は、音楽と同じくらい「効果音」が大きな役割を担っています。『逆転裁判』はアドベンチャーゲームに分類されるのですが、まるで対戦格闘ゲームのような「熱さ」があります。

どういうことかと言うと、本作では、論戦相手を論破したり、ウソを見抜いたりした際には、剣で斬るような「ズバッ!」という効果音が鳴り、相手がひるむ(ダメージを与える)演出が頻繁に入るのです。「これは格闘ゲームか!?」と異議ありしたくなるくらい(笑)、派手な演出なんですよね。

たとえばRPGの場合だと、こういった「ズバッ!」という効果音は、敵に攻撃する際の演出として至って普通ですが、文章を読み進めていくアドベンチャーゲームで、相手にダメージを与えるような効果音演出が頻繁に入るのは、珍しいように思います。そのほかにも『逆転裁判』では、会話の至る所に「ガーン!」というショックを受ける音や、何かに気づいたときの「ピーン♪」という音など、印象的な効果音が多用されています。一見、効果音が過剰に鳴りすぎなようにも思えますが、絶妙なタイミングで流れるため、ゲームの邪魔にはなっていません。むしろ法廷での熱い戦いを心地よく演出し、ゲームを盛り上げてくれます。

『逆転裁判』は、巧氏の軽妙なセリフ回しに加え、絶妙な音楽と効果音、コミカルなキャラクターの動きなど、すべての要素が絡み合って、破天荒かつ愉快痛快な「法廷バトル」が楽しめます。『逆転裁判』の法廷バトルシーンにおけるすさまじいまでの「熱さ」「奇想天外さ」は、ぜひ実際にゲームをプレイして堪能していただきたいです。

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現在ニンテンドーeショップでは、カプコンサマーセールが開催中です。『逆転裁判』の初期3作品をまとめた『逆転裁判123 成歩堂セレクション』および『逆転裁判5』のダウンロード版が、それぞれ通常価格の約半額、1500円で購入することができます(9月24日午前9時59分まで)。特に『成歩堂セレクション』は、3作品が1500円で遊べるのでかなりオトクだと思いますよ! これまで、数多くのアドベンチャーゲームがリリースされてきましたが、『逆転裁判』は唯一無二の面白さを誇る金字塔的な作品だと思います。今まで未プレイだった方も、ぜひ遊んでみてくださいね。

最後に……『逆転裁判』は本当に名曲が数多い作品なので、ぜひボリュームを大きめにしてお楽しみいただければと思います。正直、『逆転裁判』をこれからまっさらに楽しめる方がうらやましいです。僕も記憶をまっさらにして最初からプレイしたいですよ(笑)。

個人的に『逆転裁判』シリーズの中で一番印象深いのは、『逆転裁判3』の最終話のクライマックスで、●作目の●●の楽曲が再登場して、●●●●くんと●●●さんが一緒に●●●●するシーンですね。ここは演出も含めて全身鳥肌ものでした…! 『逆転裁判』シリーズ全体の中でも1、2を争うほどの名シーンだと思います。……ああ、書いていたらまた見たくなってきちゃいました。僕ももう1回プレイしようと思いますッ!

【筆者プロフィール】
 hide / 永芳 英敬


ゲーム音楽ライター&ブロガー。ゲーム音楽作曲家さんへのインタビュー記事、ゲーム音楽演奏会のレポート記事など、主にゲーム音楽関係の記事を執筆。オバチャンが主役の『逆転警備員』が出ないかな、とひそかに期待しています(笑)。

[Twitter] @hide_gm [ブログ] Gamemusic Garden

《hide/永芳英敬》

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