企画とデザインのキャッチボールで生まれた『グランブルーファンタジー』の稀有な開発体制―春田康一プロデューサーと皆葉英夫氏に聞いた

Cygamesの大ヒット作『グランブルーファンタジー』を産んだ稀有な開発体制について、プロデューサーの春田康一氏、デザイナーの皆葉英夫氏にお話を伺いました。

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企画とデザインのキャッチボールで生まれた『グランブルーファンタジー』の稀有な開発体制―春田康一プロデューサーと皆葉英夫氏に聞いた
企画とデザインのキャッチボールで生まれた『グランブルーファンタジー』の稀有な開発体制―春田康一プロデューサーと皆葉英夫氏に聞いた 全 4 枚 拡大写真

ブラウザで作ったからこその良さを出せた



―――素晴らしいアートワークを持った壮大なゲームをブラウザゲームに落とし込んでいくのは相当な苦労があったと聞きますが・・・。どうしてブラウザで挑戦しようと考えたのでしょうか?

春田:元々Cygamesという会社は『神撃のバハムート』で成長した会社で、多くのお客さんが遊んでくれて今があると思っています。『神撃のバハムート』をブラウザで楽しんでくれた方に一番最適な形を考えたとき、ブラウザだったんです。『グランブルーファンタジー』の開発当時もネイティブアプリが主流になりつつあり、会社からもネイティブの方がいいんじゃないかと言われながらも、ブラウザで楽しまれるお客さんに提供したいというこだわりを持って作りました。

―――でもかなりの苦労があったと聞きます

春田:それは語り尽くせないですね・・・。でもビジュアルが出て、サウンドが出て、徐々に難問を突破していきました。でも「これ以上は無理なんじゃない?」と言われ続けましたね。それでも改善を重ねていって、何とか実現できました。もう一回やれと言われても無理な気がしますね。

―――振り返ってみて、ブラウザでやって良かった?

春田:そう思いますね。ブラウザは自由ですし、開発スピードが早いですね。「LAMP」と言いますが、Linux、Apache、MySQL、PHPというブラウザゲーム開発に必要な言語のセットは当時のCygamesでは大多数のエンジニアが使えました。ネイティブではまた異なる言語が求められ、そのスキルセットを持つエンジニアも新たに必要になってきます。そういう意味でブラウザで開発するための環境はかなり整っていたと言えます。ブラウザであればストアへの申請も不要なのでイベント等の展開も早いです。それに容量に関しての自由度が高いのも良いです。

―――というと

春田:このゲームはかなりの物量がありまして、全てのデータをダウンロードさせようとすると20GBくらいになります。ストアからアプリをダウンロードして、20GBを追加でダウンロードさせるのはちょっと無理ですよね・・・。もちろんネイティブにはネイティブの良さがありますが、『グランブルーファンタジー』ではブラウザの良さを活かした開発や展開が出来ていると思います。

―――運営面ではスピード感が最大の良さでしょうか?

春田:そうですね。イベントの開発もスピード感をもってやれています。イラスト制作の依頼もかなりスピード感があって・・・。

皆葉:来週までに、だったら良い方で、3日後、ヘタすれば今日中に、という依頼も。イラストを描いてから実装されて配信されるまで3日間というようなこともありましたね。社内のコミュニケーションツールで物凄い量のやり取りが短時間であって、制作、確認、実装までが一瞬で進んでいったというのを強く記憶してます。

―――どうしてそういう事が可能になるのでしょうか? 仕組みでしょうか? それとも意識でしょうか?

春田:両方ですが、仕組みが3割、熱量やパッションみたいなものが7割くらいでしょうか。受発注のような関係だとそんなに短納期だと「時間がないから無理です」という話になりがちだと思うのですが、「とりあえずやってみます」と言ってもらえるのは、熱量の高い関係性という他ないかなと思います。それだけモチベーション高い人達と一緒にゲームを作れているということかなと思いますね。

―――皆葉さんにとっても、そういう環境というのは今までには恐らくないですよね?

皆葉:本当にリアルタイムで、遊びながらゲームを作っていくというのはこれまでとは全く違いますね。家庭用ゲーム機では作り始めてからリリースまで長ければ5年くらいかかっていたわけで、そんな先の事を想定するのはなかなか大変です。今はユーザーさんの反応を聞きながら作っていけるというのは刺激的ですね。モチベーションにもなります。

―――ユーザーさんの声を聞きながら絵柄なども変わっていくのでしょうか?

皆葉:実際に最初期と現在では随分、絵柄が変わってきています。ずっと遊んでいる人にとっては少しずつの変化ですが、ブランクがある人にとっては驚かれるかもしれません。ユーザーさんからの反応を見ながら変わってきた、という側面もありますし、ほかのタイトルとコラボレーションをさせていただいて、目も大きくなりました(笑)。色々な作品とのコラボを通じて、『グランブルーファンタジー』の世界で受け入れられる幅が広がって、器が大きくなっていった印象があります。

春田:そうですね。最初は「王道のファンタジー」という自分たちで作った制約の中でやっていて、それがユーザーさんに受け入れて貰えたわけですが、その殻をちょっとずつ外に広げたり、少し破ったりすることによって、作品が強くなっていって、ゲームを遊んでいるユーザーさんにとっての『グランブルーファンタジー』ってこういうものだよね、という許容量も広がって楽しさが広がっていっている気がします。作る側も今はかなり自由な発想で作るようになっています。一方で変化球を沢山やってきましたので、そろそろ「王道のファンタジー」という路線をやる時期かなという気もしています。

―――プロデューサーとして『グランブルーファンタジー』における「あり」「なし」のラインというものをどこかに置いてらっしゃいますか?

春田:これは賛否両論あるかもしれませんが、自分も含めてユーザーさんにとって楽しめるか否か、というのを常に考えています。例えばシナリオだと、全員が楽しいかというのは難しい問題ですが、誰かが悲しむようなものはNGだと思うんです。お気に入りのキャラクターが傷つくとか、酷く心を悲しませるようなものとか。そういうのはこの作品では「なし」にしようと考えています。

皆葉:自分たちデザイナーもそこは意識をしていて、背景絵で海の底のようなモチーフで書いているときに、海にはツブツブがあるじゃないですか、でもそれって気持ち悪いと思う人には気持ち悪いよねって。何とかツブツブを描かずに海底を表現しようと頑張っていましたね。

春田:なるべく沢山の人に受けいられるゲームにしたいと思って、ここは気を使っていますね。

「最高のコンテンツ」を作れる環境



―――皆葉さんにとってCygamesでやりがいのあるポイントはどこでしょうか?

皆葉:そうですね、みんな若いってのはいいですね。年寄りなので(笑)。

―――刺激を受けることもありますか?

皆葉:多いですね。臆せずアイディアをぶつけてきてくれますし、レベルの高い仕事をする人が多い印象です。依頼は2行くらいの簡単なもので、どうやって使うんだろうと思いながら軽くイラストを描いた時に、上手くゲームで使って貰えていたりして。嬉しいというか感動を覚えることもあります。

―――逆に春田さんにとってCygamesのデザイナーチームはどういう印象なのでしょうか?

春田:非常にやりやすいですね。これは勝手な偏見かもしれませんが、クリエイターの人は基本的にプライドが高くて、中には傲慢・高慢という人もいます。でもCygamesのデザイナーをはじめとするクリエイターの人たちは、クリエイターとして最高峰でありながら、そういうところが無いんです。対話をしながら、キャッチボールをしながらクリエイティブを高めていける。役職や職種は関係なしに、協力して1つのゲームを作ろうという姿勢でいてくれる。そこが何にも代えがたい魅力です。

―――最後にCygamesに興味を持っている方にメッセージをいただけないでしょうか?

皆葉:ゲーム作りというのは一見すると難しいものと捉えられがちなのですが、本当のところは楽しんで作っているというのが自分たちの感覚です。作り手が楽しんでいるというのは、ユーザーさんにも伝わりますし、楽しめるものを楽しんで作るというのが一番大事です。Cygamesという会社は「最高のコンテンツを作る」ということを掲げていますが、自分と多くのユーザーさんが楽しめる、最高のゲームを本気で作ろうとしている人が多く居る会社です。それはお互いに刺激的で恵まれた環境ではないかと思いますので、ご興味の方は是非よろしくお願いします。

春田:先ほどと重複しますが、役職や職種に関係なく、その垣根を超えて仕事をする環境が整っています。それはある意味、大変なことではあるのですが、どうしても面白いものが作りたいと強く思っている人にとっては最高の環境だと思いますので、自分の力を思うがままに発揮してもらって一緒に最高のゲームを作りたいですね。そういう意識があれば経験の有無や年齢は関係ないと思うので、是非飛び込んできて下さい。よろしくお願いします。

―――本日はありがとうございました

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【必須の経験/能力】

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  • 3Dグラフィックス、シェーダープログラムの技術・経験のある方

【求める人物像】

  • チームワークを重んじ、チームでの開発を得意とされている方
  • 仕様の提案・策定も積極的に行える方
  • 妥協することなく、ハングリーにゲーム開発に取り組める方
  • 自ら進んでタスクを見つけ遂行できる、能動的な方
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