【hideのゲーム音楽伝道記】第40回:『ことばのパズル もじぴったん』 ― ポップで楽しい言葉のパズルゲームを彩る音楽

その他 音楽

【hideのゲーム音楽伝道記】第40回:『ことばのパズル もじぴったん』 ― ポップで楽しい言葉のパズルゲームを彩る音楽
【hideのゲーム音楽伝道記】第40回:『ことばのパズル もじぴったん』 ― ポップで楽しい言葉のパズルゲームを彩る音楽 全 3 枚 拡大写真
インサイドをご覧の皆さま、こんばんは。ゲーム音楽をこよなく愛するライターのhideです。ゲーム音楽連載「hideのゲーム音楽伝道記」第40回目を迎えた今回は、『ことばのパズル もじぴったん』をご紹介します。


『ことばのパズル もじぴったん』は、ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)より2001年にアーケードでリリース、2003年にプレイステーション2で発売された「知的好奇心くすぐり系パズルゲーム」です。文字が書かれたブロックをマスに置いてゆき、言葉を作っていくという斬新で楽しいゲーム性が人気を呼び、ゲームボーイアドバンス、プレイステーション・ポータブル、ニンテンドーDS、Wiiなどさまざまなハードで続編が発売されました。


本作では、画面左に位置する長身のキャラクター、「えらぶくん」の中に用意されている「もじブロック」を選んでマスに置いてゆき、左から右に、上から下に読める言葉を作っていきます。収録されている言葉は8万語以上。長い言葉を作ったり、1度の手数で複数の言葉を作って連鎖すると、高得点を獲得できることも。ステージごとに異なるクリア条件を達成して、多数用意されたステージの全面クリアを目指します。

本作は非常にシンプルなルールと操作性で、老若男女を問わず誰でも楽しめるゲームになっています。感覚的にもじブロックを置いていって、知らなかった言葉を偶然見つける、というのもこのゲームの楽しさのひとつですね。楽しくいろんな言葉を覚えることができますよ。

◆“チップ、キュート、ポップ”な音楽たち


さて、そんな『もじぴったん』の魅力のひとつが音楽です。本作の作曲を手掛けたのは、当時ナムコ所属だった、現在はサウンド制作会社MONACA(モナカ)所属の作曲家・神前暁(こうさき・さとる)氏。『鉄拳』シリーズ、『アイドルマスター』シリーズの楽曲や、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』、『らき☆すた』、『化物語』などの音楽を手掛けたことでも著名な方ですね。

本作のサウンドトラックCD(後述)に綴られている神前氏のライナーノーツによると、本作の音楽におけるテーマは“チップ、キュート、ポップ”。聴いていてウキウキするようなサウンドを目指したとのことです。神前氏の言葉通り本作には楽しい音楽が多く、特に「ふたりのもじぴったん」など、歌入りの楽曲に印象的なものが多いですよ。それでは、本作のステージ中に流れる楽曲で印象深いナンバーをご紹介していきましょう。

●「ふたりのもじぴったん」
本作の主人公・もじくんの声を担当した声優の古原奈々氏が歌う、『もじぴったん』の顔とも言える楽曲です。「ぴったん たんた もじぴったん♪」という不思議かつ可愛らしい歌詞とメロディは、一度聴くだけで耳に残り、さらには頭の中を延々ぐるぐると回ってしまうほどのインパクトを持っています。

神前氏によると、じつは「ふたりのもじぴったん」に歌を入れる予定は当初無かったとのこと。対戦ステージ用に作っていたこの楽曲を、『もじぴったん』ゲームディレクター(当時)の後藤裕之氏に聴かせてみたところ、彼がほんの30分ほどで歌詞を作ったそうで、そのあまりのハマりっぷりに急遽レコーディングを行うことになったのだそうです。ゲームの雰囲気にとてもピッタリで、まさに『もじぴったん』を代表する1曲だと思いますね。

●「わーずわーずの魔法」
イントロは、ファミコンチックなピコピコ音。昔なつかしい雰囲気……と思いきや、突然曲調が一転し、ロックサウンドと外国人男性の英語ボーカルが入ってきます。ピコピコ音とロックが融合したクールな楽曲で、ゲームを盛り上げてくれますよ!

●「Piacevole!」(ピアチェーヴォレ)
イタリア語で「楽しい」という意味を持つタイトルの音楽です。人の声に機械的な音声変換をかけたような、ロボットチックな声で歌われています。おもちゃの騎兵隊が行進するような楽しいイメージと、やさしい子守唄のような感覚が混ざり合った不思議な魅力がありますね。

●「クッキー&クリーム」
ふわふわした音使いで、タイトル通りゆったり甘い雰囲気を感じさせてくれる、かわいらしい楽曲です。聴いていると、ほっこり穏やかな気分になって癒されますよ。

●「ベッドタイムパズラー」
ゆっくり落ちついたテンポの楽曲です。月夜の晩に、子どもたちが楽しく夢の中で遊んでいるような、まったり感のあるメロディが素敵ですよ。特に、曲の後半に入ってくる「ラララララ……」というコーラスと、小さく鳴るパーカッションの掛け合いは、プレイヤーを夢見心地にさせてくれるほどの絶品の気持ちよさがあります。なお、PSP版で追加された、ボーカルアレンジ版「Bedtime Puzzler」も美しくて心地良い楽曲なので、こちらも合わせて聴いてみてください!


『もじぴったん』は、神前氏の紡いだキュートでポップな音楽たちが、ゲームの楽しさをいっそう引き立てていると思います。聴いていると、とっても楽しい気分にさせてくれる、素敵な楽曲ばかりですよ。

本作の音楽や効果音は、ポップでノリノリなサウンドの中に、ファミコンチックなチップチューンを混ぜたものになっています。その混ぜ具合のバランスが、非常に絶妙で心地いいですね。おもちゃ箱をひっくり返したような『もじぴったん』の楽しい世界観を、音楽でうまく表現しているように感じます。『もじぴったん』の世界に、神前氏の音楽は絶対に欠かせない重要な存在だと思いますね。

ちなみに、本作には『マッピー』、『パックマン』、『ミスタードリラー』、『風のクロノア』、『太鼓の達人』といったナムコの往年の名作たちをモチーフにしたステージも収録されています。それらのステージでは、各作品の音楽(アレンジされた楽曲もあり)が流れますので、昔からのナムコファンの方は要チェックですよ!

◆サントラは2枚発売されています



『もじぴったん』は、PS2版の音源を収録したサウンドトラックCDが発売されています。本作の音楽は、ゲームと切り離してひとつの音楽として聴いても素晴らしいと思います。休日に部屋の中でまったりしたい時に聴くもよし、晴れた日の散歩中に聴くもよし。普段の生活の中で聴いても楽しめる、ゴキゲンなサウンドたちですよ。『もじぴったん』のゲームをプレイされたことのない方でも、ぜひ聴いてみていただきたい1枚です。きっと『もじぴったん』ワールドにハマっちゃうと思いますよ!


また、PSP版『ことばのパズル もじぴったん大辞典』の楽曲が収録されたサントラCDも発売されています。このCDには、PSP版で新しく作られた楽曲や、中田ヤスタカ氏、ハヤシベトモノリ氏、AKIRA SUZUKI氏によるリミックス楽曲が収録されていて、よりオシャレになった『もじぴったん』サウンドを楽しむことができますよ!

さらに、このCDには『ゼノサーガ』のファンディスク『ゼノサーガフリークス』に収録されていた『ぜのぴったん』用に新しく作られた4曲も収録されています。シオン、KOS-MOS(コスモス)、M.O.M.O.(モモ)の『ゼノサーガ』3人娘がそれぞれ歌う楽曲は、3人の個性にマッチしていて、ファンの方なら必聴の出来です。3人が一緒に歌う「ふたりのぜのぴったん」も非常にかわいらしいので、ぜひこちらも合わせて堪能していただければと思います。

ちなみに、PSP版から新しく入った楽曲で個人的におすすめなのは、大久保博氏(『リッジレーサー』シリーズ、『エースコンバット』シリーズなどの音楽を手掛けたゲーム音楽作曲家。バンダイナムコスタジオに所属)が作曲した「バンビーニ」ですね。イタリア語で「子どもたち」という意味を持つタイトルのこの楽曲は、元気に遊び回る子どもたちをイメージさせるような、非常にポップで楽しい雰囲気を持ったノリノリサウンドです。甘酸っぱい恋模様が見え隠れするような歌詞もイイ感じなので、ぜひお聴きになってみてください。

なお、『もじぴったん』のいくつかの楽曲は、『もじぴったん』の公式ウェブサイトでmp3データが提供されています(ふとっぱら!)。ご興味をお持ちの方はぜひダウンロードして聴いてみてくださいね。さあ!あなたも魅惑の『もじぴったん』ワールドへ!

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


『もじぴったん』は近年新作が出ていませんが、とても良くできた楽しい作品なので、また機会があれば新作を遊んでみたいものです。2016年3月には、バンダイナムコエンターテインメントが実施している「カタログIPオープン化プロジェクト」(同社のIP、すなわち知的財産を使用した二次創作が可能となるプロジェクト)対象タイトルの1つに『もじぴったん』が追加されました。『もじぴったん』ファンの1人としては、今後何かまた新しい動きがあればいいなと願っています。

現在ダウンロードしてすぐに遊べるタイトルとしては、Wii Uバーチャルコンソールで配信中の『ことばのパズル もじぴったんアドバンス』、Wiiウェアで配信中の『ことばのパズル もじぴったんWii』、PlayStation Storeで配信中のPSP版『ことばのパズル もじぴったん大辞典』(PSPおよびPS Vitaでプレイ可能)があります。ご興味をお持ちの方はプレイしてみてくださいね。

■「ことばのパズル もじぴったん」公式紹介動画

【筆者プロフィール】
 hide / 永芳 英敬

ゲーム音楽ライター&ブロガー。ゲーム音楽作曲家さんへのインタビュー記事、ゲーム音楽演奏会のレポート記事など、ゲーム音楽関係の記事を執筆しています。最近また『ゼノブレイド』にハマり中!
[Twitter] @hide_gm [ブログ] Gamemusic Garden

(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
※記事中の画面写真はWii版のものです。

《hide/永芳英敬》

この記事の写真

/

特集

コメントを投稿する

関連ニュース