ルフィや悟空、ナルトら「週刊少年ジャンプ」のヒーローたちが繰り広げるMOBA『JUMP:Assemble(ジャンプ アセンブル)』がスゴい【プレイレポ】

世界を熱狂させる漫画カルチャーの総本山「週刊少年ジャンプ」のキャラが戦うスマートフォン向けMOBA『JUMP:Assemble(ジャンプ アセンブル)』のプレイレポをお届けします。

ゲーム プレイレポート
ルフィや悟空、ナルトら「週刊少年ジャンプ」のヒーローたちが繰り広げるMOBA『JUMP:Assemble(ジャンプ アセンブル)』がスゴい【プレイレポ】
ルフィや悟空、ナルトら「週刊少年ジャンプ」のヒーローたちが繰り広げるMOBA『JUMP:Assemble(ジャンプ アセンブル)』がスゴい【プレイレポ】 全 23 枚 拡大写真

集英社が協力し、DeNAが企画・開発・パブリッシングを行うスマートフォンゲーム『JUMP:Assemble(ジャンプ アセンブル)』が、日本を除く一部の国で配信開始となりました。本作は集英社が刊行する漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」の人気作品から、多数のキャラクターが登場するチーム対戦型のアプリゲームです

本作のようにジャンプのキャラクターが作品の垣根を超えて戦うゲームといえば、かつてニンテンドーDS向けに発売された『ジャンプスーパースターズ』、PlayStation 4/Xbox One/ニンテンドースイッチ向けに発売した 『JUMP FORCE(ジャンプ フォース)』などがありました。


そこに“新たなるクロスオーバー作品”として、2024年3月28日に加わったのが、本稿で紹介することになる『JUMP:Assemble』というワケです。過去のクロスオーバー作品では「アクション」という、少年誌の中核を担うバトル漫画に合わせたゲームジャンルが採用されてきました。

しかし、今作ではチーム間での連携と戦略性が重視される「MOBA(Multiplayer online battle arena)」を採用し、日本を除くグローバルな市場を見据えてのチャレンジになります。

日本国内では『ポケモンユナイト』を機にMOBAを知った、あるいは触れたプレイヤーなんかが多いと思われます。そんなMOBAは、国内外のeスポーツ分野において人気種目の1つに数えられ、『リーグ・オブ・レジェンド』や『Dota2』といったタイトルが長らく注目され続けている定番ジャンルです。

いまやeスポーツの定番ジャンルとなったMOBAのキャラクターと世界観を、今やワールドワイドに広がりを見せ、日本の漫画・アニメ文化を牽引し続ける「週刊少年ジャンプ」の作品群に置き換えたら一体どうなってしまうのでしょうか。そうした点にも注目しながら本稿では『JUMP:Assemble』の実機プレイレポートをお届けしていきます。


◆ システム自体はオーソドックススタイルなMOBA。ジャンプのキャラクターで戦えるのはやっぱりイイ

今回ゲームをプレイする中で意外だったのは、ジャンプ作品のMOBAだからといって特別小難しいシステムが備わっているわけではないということです。ゲーム自体はどのMOBA作品にも共通する当たり障りの無いもので、1度でもMOBAをプレイしたことのあるプレイヤーならばすんなりと遊べてしまいます。

またサービス開始を記念して、本来ならある程度遊ばなければ使用できないキャラクターから数体が期間限定で登場し、対戦にて使用できました。初めて使ったのは「鬼滅の刃」の人気キャラクター・胡蝶しのぶ。なお、同じキャラクターは同一チーム内に編成できません

MOBAでは、相手プレイヤーか拠点から湧き出るミニオンと呼ばれたモンスター、あるいはフィールド内に登場する中立モンスターを倒すことで、自分の使用キャラクターが成長していきます

本作では成長で獲得したポイントを使用し、キャラクターのスキルを強化していくのが基本です。また、時間経過で貯まる通貨を利用すれば、バフ効果のアイテムをその場で購入して装備し、好きなタイミングで付与できました。

キャラクターのスキルは当然原作を意識したものになっており、しのぶなら「蟲の呼吸」を活かした素早い攻撃スキルと、毒を作り出すバフスキルで戦いを有利に立ち回れます。まだリリースされてから間もないのは仕方がないのですが、このしのぶが持つバフスキルが非常に強力な印象を受けました。

効果としては「敵チームにいる特定のキャラクターに対し与えるダメージ量が20%増加する」というもの。そのほかに所有している攻撃スキルと、通常攻撃においてもダメージバフが加算されるようで、対象と対面している状況下なら無類の強さを誇ります

しのぶは逃げる敵を追撃する突進系スキルを持つ上に、機動力も高めです。前線で暴れているキャラクターがいれば即座に駆けつけて強引に倒してしまうこともできます。

使用した中でも個人的に扱いやすかったのは「NARUTO」のうちはサスケです。スキルの数が3つと少ないのですが、「千鳥」「千鳥流し」による突進攻撃2種に加えて、広範囲に雷を落とす遠隔攻撃「麒麟」も高火力です。

しかし彼らしいスピード感は攻撃スキルに割り当てられたせいなのか、サスケ自身の移動速度は遅めな印象です。前線で敵を削っても、スキルが溜まっていなければ追撃できずに逃げられてしまうケースが多々ありました。ただし、バトル終盤で敵チームの拠点に攻勢を仕掛ける際は、その火力を活かして大きな活躍が見込めます。

ほかには「ドラゴンボール」の魔人ブウもトリッキーで面白いキャラクターです。彼もサスケと同様、スキルの数は3つしかありませんが、パッシブスキルのおかげで大ダメージを受けて死亡した場合は、体力の16%を回復してその場に復活することができます。

さらに、スキルで敵をケーキにしたあと、前方の敵を吸い込むスキルを組み合わせると、大ダメージを与えつつ体力を回復する強力な連携も可能に。回復能力を活かして、守るべき拠点や前線にしつこく居座り続けられる性能となっていました。いわゆるタンクの役割を果たすキャラです。

MOBAの基本を一通り抑えたゲームシステムなので、本作からMOBAデビューを飾っても全然問題はないでしょう。

“ジャンプ作品のキャラクターで遊べるMOBA”というのも、新規プレイヤー層やカジュアルプレイヤー層を取り入れるに相応しいフックですし、これからよりMOBAの間口が広がっていきそうな気がしています。

◆ プレイヤーを次々と漫画・アニメ沼に引き込みそうなクロスオーバーの強み

MOBAというジャンルは、リアルタイムに繰り出されるチーム間の戦略的な駆け引きがやはり魅力です。FPSやアクションゲームとも異なり、動体視力と反射神経、精密な操作よりも戦略的な思考とチームワークなどが重視される傾向があります。

そういった団体競技にも近しいゲーム性ゆえなのか、ソロプレイで楽しむ“アーケードモード”あるいは“キャンペーンモード”に力を入れたタイトルは決して多くないのが現状です。もちろん、すでに世界観が出来上がっている場合や、キャラクター同士の関係性といった設定にまつわる部分がオフィシャル的に存在するタイトルも多数あるでしょう。

中でもMOBAの人気作『リーグ・オブ・レジェンド』は、アニメなどの派生作品も生まれているほどです。ゲーム本編に物語と世界観を楽しむ要素が薄くても、その作品を好きになったプレイヤーは、派生作品を通してより深みにハマれる構造なのです。

本作『JUMP:Assemble』に関しては、MOBAであっても俗な表現にあたる“キャラゲー”の部類に入ると考えられます。この言葉に明確な定義は備わっていませんが、近年では作中のキャラクターを魅せることに重きを置いたゲームより、「漫画・アニメを基にした人気IPのゲーム=キャラゲー」とする意見も多いようです。それにならうのであれば、まさしくキャラゲーといって差し支えないでしょう。

そしてそんなキャラゲーにユーザーが期待するのは、原作の追体験だったり、オリジナルストーリーだったりでしょう。ましてやクロスオーバー作品ともなれば、ゲーム内に物語がなくても作品を超えた掛け合いとかに期待してしまうものです。

しかし、記事執筆時点でそういった要素・コンテンツはありません。あくまでジャンプ作品のキャラクターと世界観を使ってチーム対戦できるタイトルに過ぎず、本作は「キャラゲー」<「MOBA」という図式の作風になっています。

簡単なプロフィール機能こそ用意されていますが、「ゲームを遊んでそのキャラクターが好きになった」「なんとなく見た目で選んだけどキャラクターを気に入った」というプレイヤーたちは、ググるか原作をチェックするほかありません。

人気に火がつき派生作品が複数生まれていった『リーグ・オブ・レジェンド』と、そもそも前提が大きく異なれど、プレイヤーたちがさらに興味を惹かれる世界観とそのキャラクターの活躍が見られるメディアがゲーム外に用意されているという構造は共通しています。

本作の場合はクロスオーバー作品ならではの強みとして、「NARUTO」「ONE PIECE」「ドラゴンボール」など、世界的な認知度を誇るジャンプ作品同士がコラボレーションするからこそ、そこに付随してより多くのジャンプ作品たちにスポットを当てやすくしているともいえます。

マリオやピカチュウが出るからという理由で『大乱闘スマッシュブラザーズ』に触れ、そこで『ファイアーエムブレム』を知って、マルスやロイの魅力に取り憑かれたプレイヤーは数知れません。

過去作・関連作品を隅々までチェックし始め、サントラからフィギュアまで集めてどハマりした人だっているでしょう。『JUMP:Assemble』は、そんな底なし沼に引きずり込むポテンシャルを十二分に秘めているMOBAなのです

「ドラゴンボール」だけでも原作漫画以外にさまざまなメディア展開が行われています。ゲームの数は膨大ですし、アニメも映画からOVAとよりどりみどり。仮にアニメ化したばかりの作品、ゲーム化してない作品が登場したあかつきには、IPの認知度をさらに広めるキッカケになるでしょう

そして長期運営スタイルのモバイルゲームで展開するからこそ、今後新規でヒットした作品の新しい露出先としても最適な気がしてならないのです。

記事執筆時点では、数えきれないほどの人気作のキャラが未参戦で、今後の登場に期待が高まります。「あのキャラクターが出るならMOBAだけど遊んでみたい」そういったプレイヤー層すら上手く取り込むことができる、“最強のキャラゲー”なのではないかと考えてしまいます。

◆ 多くのキャラクターが遊び続けていれば無料で獲得可能

ゲーム内には期間限定ピックアップのキャラクターも登場していますが、多くのプレイアブルキャラクターがゲームを続けているだけで獲得できます。バトルの報酬で得られるチケットを一定数集めると、順番にキャラクターがアンロックされる仕組みとなっていました。なお、課金アイテムを使用すれば、チケット集めの過程を短縮して即キャラクターをアンロックできるようです。

ただ、ガチャで出現するキャラクターとそうでないキャラクターのラインナップ分けは正直首を傾げるところがあります。「呪術廻戦」ならば、伏黒恵と釘崎野薔薇は無料で獲得できますが、主人公の虎杖悠仁はガチャのピックアップ対象です。

しかし、孫悟空やうずまきナルト、モンキー・D・ルフィにゴン=フリークスら人気主人公たちは軒並み無料で獲得可能です

さらに「アンデッドアンラック」のアンディと、「マッシュル-MASHLE-」のマッシュ・バーンデッドでさえも無料アンロック対象でした。竈門炭治郎に関しては、無期限のイベントミッション報酬になっています。一貫性がなくて何を基準にしているのかわからないので、そこだけは不思議です。

キャラクターのスキン要素や、プレイヤーアバターのカスタマイズ要素なども確認できました。どちらもゲームがリリースされたばかりということもあって、その数は決して多くはありません。

しかしながら既にファンとしては嬉しいマニアック気味なスキンも登場しているので、今後のラインナップには期待が高まります。

本作はMOBAとジャンプ作品の入り口を広げ、どちらのユーザー層も巻き込む可能性に満ちた注目作だと思います。現状日本国内において配信されるのかは未定ですが、Androidユーザーであればグローバル版のTapTapからゲームをダウンロードすることが可能です。

現状は他国からアクセスする際にどうしてもネットワークの遅延が発生してまうため、インターネットのアクセス環境によっては遊びづらいかもしれません。

《そりす》

ライター そりす

東京都福生市生まれのゲームライター。そしてお酒と革靴が好物でソロキャンプが趣味のミニマリスト気質おじさん。サ終ゲームのヒロインをAIで復活させてニヤニヤしたり、国語辞典を持ち歩いて山中フラフラしたりしています。ULキャンプに傾倒しているためSNSは大体キャンプの話題が多め。

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