岩田社長インタビュー/シアトルタイムズ

NOAの地元シアトルの「シアトルタイムズ」に岩田社長のインタビューが掲載されています。ゲームデベロッパーズカンファレンスでの基調講演の後に収録されたものです。アップルについての見解や、任天堂オブアメリカの役割についても軽く触れてあります。以下全文です。

ゲームビジネス その他
NOAの地元シアトルの「シアトルタイムズ」に岩田社長のインタビューが掲載されています。ゲームデベロッパーズカンファレンスでの基調講演の後に収録されたものです。アップルについての見解や、任天堂オブアメリカの役割についても軽く触れてあります。以下全文です。

―――スピーチでiTunesに言及しました。アップルをどう考えますか?

人々はしばしば任天堂とアップルを似ていると考えます、私達が常に消費者の視点で物事を考えようとするような点を。アップルは彼らの製品をベストに使って貰うためにはどうしたらよいか考えようとしています。また、今は彼らの商品を使っていない人に対してはどのようにしたらそういうバリアを取り除けるかを考えます。

―――岩田さんが最初に始めた頃のゲーム作りと今のそれはどう異なりますか?

その頃に戻って考えると、そこには人々が驚くような物がまだ沢山残されていました。しかしながら今では私達の業界に居る人達はユーザーを驚かすために新技術が登場する事ばかりに期待するようになりました。業界は過去の成功方程式にとても依存するようになりました。私が今日本当に伝えたいメッセージとは「さあ進もう、そして変わろう」ということです。

―――ゲーム業界にとって2005年は良くない一年でした。なぜだと思いますか?

一部の人は2005年はハードが移り変わる年だったと言いましたが、同意できません。私は私達が人々を楽しませる新しい方法を見出したと信じます。過去、私達はもっと豪華なグラフィックやサウンドその他で人々を楽しませようと挑戦してきました。業界の人達はまだそのような方向性が唯一の方法だと考えています。しかし残念なことに既にユーザーは飽きてしまっています。

―――任天堂はオンラインゲームは儲からないという持論を待ち続けてきました。それは変わりましたか?

一部の人達は任天堂が、単に儲からないという理由だけで任天堂がオンラインゲームに積極的ではないと言ってきました。任天堂は自信の立場を十分には説明してきませんでした。

最大のポイントはお金ではなく、ユーザーがどのように任天堂のシステムを使うかという点でした。私達が取り組もうとしたのは、どうしたら高い割合でユーザーが参加してくれるかということです。

私達はユーザーが任天堂のオンラインゲームを楽しめるような環境ができるのを待つ必要がありました。私達はインターネット技術が発達すること、ブロードバンドが普及すること、そして町中にホットスポットが設置されるのを待ちたいと思いました。

今、外部環境は整い、私達は任天堂がオンラインゲームを始めるのに良い時期だと考えました。

―――PS3の延期をどう思いますか?

私達がレボリューションで目指しているものと、ソニーがPS3で目指しているものは大きく異なるので、彼らのスケジュールの変化は任天堂に強い影響を与えないだろうと思います。私達はPS3がいつ発売されるか考えたことはありません。私達の希望はレボリューションを2006年に発売することです。その意味で、ソニーが延期について話していることは気にしてません。

ゲームキューブを発売したとき、私の個人的な考えはゲームキューブとPS2の違いを十分に見せられなかったということです。レボリューションとPS3については、非常に異なるもので、ユーザーはどちらを選択しなければ、とは思わないと思います。Xbox360とPS3とは非常に似ていますから、延期は影響があるかもしれません。しかしレボリューションには関係がありません。

もちろん私達は人々がレボリューションを最初に買うことを望んでいます。私達は人々がレボリューションがマストアイテムなのだと理解することを望みます。

―――ですから、任天堂はまだソニーやマイクロソフトと競争している?

広い意味ではそうです。結局、ユーザーがエンターテイメントに使えるお金は限られているのかもしれません。私達は他のエンターテイメント会社と競合しているのかもしれません。

しかし狭い意味では違います。私の理解ではソニーの基調講演は、ソニーがXbox Liveを実現しようとしているということでした。それはXbox360より素晴らしい物を作るという意味です。任天堂は全く異なる価値を私達の製品で実現しようとしています。

―――任天堂以外のゲームで好きなゲームはどんなゲームですか?

(シムの開発者である)ウィル・ライトが作ったどんなゲームでも私は好きです。彼は彼以外が誰も作れないようなゲームを作ります。

それらは遊ぶプレイヤーに知的興奮を与えます。彼のゲームは常に面白いのですが、暴力や他者を殺すこと等に決して依存しません。彼は自信のエンターテイメントを作り出せる稀有な人物です。

―――任天堂オブアメリカの役割はどのように変わってきましたか?

任天堂オブアメリカは急速に変わりつつあり、進化していっています。 私たちは今、DSで何を行うべきか、レボリューションをどうするべきかについて話しています。 その結果は年末にかけて非常に明白になっていくでしょう。

《土本学》

【注目の記事】[PR]

特集

関連ニュース