オンラインゲーム一週間『攻殻機動隊 vs ガチャピン・ムック!』

連休を控えた週末に台風が訪れるという7月第2週ですが、コラボレーションに関するニュースがいくつか見られました。

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連休を控えた週末に台風が訪れるという7月第2週ですが、コラボレーションに関するニュースがいくつか見られました。

ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン(ECO)」において、アニメ「攻殻機動隊 S.A.C.」とコラボレーション、「笑い男」や「タチコマ」が手に入るコラボレーションパッケージを発売すると発表しました。「ECO」ではこれまでも、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」とのコラボレーションを行っており、今回もアニメファンからの反響が期待されます。ファンタジーとスチームパンクが融合した世界観を持つ「ECO」ですが、コラボレーション先の「攻殻」はサイバーパンクの最先端ともいえる内容。異文化交流ともいえる合体をいかに違和感なくまとめるかの手腕が注目されます。

フェイスは、MMORPG「ローズオンライン」において、フジテレビとコラボレーション、「ガチャピン」や「ムック」をモチーフとしたマイレージアイテムの販売を開始すると発表しました。韓国での運営が終了したものの、フェイスが各種の権利を買い取ったことで日本での展開が可能となったこの「ローズオンライン」。国民的な知名度を持つ「ガチャピン」や「ムック」を投入してくるなど、その勢いには目を見張るものがあります。コラボレーションを行っているタイトルの多くが国内産。コラボレーションに不可欠なフットワークを手に入れたフェイスと「ローズオンライン」の実力が真に試されるのはこれからといえるでしょう。

このように様々なタイトルで行われているコラボレーション、上手く使えばプレイヤーと運営サイド、スポンサーのそれぞれにメリットが生まれるはずですが、そのバランスは大変に難しいものがあります。さじ加減を間違えれば、運営サイドとスポンサーの利益が多く、プレイヤーが得られるものは少ないということも起こりえます。こうした行為が繰り返されるのであれば、コラボレーションという手法自体が大きな反発で迎えられることにもなりかねません。ゲーム界で一番憂慮されることは、多様性が失われることです。多様性が失われた世界では、同じようなジャンルが、想定された寿命の間に予測可能なだけの利益を生み出して消えていきます。悪い意味での「産業」であり、そこには夢もロマンも驚きもありません。年を経てなお稚気のある人が尊敬されるように、真の成熟は大人の分別と子供の情熱が合わさったところにあります。オンラインゲームは、悪い意味での「産業」となるのか、それとも「びっくり箱」となるのか。選択するのは、この時代に生きる我々なのです。

■Xbox Live アーケードでのオンライン協力プレイ

セガは、「Xbox LIVE アーケード」において、「SEGA Vintage Collection」の配信を開始すると発表しました。配信が決定しているのは、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」「ベアナックルII −死闘への鎮魂歌−」「エコー・ザ・ドルフィン」「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」「ゴールデンアックス」の5タイトル。

いずれもメガドライブのタイトルですが、グラフィックなどが変更されるほか、「ベアナックルII」「ゴールデンアックス」ではXboxLiveでの協力プレイも可能となっています。実はこれ、地味に重大なニュースではないでしょうか。同様の配信サービスと言えば、任天堂がWiiで行っているバーチャルコンソールが挙げられますが、現時点では通信での協力プレイができるタイトルはありません。

気の合う仲間との協力プレイはゲームの華。ゲームセンターが対戦メインとなって以降はMMORPGのパーティーが協力プレイを求めるニーズに応えてきましたが、ゲームバランスによっては、効率重視のあまりに民心が荒むなどの弊害を生み出しました。「ベアナックルII」「ゴールデンアックス」はどちらも現在あまり見られないベルトスクロールアクション。いい意味で「終わった」タイトルであり、それだからこそ、効率などを排して純粋に趣味としてゲームを楽しむことができます。現時点で配信が決定しているのは5タイトルですが、協力プレイができるゲームを中心に、もっともっと拡充を望みたいところです。

《水口真》

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