イベントは秋葉原のPCパーツショップ店頭で約1時間。さらに別の店舗に場所を移して約1時間開催されました。1店目では主にGeForce8800シリーズを用いた実演。GeForce8800シリーズDirectX10に正式対応しているため、その映像表現力を比較しようと言う試みです。
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素材となったゲームはカプコンから発売されている「ロストプラネット」でした。DirectX9とDirectX10の画面を42インチモニタに映して並べます。DirectX9ではひとつのオブジェクトを複数に並べていた部分で、DirectX10はそれぞれのオブジェクトにライトニングや動きなど別の効果を与え、オブジェクト画一的にならないように表現しました。また、モンスターの体毛もDirectX10ではふさふさとした質感が表現されています。DirectX10はリアルな表現と詳細な描画を行うことがよくわかります。
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次にSLI構成の有無による違いのデモです。これは3Dグラフィックベンチマークソフト3Dmarkのテスト画面を用いました。SLIはエヌビディアのグラフィック性能強化技術です。PCに同一性能のふたつのGeForceビデオカードを搭載し、画面の上半分と下半分の描画を分担します。一枚のビデオカードが担う面積が半分になるため、描画が高速になります。ちなみにロストプラネットで解像度を最高にしたところ、カード1枚の場合は20fps前後でした。SLI構成では少なくとも28fpsで、ほとんどの画面でfps30〜40台を達成。最高で60以上に達する場面もありました。地上波テレビ放送と同様のクオリティです。
ただし、SLI構成を組み込む場合は、マザーボードがSLI構成に対応する必要があるほか、電源ユニットも強化する必要があります。GeForce8800シリーズは約200ワットを使用するため、2枚で約400ワット。CPUなどへの供給電力を考えると、数百から千ワットの電源ユニットが必要です。それでも最新の高価なビデオカードに買い換えるより、現存のビデオカードと同等品を購入すれば、低コストで最高の環境に追いつきます。
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最後に「PureVideo」使ったハイビジョン映像再生機能のテストです。これは市販のDVD映画で比較されていました。GeForce8800シリーズがBlu-rayDiskの再生に対応することを示しています。映画自体では差が解りにくいですが、字幕の表示部分に鮮明さの差がはっきりと出ていました。他にもラグナロクオンライン2のゲーム動画などで比較が続きました。
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なお、このイベント中にエヌビディアの次の店頭イベント日程が発表されました。9月27日はエヌビディアのSLI公式サイトで今年の秋に発売される予定の戦場FPSゲーム「Crisis」のデモ版がダウロードできるようになります。10月6日にはEスポーツイベントで有名なリナックスカフェ・カフェソラーレ秋葉原店で開催されます。11月には既に米国で始まっている「SLIClub」メンバー制度が日本でも始まります。メンバーに登録すると様々な特典があるそうです。
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場所を変えて今度は秋葉原の裏通りにあるPCパーツショップへ。GeForce8800シリーズを搭載したPCをオーバークロックし、日本最速のPCを作ろうという試みです。3DMarkのFPS表示を比較すると、SLI構成無しの画面のFPS値は20でした。一方、SLI構成のFPS値はだいたい40前後、最大で100を超えることもありました。
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次に、SLI構成のPCでどこまでクロックアップできるかを実験しました。ちなみに昨年11月にGeForce8800シリーズが初登場したとき、3Dmarkスコアの日本記録は16114でした。これを超えるべく挑戦しましたが、オーバークロックをしない状態で12801、オーバークロックした状態で15716。気温が高かったこともあって、残念ながら新記録は出ませんでした。
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スペシャルゲストとして"オーバークロックの達人"こと市川健太郎氏も駆けつけました。冷却用エアダスターを大量に持ち込んで、PC内部に吹き付けながらの挑戦でしたが、残念ながら3Dmarkの最後のテストでPCは停止してしまいました。ただし、実はこっそり裏手で試していたところ日本最高の数字が出ていたとのことで、証拠の画面キャプチャーが紹介されました。
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GeForce8800シリーズ単体の性能も目を見張るところですが、SLIが描画性能をパワーアップさせることもよくわかるイベントでした。
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