IVRCにはメインとなる団体部門だけでなく、個人部門もある。こちらは東京予選で順位が決定しており、優秀賞を受賞した藤田倫太朗さんの「Popping-Pump」が展示された。また東京予選で一般来場者から最も投票を集め、未来観客賞を受賞した奈良先端科学技術大学院大学の「かげかみさま」と、地元・岐阜大学の作品「かげくり」が招待作品として展示された。
個人部門 Popping-Pump(多摩大学/藤田倫太朗)
スクリーン上の物体にチューブを挿し、空気入れで空気を送り込んで膨らまし、破裂させてしまう作品。東京予選ではスクリーンに紙と布を張り合わせた素材を用いて、背後からプロジェクターで投影していたため、像がぼやけていた。これが素材をアクリル板に変更したことで像が明確になり、チューブの設置点も正確に判定可能になった。スクリーン上のキャラクターにタッチすると動き出す、などの改良も行われている。
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招待作品 かげかみさま(かげかみさまのおかげ/奈良先端科学技術大学院大学)
壁面のスクリーン上の影をつまんでスロットに落とすと、カプセルの乗ったライドがチューブ内を滑り落ちていき、床面のスクリーンに投影される。予選では2台のPCを用いていたが、本選では1台のPCに内容をまとめ、より影を掴みやすくした。床面のスクリーンの位置も変更して、周囲の人にも見やすくしている。生成されたCGの動物が出口から走り去るアニメーションも追加するなど、細部をブラッシュアップした。
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招待作品 かげくり(2.5D/岐阜大学)
スクリーン上で上から落ちてくるボールの映像に対して、自分の影でインタラクションして遊べる作品。体験者の背面上方から赤外線が照射され、スクリーン上に影が映し出される。予選では数種類のコンテンツが用意されていたり、赤外線反射テープを貼ったベストを着込むなどの要素もあったが、本選ではボールが落ちてくるだけのシンプルな内容にまとめられた。一度に何人もの体験者が遊ぶことができる点がユニーク。
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■審査発表