−−GTOでは、開戦直後と終戦直前ではプレイヤーの手持ちユニットの数がまったく違ってくることになると思うのですが、そのあたりバランスを取るのが難しかったのでは?
山崎 | 最強編制が固定されないように、ある程度の間隔で次々にユニットを出していってトレンドが移り変わるようにしようと考えてます。ある時期に強い編制があったとしても、いつまでもそれが続くのは面白くないですよね。格闘が強い時期もあれば、砲撃が強い時期もある、みたいに遷移するようにしておくと楽しめるかなと。モビルスーツの発売や追加の戦術ユニットで変わったり、継続的に楽しめるようにしていきたい。βではモビルスーツが固定、定期的なユニットの追加もなかったのであまりお見せできなかった。実際に運営に入れば違った感じになると思います。 |
−−ただ、それだと、一回「一年戦争」をやってしまうとプレイヤーさん側に「これがきて、これがくるんだな」というのが読まれてしまいませんか?
山崎 | 歴史的には巻き戻るんですが、1クール目に出なかったモビルスーツを出していくとか、そういうことも考えてますよ。また、2クール目以降、所有するユニットがなくなるということはなく、戦況の技術レベルに応じて使用を制限される形となります。また、常に戦術とかアイテムとか随時追加していきますし、パイロットも継続的に出していきます。1年目に全部のパイロットとモビルスーツが出る訳じゃなくて、そのあたりはだいぶ先まで用意してます。 |
−−なるほど、安心しました。こういうゲームって、先行して知識を蓄えたプレイヤーが増えると新規参入しづらくなりますからね。
山崎 | 途中参入しやすいように、というのは大事にしています。この手のユニットを使ったアーケードのゲームとかでもそうですが、途中参入は確かに難しい。でも途中参加が難しくなっちゃうのは、実は、プレイヤースキルだけでなく、パラメータがユニットに全部書いてなくて、やってみないと効果時間がわからないとかいろいろ情報的な面もある。 GTOでは、プレイヤースキルはボタン押すだけなのですぐ慣れます。情報についても秘密のパラメータみたいなのは極力なくして、「効果時間30秒、範囲200メートル」ってはっきり書いてあります。 また、追加で入るときにはスタートセットである程度のユニットを渡してしまって、ある程度の戦術は組めるようにしようと考えてます。あとは、補給チケットを使って最新のMSを追加してもらうくらいで、戦力的にはそんなに不利にならないようにします。昔出たレアユニットがないと戦えません、とか。そういうふうにはならないように考えてます。 |
−−なるほどですね。無料クライアントで敷居が低くても、ゲームそのもの敷居が高いと人に勧めにくいところがあるので、そういった配慮があるというのは嬉しいですね。
山崎 | あと、GNOは人に説明するのがすごく難しいゲームだったので、そこはちょっと反省してまして……ま、ちょっとなんですけど(笑)、今回は「ユニットで編制編制組んでリアルタイムで戦闘する」というとだいたいイメージが伝わるんじゃないかなと。GNOほど「人に勧めにくい」ゲームではなくなってます。 |
土橋 | このゲーム、まずは見てみて欲しい。見てもらうとすぐに理解してもらえると思うんですよ。今回そういう意味ではだいぶ分かりやすくなった。でも実は、その裏側で動いているのはパラメータのお化け。山崎さんがRTSのよさだとか戦略性とかをがーっと頭の中でやって、わかりやすく表現してここまできた。山崎さんがずっとこういうのに携わってきたというのは大きいですね。 編制のトレンドも移り変わっていくだろうし、ユーザーが編み出すところもあるでしょう。そういうところを我々も勉強させてもらいつつ、ユーザーと一緒に遊んでいきたいですね。モビルスーツもどんなのを出していくかとか、いろいろ考えてますよ。 |
−−ジオン側はバリエーションがありますからね。GNO2では連邦側だったので開戦時に戦車と戦闘機ばっかりで「ザクいいなぁ」って見てましたよ。
山崎 | まだザニーがいるからいいですけどね(笑) |
■このゲームをまとめるにあたって苦労したところ
山崎 | えっとどうだろう、まとめるのは好きなので、苦労という苦労はないですよ。 |
土橋 | (笑)いや、とんでもない量のパラメータをいじるんですよ、こ・の・ひ・と・は! |
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山崎 | いやいや、うちのデータ班が、といった方が正しいですよ。GNOと比べて今回新しく増えたのは、逆転要素ですね。GNOだと編成の実力がそのまま出て、じり貧で負けちゃう。でもGTOの場合はMP(MORALE POINT)というゲージがあって、追い込まれても大技が出せるという希望が残るシステムになっています。せっかくリアルタイムで戦うので、最後まで勝負がひっくり返る可能性はいつでも残しておきたい。βでは消費MPが6というのが最大だったのが、10のまで入れようと思ってます。小技連打という編制もありですが、シャレで1枚入れてた大技が出ちゃった、みたいな展開が可能になりますし、勝ってる方も、最後まで油断できない。相手の伏せユニットが1枚あって、それがアレだったら死んじゃうね、みたいなそういうドキドキ感があるようにしたい。 いいゲームは最後まで勝敗の行方が分からない緊張感が重要だと思っていて、せっかくなのでそこは押さえたいですね。 |
■3Dモデルと2Dモードについて