---3枚セットに必要な牌って、必ずしも1種類だけ、じゃあないんですね。
「いま説明したように、続いた数字を残していくと、最後に必要になる牌に規則性が出てくるのよ。たとえば『2・3』と残していたら必要なのは『1』『4』、『3・4』と残していたら『2』『5』というふうに。これが、基本中の基本の『両面待ち』(りゃんめんまち)という形です」
残した牌 必要な牌
2・3 1と4
3・4 2と5
4・5 3と6
5・6 4と7
6・7 5と8
7・8 6と9
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ここで、なぜか携帯電話を取り出す洋香先生。
「ちょっと上級編だけど『筋(すじ)』という言葉を説明しておきましょうね」
---筋、ですか?
「携帯電話の番号をよく見ると、『147』『258』『369』って並んでるんだけど……」
---あ〜! 必要な牌の並び方と、携帯電話の番号の並び方が同じだ!
「そう、ちゃんと規則性があるんですよ。これを筋っていうの。麻雀には、こういったパズルみたいな美しい規則性がたくさんあるんですよ」
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---すごい! 数字の待ち方って、ほかにもあるんですか?
「『4・6』みたいに、穴が開いた形で待つ『嵌張待ち』(かんちゃんまち)、『1・2』みたいに、端っこで待つ『辺張待ち』(ぺんちゃんまち)というのもありますよ。『8・8』みたいに、同じ牌で3つめを待つのもOKね」
---実戦になったらもっと複雑だろうし、なかなか覚えられないような気がします。
「まだまだ全然複雑じゃあありませんよ。たとえば『2・3・4・5・6』という5枚があったら、何待ちかわかる?」
---え? だってもう、『2・3・4』は1セット出来上がってますよね。ということは『5・6』が残ってるから、待ちは『4』と『7』ですよね?
「ところが、この並びは『4・5・6』が完成と見てもいいの。だから、残った『2・3』で『1』と『4』でも3枚1組になるんですよ。だから結局は『1』『4』『7』の3つとも有効なのよ! これが、さっき教えた筋の応用なのよ。ちなみにこれは『3面待ち』といわれるパターンね」
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---うわ〜〜〜、凄い! 複雑だけど面白いですね。
「こういったパターンもあるから、どの牌を残して、どの牌を捨てるか、その選択がとても重要になってくるんですよ。では、ここから手塚紗掬プロにバトンタッチしますから、実戦での流れに沿って、牌選択の基本テクニックを説明してもらいましょうね♪」
---というわけで、とってもとっても前途多難な気はしますけど、とてもわかりやすい説明で、なんとなくわかった気にもなってきました(笑)。なにより、知的な頭脳ゲームということがハッキリとわかり、ますます麻雀に興味が湧いてきました。でも次回はいよいよ実戦形式? さてどうなることか……。
◆今日覚えたこと
・麻雀は、自分の手元に置いた14枚の手牌で、“綺麗な組合せ”(役)を作るゲームだ
・数字が書かれた「数牌(すうはい)」と文字が書かれた「字牌(じはい)」に分かれている
・数牌は、「索子(そうず)」、「筒子(ぴんず)」、「萬子(まんず)」の3タイプがある
・麻雀牌は全136枚。牌を1枚、山から引いて、手牌の中からいらない1枚を河に捨てていく
・それを逆時計回りに4人で繰り返す。牌を入れ換えるチャンスは20回くらいある
・「3枚1組のセット」を4つ作る。さらに「2枚の同じ牌」が必要
・3枚セットは「並んだ数字」「同じ数字」「同じ字牌」
・数字の並びを作っていくと、「筋(すじ)」のどちらかが残ることが多くなる
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続いて、渡辺洋香プロのインタビューをお伝えします。