ネトゲで一旗上げたい人必読! ベンチャー系オンラインゲーム開発企業トップ座談会 第2回

2007年12月、インサイド編集部にエンタドライブ 久永智之氏、ゲームポット 植田修平氏、シグナルトーク 栢孝文氏、ハイファイブ・エンターテインメント 澤紫臣氏をお迎えし、ベンチャー系のオンラインゲーム開発企業4社の社長による座談会をおこないました。第2回は引き続きコンテンツ投資についてとハイファイブエンターテインメント設立秘話です。聞き手はインサイド編集人 伊藤雅俊です。

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ネトゲで一旗上げたい人必読! ベンチャー系オンラインゲーム開発企業トップ座談会 第2回
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植田:うちの場合、最初に手がけた本格的なオンラインゲームというのはパンヤだったんですけれども、パンヤを選んだ理由のひとつとして、ローカライズもそんなに多くないし、少ないスタッフでもスタートできるだろうというのがあった。もちろん、ゲーム性やキャラクター性とかにすごく惹かれるものがあったし、これはいけるなっていう確信があったのが最大の決め手ですが。
実はMMOとかいろんな候補があったんですよ。ですけど、その時うち3人しか社員いなくて、持ってるキャッシュもそんなにないんですよね。まずは最初カジュアルにいこうというので、でも結局その時にもプラス3人ぐらいしか雇っていないんですよ。サービスをスタートしてから。

ゲームポット 植田修平氏


伊藤:3人の時にパンヤをやったんですか。

植田:そうですね。

久永:それ、すごくいい話だ。

植田:やっぱりMMOをやりたいなというのはあったんですよ。ラグナロクやリネージュが人気ありましたし。だけど、当時のうちの規模感を考えると、サーバーにしても、サポートにしても、身の丈にあってないなと思ったんですよ。カジュアルの場合は、コストはできるだけ最小限で、サーバー構成もMMOと比べるとすごくコンパクトなんですよね。

栢:信じたものはヒットさせるって自信がありますけど、やっぱり何を選ぶかっていうのはすごく大事です。私も最初は2名でスタートしていて、その時にいろいろ議論していたんですけど、最初に議論した時に、前の晩に麻雀してたっていうのも結構影響があって、麻雀って面白いよね、みたいな話からスタートした。投資家さんにオンラインゲームを説明する時に、「麻雀を遠くにいる人とできるんですよ」と言うと分かりやすいんじゃないですか。それでも分かってもらえなかったんですけど(笑)
テーマとして何を選んでるかっていうのは分岐点ですね。セガとかの社員の時もかなり尖ったタイトルに関わっていたんで、「なんで栢さんが麻雀なの? あ、麻雀で何か新しいゲーム作るんですか」って。「いや、麻雀です。もう真っ直ぐに麻雀を追求します」って言うと、「え?」って言われたり。

久永:確かにもう、古典も古典ですからね。

栢:何の驚きもなくて、大手ゲーム会社からは絶対、投資を受けられないようなタイプの選択ですから。

■「アマゾンがサービスをスタートしたときに『ネットでお金を使うのが始まるんだ』って」

(奥)エンタドライブ 久永智之氏、(手前ハイファイブ・エンターテインメント 澤紫臣氏)


植田:でも、王道を突き進むジャンルってやっぱり出て来るんですね。うちがパンヤをやる時に株主はじめ色々な方に事業説明をしたのですが、ゴルフゲームって誰もが分かるじゃないですか。どのプラットフォームでも必ずミリオンを出しているタイトルがある。なので、ある程度受け入れられやすいっていう感覚はありましたよね。

栢:麻雀が面白いことは分かっていて、それをどう麻雀ゲームに落とすかっていうところで、自分達のゲームクリエーターとしてのノウハウが使えると思った。
あと、99年の11月に、セガ時代に私が作ったゲームが出たんですけど、その同じ日に日本のアマゾンがサービスをスタートしたんですよ。そのときに「本をクレジットカードで買うんだ、ネットの物販でお金を使うっていうのが始まるんだ」というのが印象に残った。それからADSLがきて、じゃあオンラインゲームのクオリティの高い麻雀ゲームを作ればいいんじゃないかなと、そういうロジックなんですよ。
麻雀ゲームっていうと、「なんで麻雀なんですか」って聞かれるんですけど、こう組み立てると、私としては麻雀しかなかった。尖ったオンラインゲームのタイトルをその時期に出しても、多分、投資マネーも集まらず、今頃は他のゲーム会社で働いていたと思うんです。

−−第3回もお楽しみに。
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《伊藤雅俊》

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