「オンラインゲーム一週間」:美少女オンラインゲームの芽生え

7月最初の週は美少女要素を前面に押し出したオンラインゲームのニュースが揃いました。

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7月最初の週は美少女要素を前面に押し出したオンラインゲームのニュースが揃いました。

韓国HanbitSoftはオンラインゲーム『スパイクガールズ』においてコスチュームコンテストをスタートしています。

『スパイクガールズ』は萌え系美少女が足を使ってバレー風の球技で試合するオンラインゲーム。コスチュームコンテストでは着せてみたいコスチュームを応募することで様々なプレゼントが当たります。『スカッとゴルフ パンヤ』の例を紐解くまでもなく、萌え系オンラインゲームで重要となるのがコスチューム。いくらあっても足りないというわけで、クローズドβテスト(正式サービス開始前に、人数を限定して行うテストプレイ)の時点であっても数を揃えておこうとする判断は正しいといえるでしょう。

韓国CJインターネットはMMORPG『プリウスオンライン』においてクローズドβテストのテスターを募集しています。

『プリウスオンライン』は記憶を失った謎の少女「アニマ」と彼女が召喚する巨大ロボット兵器「ギガス」がキーとなる、90年代の日本アニメを思わせるストーリーが特徴。少女「アニマ」がプレイヤーと交流することでパワーアップするという育成要素を打ち出しています。

韓国HanbitSoftはMMORPG『AIKA ONLINE』でクローズドβテストのテスター募集をスタート。

『AIKA ONLINE』はプレイヤーのパートナーとして美少女妖精が登場。妖精はプレイヤー次第で様々なタイプに成長していきます。PVも妖精の姿からスタートするなど、完全に妖精イチオシ。コスチュームや装飾も色々なものが用意されており、バリエーション豊かな育成を楽しむことができそうです。

『スパイクガールズ』『プリウスオンライン』『AIKA ONLINE』のいずれも、日本風の美少女キャラクターが前面に押し出されているのがポイント。欧米風キャラクターを韓国的にアレンジした絵柄がメインだった時代からすると大きな変化です。韓国ゲームを日本でサービスする際には、ゲームのビジュアルが大きな問題となってきましたが、これらのゲームはそのままの絵柄でも日本サービスが可能でしょう。ここで問題になるのが、アジア圏以外の場所ではどうかということです。美少女と育成要素を押すこれらのゲームがワールドワイドに戦えるのか否かは、今後の日本ゲーム界を占う上でも重要なポイントとなるのではないでしょうか。

『プリウスオンライン』『AIKA ONLINE』はどちらも美少女の育成がキーとなったMMORPG。美少女育成タイトルが同時期にぶつかり合うということで、これはもう“美少女育成戦争”と呼んでも良いでしょう。

両タイトルでは奇しくも同時期にPvP(プレイヤー同士の戦い)をフィーチャーしたテストが行われます。美少女と育成は日本的な要素ですが、PvPはそうではありません。育成とPvPを取り入れるのは幅広いニーズに応えているように見えますが、そうならない可能性も秘められています。

決闘という形にしろ、自分と美少女が他者に負けるというのは、人によっては「蹂躙された」と感じるのではないでしょうか。確かに育成モノの大メジャーである『プリンセスメーカー』でも、冒険や武術会など戦う要素は取り入れられていましたが、相手はCPUでした。CPU相手なら受け入れられる負けも、自分と同じはずの「他の誰か」に「負かされた」としたらどうでしょうか。

しかも今回負けるのは自分一人ではなく、自分と美少女が負けるのです。美少女との絆の強さでパワーアップするゲームであれば、絆にも優劣がつきかねないのです。PvPを好む韓国プレイヤーとしても、これはあまり類を見ない体験なのではないでしょうか。

PvPをあまり好まない日本市場的な感性が特殊なのか。逆にPvPを好む韓国市場的な感性が特殊なのか。『プリウスオンライン』『AIKA ONLINE』のPvPはプレイヤー同士の戦いであると同時に、二つの国の感性のぶつかりあいでもあるのではないでしょうか。

《水口真》

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