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『ソニック フリーライダーズ』はプレイアブル展示ではなかったものの、常にギャラリーが集まる注目ぶり。インサイドではプロデューサーの森本兼次郎氏に話を伺いました。
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本作は『ソニックライダーズ』シリーズと同じく、エクストリームギアと呼ばれる浮遊ボードを使用して行うレースゲームです。コースを周回中にリングをゲットして、ギアのレベルアップなどが可能です。Kinect専用ソフトということで、全身を使った操作が特徴。片足で地面を蹴ってスタートし、体を前後に傾けてステアリング。両手を広げてリングを回収したり、水中では両手を動かして泳いだりと、自分がソニックになった気分で楽しめます。
森本氏は本作のコンセプトを「直感的」「体感」「マルチプレイ」という3つのキーワードで表現しました。マニュアルを読むことなく、誰でもすぐに遊べるシンプルな操作性。体全体で操作し、キャラクターになりきって遊べる体感性。そして2人で対戦でき、臨場感たっぷりでリアルなコミュニケーションがとれるマルチプレイ。シリーズ内での位置づけも続編ではなく、新しい派生作になっています。
確かにデモプレイを見ているだけで楽しそうな雰囲気が伝わってきますが、日本のユーザーにとって不安なのは「部屋がある程度広くないと楽しめないのでは?」という点。実際にデモプレイでは6畳程度のスペースが割かれています。しかしテレビとプレイヤーの距離は、ある程度近くてもOKとのことでした。また子供からお年寄りまで幅広い層に対応しており、実際には軽い動きでも遊べるとのことです。
またカメラ認識とのことで、気になってしまうのが遅延の問題。特に本作のようなスピード感が重要なゲームでは死活問題です。これをゼロにすることは機構上不可能で、ゲームデザインの側でうまく吸収する工夫がなされているとのこと。具体的にはプレイヤーの動作をモニタリングしながら、次に行う動作を予測することで、うまくタイミングをあわせたアクションを可能にしているそうです。この点、キャラクターが一定のコースに沿って進んでいくレースゲームという特性がうまく生かされているのでしょう。
決してプレイヤーの動作がそのままソニックらの手足の動きに対応しているわけではなく、うまくゲーム側で解釈されて表現されているようです。この点もポイントのように感じられました。
逆にもっとも苦労している点が、同じアクションでも人によって動作が異なる点。たとえば「投げる」というアクションでも、人によってオーバースローやサイドスローなど、さまざまな解釈があります。そのため、どの動きまでフォローして、かつ誤認識を防ぐかについて、幅広い層に対してユーザーテストを行って調整しているそうです。プレイ前のキャリブレーションについても、裏側でプログラムを走らせることで、できるだけ意識させないものにしたいと述べられました。
このほかKinectには、カメラ以外にマイクと赤外線センサーが存在し、声で操作したり、プレイヤーの前後の位置関係なども測定できます。2人のプレイヤーを前後に移動させる、などの設計も考えられるでしょう。これについては鋭意検討中。またオンライン対応などについても未定とのことでした。続報を期待したいところです。
去年のE3で大いに衝撃を受けたという森本氏。Kinectは革命に近いデバイスで、やれることの幅が非常に広いと言います。もっともっと新しい遊びを提供して、業界を盛り上げていきたいと抱負を語りました。気になる発売日は今冬予定です。
(C)SEGA