「ゲーマーよ、ライト向けやソーシャルゲームを憎むな」 ― 海外からの提言

「ソーシャルゲームやライト向けゲームはなぜ重要なのか」を海外メディアが考察します。

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「ソーシャルゲームやライト向けゲームはなぜ重要なのか」を海外メディアが考察します。

海外メディアIGNは「Facebookのゲームはなぜ重要なのか」と題した記事を発表しています。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上で遊べる『FarmVille』のようなソーシャルゲームやライト層向けゲームが勢力を伸ばしていますが、既存ゲーム界との関わりに関しての考察です。

ゲーマー層はライト層向けゲームに対して偏見を持っている、と筆者であるNicole Tanner氏は指摘します。

「『FarmVille』は一部のゲーマーにはインタラクティブ・エンターテイメントのランドスケープにおける災いとみなされており、彼らは単『FarmVille』の名前を挙げるだけでも涙を流して悲しむ。私はIGNで何度もこうした反応に出会ったが、それは間違った見解だ。実はFacebookのゲームは業界に大きく尽力している」

「多くのゲーマーがいるということは、多くのゲームが生まれるということだ。Facebookのゲームは、これがなければ一生ゲームをしなかったような人々をたくさん連れてきている。『FarmVille』のプレイヤーはあなたが好きなタイプのゲームをしないから、そんなことに意味はないというかもしれない。彼らは“カジュアルな”ゲーマーかもしれないが、その多くは数年のうちに伝統的なゲームへステップアップするだろう」

ゲーマーでない人々に入り口を広げたということでTanner氏はソーシャルゲームやライト層向けゲームを評価します。

「一度もゲームをしたことのない人にとって、コントローラーは恐ろしいものだ。Wiiリモコンすら一部の人々をつまずかせてしまう。開発者の友人はWiiリモコンを使うのがおぼつかないフォーカスグループを見たといっている。ゲームの世界へ行くのにマウスのクリック以上にシンプルなものはない・・・というのは何か不思議なことだろうか」

「ゲーム初心者に対し“自分たちはうまくやれる”と感じられるゲームを提供することで、Facebookは彼らにゲームとのポジティブな関係を与えた。彼らはFacebookのゲームの単純さに退屈し、もう少し複雑なものを求めるようになる」

ライト層向けゲームやソーシャルゲームがコア向けのゲームを駆逐するという危機感は誤りであると氏は主張しています。

「Facebookのゲームはコアなゲームに対する侮辱ではない。これらのゲームがたくさんの顧客を獲得することは『Halo』のようなコア向けゲームが消えることを意味しない。逆に『Halo』のようなゲームを助けることになるだろう」

ゲーマー人口が拡大することで、ゲーム界にお金が流れ込み、カジュアルゲーマーたちもステップアップするのでコア向けゲームにも恩恵がある・・・とするのが氏の意見。

「あなたはFacebookのゲームを遊ぶ必要はないが、憎む必要もない」と締めくくります。コアゲーマーの偏見は根強いものがあるようで、この辺りの意識改革も大きなテーマとなりそうです。

《水口真》

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