本イベントは当初GhM13周年記念として企画され、震災の影響を受けて急遽チャリティイベントに変更されました。イベントと「FROG MINUTES」の収益はすべて、日本赤十字社を通して被災者の方々に義援金として送られます。司会はゲームライターのローリング内沢氏と、モデル兼ゲーマーの「かよぽりす」こと佐藤かよさんが担当。会場の模様はUstreamで配信され、海外での支持が高い同社らしく、英語で同時実況も行われました。
イベントは▽「NO MORE HEROES2 DESPERATE STRUGGLE」トークショウ▽「FROG MINUTES」発表会▽新作「Shadows of the DAMNED」トークショウ、という3部構成。合間にはクリエイター個人の支援活動や、飯田和敏氏、バニラビーンズさんのミニライブも行われ、会場が一体となって盛り上がりました。
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左から山岡晃氏、飯田和敏氏、須田剛一氏 | 司会を務めた佐藤かよさんとローリング内沢氏 | バニラビーンズの二人も一日PR大使として参加した |
■クリエイター個人による復興支援への取り組み
はじめにGhMのクリエイターから、個人的な支援活動が発表されました。山岡晃氏は「ファイナルファンタジー」シリーズの植松信夫氏、「クロノトリガー」の光田康典氏に加えて、「レッド・デッド・リデンプション」「Halo」など、世界的に人気のゲーム作曲家と共に、コンピレーションアルバム「Play for Japan -THE ALBUM-」の制作を発表。iTunesで配信し、収益を義援金として寄付すると表明しました。山岡氏がスタッフを勇気づけるために社内で作曲した作品が取り組みの発端だったとのことです。
飯田和敏氏は「バーチャファイター」シリーズを手がけたゲーム作曲家の中村隆之氏、eスポーツプロデューサーの犬飼博士氏らと、自宅待機中に制作した震災復興祈願ゲーム「なぎ -nagi- 」を紹介しました。同ソフトはマイクで外界音をPCに取り込み、穏やかなサウンドに変換するというもので、公式サイトで無料配信されています。飯田氏は「無茶かもしれないけど」と前置きしつつ、日本中の人が「なぎ -nagi-」を一斉にプレイする事で、実際に震災を沈めることがゲームの目的だと語りました。
同社CEOで「ノーモア★ヒーローズ」シリーズの制作で知られる須田剛一氏は、世界的なゲームグッズのチャリティオークション・キャンペーン「Play for Japan」で、主人公トラヴィスの武器「ビーム・カタナ」の実物大モデルと、キャラクターデザインを手がけたコザキユースケ氏、メカデザイン担当のコヤマシゲト氏、そして須田氏のサイン入りWii2台を出品すると表明しました。またかつての同僚が手がける酒蔵で、岩手県で被災した喜久盛酒造に対してチャリティTシャツも制作されます。同社サイトで通販され、予価2500円(送料込み)とのことです。
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チャリティアルバムについて語る山岡氏 | 「なぎ -nagi-」をデモする飯田氏 | 「なぎ -nagi-」は公式サイトで無料配信中だ |
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約80万円の実物大ビーム・カタナをチャリティで出品 | サイン入りのWiiも2台が出品される | チャリティTシャツは後日、公式サイトで通販予定 |
■「ノーモア★ヒーローズ」二部作を振り返って
第一部は「ノーモア★ヒーローズ」シリーズを生み出した須田剛一氏と、トラヴィスやシルヴィアを生み出した漫画家のコザキユースケ氏、ビーム・カタナなどのメカを生み出したイラストレーターのコヤマシゲト氏という「生みの親」トークライブが展開されました。トークは体質的にアルコールを受け付けないというコザキ氏とコヤマ氏に、須田氏がこの日限りの特製カクテル「モヒート51」を無茶ぶりするところからスタート。何度も脱線しながら、約5年間にも及ぶシリーズの舞台裏が披露されました。
コザキ氏は登場キャラクターの中でも剣術の達人で、「2」ではプレイヤーキャラクターにもなったシノブがお気に入りとのことで、いつかスピンオフゲームをディレクションしたいと抱負を語りました。コザキ氏曰く、須田氏に想いを打ち明けるタイミングを計っていたとのこと。過去にデザインしたものの、ボツになったキャラクターも「あと2作は作れるくらい」いるそうです。須田氏も「シノブはピンでもいける背景のあるキャラクター」とノリノリな様子で返答していました。
コヤマ氏は「2」の制作がメカデザインで参加した映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」と重なり、偶然にも両監督から「ロシア風」というオーダーをもらったと打ち明け、同じように集めた資料から、かたやヘンリーが操るビーム・カタナ、かたやゲンドウたちの宇宙服が生まれた、と明かしました。このほかGhM初のフィギュア作品として、主要キャラクター「シルヴィア」の発売を発表。原型制作はフィギュアメーカーYAMATOの吉沢光正氏で、その渾身の仕上がりに会場の注目を集めていました。
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コザキ氏、須田氏、コヤマ氏の息のあったトークで進行 | 須田氏はモヒート51、コザキ氏はトマトジュース、コヤマ氏はカルピスを注文 | シルヴィアのフィギュアと着色済み製品写真 |
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門外不出のキャラクター設定資料も公開 | ボツになったコスチューム設定なども紹介された | 飯田和敏氏はアコースティックライブを披露 |
■「FROG MINUTES」にバニラビーンズと、かよぽんずがハマる
第二部はうって変わって、30日から配信が始まったiPhoneアプリ「FROG MINUTES」の発表会が行われました。本作は画面をタッチしながら虫を集め、蛙に餌をやりながら、虫や蛙をコレクションしていくという、一風変わった自然派アクションゲームです。世界中で10匹以上の蛙が登場し、ナレーションには歌手・声優の坂本真綾さんが担当。坂本さんは「こんなにたくさんの蛙の名前を連呼したのは初めて。でも収録していて、制作者の愛情が感じられました」とコメントを寄せていました。
壇上には特別ゲストで、アイドルユニット「バニラビーンズ」のレナさんとリサさんも一日PR大使として登壇。司会を務めた佐藤かよさんと一緒にゲームを楽しみました。「鳴き声が可愛い。聞こえますか? めっちゃ鳴いてます」「蛙は蝶々やカタツムリも食べるんですか?」と、二人はスタッフに質問しながら、思わず仕事を忘れて遊び込んでしまったよう。佐藤さんも「ホントの蛙は嫌いですが、このゲームを遊ぶと、思わず親になった気分になって、もっと餌を食べさせたくなる」と語りました。
ちなみにゲーム中の蛙の鳴き声は、専門の施設の協力を得て24時間体制で録音した、非常にリアルなものだとか。またコレクションを増やしていくと、次第にパズルのピースが埋められていくので、どのような絵ができあがるか、ぜひ遊んで確かめて欲しいとアピールしていました。なお、前述の通り本作の収益は、すべて日本赤十字社を通して被災地の方々に義援金として送られます。
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「FROG MINUTES」を楽しむ面々 | いち早くコツをつかんだ佐藤かよさん | バニラビーンズの二人は鳴き声に夢中 |
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二部のラストではミニライブも行われた。イベント終了後はチャリティ記念撮影会を行う一幕も見られた | >
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