長瀬氏は冒頭「これまでは基本的に内製でサービスを産み出してきたが、昨今のスマートフォンの盛り上がりの中で、パートナーの皆さんと一緒にプラットフォームを盛り上げていきたい」と宣言。独自のAndroidマーケット「AppMarket」とアメーバのオープン化「AmebaSP」について説明しました。
まずはアメーバ全体の現状について紹介がありました。アメーバでは現在もPC、モバイル(フィーチャーフォン)、スマートフォンの3つのデバイスからのアクセスが成長中で、スマートフォンでも既に8.8億PVに達しているそうです。アプリにも力を入れ、iOSとAndroid用のアプリが提供されています。毎月5万程度がダウンロードされていて、継続率は6割と高くなっているそうです。iOSとAndroidも当初はiOSが引き離していたのが、直近ではほぼダウンロード数で同等まできているようです。ウェブのPVも9月頃には半々になると予測しているとのこと。
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アメーバのスマートフォンのPV数は8.8億PV | ユーザー層は20代が中心になっているとのこと | 今後はAndroidが急速に増えると予測 |
■アメーバ スマートフォン戦略
サイバーエージェントでは100本のヒットアプリを2011年にリリースするという目標を掲げていますが、ブラウザで提供するサービスも含めて、国内でナンバーワンのメディア(200億PVを2013年末で獲得)を作り、なおかつ広告のアドネットワーク(この分野ではディー・エヌ・エーとも提携済み)を構築すると長瀬氏は言います。さらにオープン化したプラットフォームを推進していきます。つまりスマートフォンでは全分野に進出するということです。
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全分野が戦いの場となる |
PCで人気を集めているアメブロ、アメーバピグ、グルっぽ、アメーバなう、といったサービスは順次スマートフォンで登場してきます。これに加えて会場では、セールアプリを紹介する「アプリセール」、育成ゲーム『なでなでフワムー』、RPG『GYAOS~千年の塔~』、しょこたんなどの芸能人・有名人アプリ、親しい仲間とつながる『tappie』、女性のためのTwitterクライアント『Guppi』、アメーバブログリーダー『Ameba Channel』などが紹介されました。
注力ジャンルとしてはゲーム、ソーシャル、機能系、教育、エンタメが挙げられました。アメーバが得意とする芸能人・有名人アプリでは、独自にCMSを用意し、50人や100人といった多数のアプリを容易に構築するための環境を整備したとのこと。しょこたんが第一弾としてリリースされていますが、今後も続々登場しそうです。
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■いよいよオープン化に着手
オープン化では独自のAndroidマーケットとなる「Ameba AppMarket」と、様々なソーシャル機能を外部に提供する「AmebaSP」が核になります。
「Ameba AppMarket」はAndroidアプリを配信する独自のアプリマーケットとなります。決済はアメゴールドを使用。課金手法として、ダウンロード課金、月額課金、都度課金(アイテムなど)を用意。SDKを組み込むことで不正コピーを防ぐことも可能です。
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AppMarketはブラウザで提供される | ブラウザなので様々なメディアから誘導が可能 | 決済はアメゴールドで |
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課金モデルは3つ | DRMも提供される | 担当はこの方、だそうです |
また、「AmebaSP」(Ameba Smartphone Platform)はスマートフォン向けのコミュニティプラットフォームとなります。SDKで、ソーシャルゲーム開発API、ソーシャルメディア連携API、Ameba連携APIを提供。容易にスマートフォンアプリをソーシャル(ゲーム)化することができます。ゲーム面ではランキング、アチーブメントなどソーシャルゲームとして必須の機能のほか、オフライン時のキャッシュの仕組みなど既に内製アプリで使用されている技術を盛り込んでいるとのこと。ソーシャルメディア連携ではmixi、Twitter、Facebookなどとの連携が容易に可能になります。当然、アメーバのプロフィール、ブログ、なう、メッセージとの連携も可能です(外部への提供は今回が初)。
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AmebaSPというプラットフォーム | 提供されるAPIは主に3種類 | 1.ソーシャルゲーム |
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2.ソーシャルメディア | 3.アメーバAPI | プロモーションの規模は魅力 |
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リアルイベントも巻き込んでいくようです | リワード広告でも収益をサポート | アプリを成功させるプラットフォームに |
アメーバは既に国内最大級の規模を誇るスマートフォンのメディアネットワークとなっていて、そうしたメディアからの誘導施策は「AmebaSP」でアプリを開発するメリットになります。ウェブページ(月間8億PV)やマイページ(MAU60万)、アプリ(100万DL)から強力な誘導があります。
また、収益面でもグルーブのCAリワードが提供するリワード広告などでサポートをしていくとのこと。
「AmebaSP」はどうやらパンカクのPankiaをベースに用意されたもので、海外向けに提供されるGameWaveとの親和性も高く、海外進出を視野に入れたアプリ開発も可能になってきます。SDKの提供はiOSでは6月から、Androidは8月からで、登録方法などは追って紹介していくとのことでした。
「スマートフォンの全ドメインに挑戦する」と力強く宣言した長瀬氏。いよいよオープンになるアメーバプラットフォームは今後の注目となりそうです。