名タイトルで知るFPSの歴史(1)

次々に新作が登場するFPS(First Person Shooter)。近年の、俗にAAA(トリプルエー)と呼ばれるタイトルにおいても『Call of Duty』『Halo』『KILLZONE』『Tom Crancy‘s Ghost Recon』などFPSが多く存在します。

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『名タイトルで知るFPSの歴史』(1)
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次々に新作が登場するFPS(First Person Shooter)。近年の、俗にAAA(トリプルエー)と呼ばれるタイトルにおいても『Call of Duty』『Halo』『KILLZONE』『Tom Crancy‘s Ghost Recon』などFPSが多く存在します。

近年特に興隆を見せるFPS。とは言え、その歴史は今に始まったものではありません。今年もホリデーシーズンにかけ多数のFPSが登場します。それぞれがどのような特徴を持つゲームなのかは当然気になるところです。しかしその長い歴史を紐解いてみると、それらのゲーム達の良さも再確認できるのではないでしょうか。

■FPSの誕生と進化

ファーストパーソン・シューティングゲーム(英:First Person shooter, FPS)とは、シューティングゲームの一種で、主人公の視点でゲーム中の世界・空間を任意で移動でき、武器もしくは素手などを用いて戦うアクションゲームのこと。混同されがちだが、主人公の姿が見えるゲームはサードパーソン・シューティングゲーム(TPS/三人称視点)として区別される。
(フリー百科事典ウィキペディアから)

FPSとはFirst Person(主観視点=主人公の視点)で展開されるshooter(いわゆるシューティングゲーム)と定義付けることができます。ゲームを“遊ぶ”ということはよく、“体験する”という言葉で紹介されますが、このFPSはプレイヤーの目線=主人公の目線、となることから他のジャンルと比べて臨場感が高く、その世界を“体験する”感覚がより強いことから人気を集めていると言えます。

最新のFPSと言えば最新技術の祭典とばかりにテクノロジーやリソースをふんだんに投入した作品が多い昨今。しかしその起源は約20年前に遡ることができます。20年前と言えば時代はまだスーパーファミコンが発売されたばかり。ゲームは2Dと誰もが疑わなかった20年前に主人公の視点で銃を構えて敵と戦う、そんなゲームが生まれたというのは今から考えても奇跡のようです。

(備考 『Wolfenstein 3D』よりも前、id Softwareを設立前にジョン・カーマックらが開発した『Catacombs 3』の中にFPSの原型となる部分は既に作られていたという見方もあります。)

今、FPSの直接の始祖と考えられているのは1992年にid Softwareがリリースした『Wolfenstein 3D』というゲームです。実は国内でイマジニアがスーパーファミコンでリリースしているのですが覚えている人はほぼ居ないでしょう。動画を見てください。ちゃんとFPSをしてます。主人公の視点でフロアに居る敵を撃つ。これが20年前に誕生したということに感動すら覚えます。更に同社が翌1993年にリリースした『Doom』では探索の要素を加え世界的な現象となり、2作でFPSの原型を形作りました。更に翌1994年には早くも『Doom II』をリリース。これらのヒットによりFPSは「DOOM系シューター」とも称されるようになりました。

Wolfenstein 3D
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Doom
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しかしこれらはあくまで2D世界で繰り広げられるFPS。3Dの時代には更に本格的なFPSが次々に誕生するようになりました。

■3Dの新たなFPSの時代

そんな時代を切り開いたのはまたもid Softwareでした。『Quake』はフル3DのFPSとして1996年、衝撃的なデビューを飾ります。さらに翌年には『Quake II』をリリース。初代を遙かに凌ぐクオリティのグラフィックで、idとして初のミリオンセラーを達成。加えて、1999年にリリースされた第3作目『Quake III: Arena』は今でも語り継がれる完成度と難易度を実現しました。

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idばかりがFPSを作ってきたわけではありません。今日ではゲームエンジンとして著名なEpic Gamesの「Unreal Engine」は同社が1998年に世に放った『Unreal』のために誕生しました。それまでのFPSを陳腐化させるような高品質のグラフィックや高性能なAIエンジンによってゲームの世界を体感するという今日までに繋がるFPSのテーゼが確立されます。Valve Softwareが同年に発売した『Half-Life』は、エンジンは「Quake II」ベースながらも格段のゲームバランスとストーリー性で一時代を築きました。

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この頃には『トム・クランシーのレインボーシックス』や『メダル・オブ・オナー』など現代にも続くフランチャイズが登場してきます。

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また、ネットワーク対応もFPSの歴史に大きな意味を持ちます。idの発売した『Quake III: Arena』やEpic Gamesの『Unreal Tournament』あるいは『Half-Life』のMODとして登場した『Counter Strike』はネットワークプレイの礎を築きました。

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■FPS全盛期へ

そして、家庭用ゲーム機の進化により、それまでPCが主流であったFPSの世界が家庭用ゲーム機にも広がっていくことになります。口火を切ったのは1997年に任天堂とレアが開発したNINTENDO64『ゴールデンアイ007』です。この人気IPを利用し、4人対戦が評判となった作品によって家庭用ゲーム機でのFPSの歴史が始まります。また、本作は日本国内でもヒット作となり、初めて日本で売れたFPSとも言われました。

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21世紀となりXboxが登場するとその流れは更に加速します。マイクロソフトがそのキラータイトルとしてBungieを買収して開発した『Halo』はハードを牽引する大作として常に注目を集めるシリーズとなりました。ゲームキューブを擁する任天堂もRetro
Studiosによって老舗フランチャイズをFPS化し『メトロイドプライム』として復活させました。

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サードパーティからもアイドスの『Deus Ex』、EAの『Battlefield』、Crytekの『Far Cry』、アクティビジョンの『Call of Duty』、Epic Gamesの『Gears of War』、THQの『Bioshock』、など様々な名フランチャイズが登場してきます。

現行機種の時代になり、戦場を体感するというFPSは究極の形に近づきつつあります。それは精緻なグラフィックのみでなく、3D立体視の対応や、MoveやKinectといった体感系コントローラーへの対応、ネットワークプレイもまるで仲間の兵士と戦場に居るかのような臨場感へと昇華されています。

FPSの始祖とも言えるid Softwareによる最新FPSも今秋登場します。『Rage』はFPSの原点に立ち返るような骨太かつ、独特な世界観とユニークなNPCによって他のFPSでは味わえない体験が実現した作品になっています。

《Game*Spark》

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