「負けず嫌い」プラットフォームとリアルタイムQ&A・・・ワールドカップを前に一気に加速するmobcastの戦略とは?

『モバプロ』『モバサカ』を筆頭に、スポーツゲームに特化したモバイルプラットフォームを展開するモブキャスト。その同社がこのたび、新サービス「Quu」を開始するとともに、サイトを全面リニューアル。

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佐藤崇 取締役プラットフォーム事業本部長
佐藤崇 取締役プラットフォーム事業本部長 全 12 枚 拡大写真

■プラットフォーム全体を「負けず嫌い」でリニューアル

―――続いてプラットフォームのリニューアルについてお伺いします。「負けず嫌い」をキーワードにされるということで、驚きました

佐藤: そうかもしれませんね。ただ、前述の通りmobcastではゲームがメインで、SNSがサブ的な要素となっています。スポーツは「対戦」という要素が強いコンテンツですし、実際に我々も対戦要素があるゲームを数多くリリースしています。ユーザー層も30代男性が中心です。勝つと嬉しいし、負けると悔しい。そのうえで「勝負に勝って尊敬されたい」という点にフォーカスするのが得策だと考えました。ブレストを続けるうちに「負けず嫌い」というキーワードが出てきたのです。

―――具体的に、どのようなリニューアルが行われていくのでしょうか?

佐藤: 核となるのはライバルグラフという概念で、これをもとにSNSやメール、伝言板、アバターなどを順次、作り替えていきます。同じディビジョンで、あと一歩で負けるというユーザーがいますよね。彼らをライバルに設定できるのです。ライバルに設定すると、そのユーザーがどのようなプレイをしているのか、リアルタイムでチェックできます。



―――なるほど

佐藤: 指定された側は誰からライバル設定されているのか、確認することはできませんが、設定された人数はわかります。数多くライバルに設定されているほど、強いプレイヤーというわけです。これまでにもゲーム単位で似たような機能はありましたが、これをプラットフォーム全体で、ゲームをまたいで展開していく予定です。

前田: 特定のゲームで達成した結果が、アバターに反映されるような仕組みであったり、mobcast全体での総合ランキングなども実装する予定です。このようにアプリをまたいだ、さまざまなゲームのアチーブメントが反映されていきます。勝ち負けを競い合った結果が、何か資産として残ると良いなと思っています。


ゲーム中で成し遂げたものを勝負資産として残していく


―――週刊少年ジャンプ的な世界観で、おもしろいですね

佐藤: いろいろ議論がありましたが、自分たちのユーザーを形容詞で言うとしたら、「負けず嫌い」が一番しっくりきたんですよ。また、そういったユーザーさんは継続率も高い傾向にあります。

前田 実際、mobcastには「負けず嫌い」なユーザーが多いのは間違いないですね。

佐藤: 30代男性のユーザーを引っ張っていくことで、周りを引っ張っていきたいですね。スポーツ以外でもモブキャスト初のRPGなど、幅広く対応予定です。これからも「勝ち負け」にこだわるようなサービスを作っていきます。

―――ちなみに、従来のソーシャルグラフとの関係性はどのようになりますか?

前田: 二本立てで運用していきます。最初はライバルグラフだけにしようとか、お互いにライバルに指定したらソーシャルグラフと連動させようとか、いろいろなアイディアが出ました。しかし、最終的に二つを並行して運用していくことになりました。

―――勝ち負けにこだわると、攻略情報も気になります

佐藤: はい、そこでQuuの意味が出てきます。Quuとライバルグラフで、うまく相乗効果を出していきたいですね。

―――リニューアルの予定を教えてください

前田: 最初にライバルグラフとライバルボタン、そして戦績フィードをリリースします。次に3月25日にmobcast全体での総合ランキングを公開し、上位ランカーを称える称号システムを実装します。その後4月から6月にかけて、順次追加の仕様を実装していく予定です。サイトのデザイン的にも、男性的なイメージに切り替えていきます。目安として、ワールドカップが始まるまでには、リニューアルを終了する予定です。

―――なるほど、絶好のタイミングです

佐藤: はい、今上期は経営リソースをサッカーゲームに集中し、「モバサカ」を筆頭に6タイトルを世界25カ国で展開します。これらを通して「負けず嫌い」を世界にアピールしていきます。


世界大会「グローバルカップ」も


―――mobcastのゲーム全体で一気に対応するのですか?

佐藤: いえ、まずは特定のアプリから順に対応していきます。もっとも機能自体はAPIでプラットフォーム側から提供されるので、対応は容易です。Quuと同じく、最初は最初は内作ゲームで使っていって、次第に外部のゲームにも広げていきたいですね。

―――Quuもライバルグラフも、ともに興味深い試みですね。ありがとうございました
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《小野憲史》

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