【そそれぽ】第89回:全『無双』シリーズ史上最高の「爽快感」を実現!『戦国無双4』をプレイしたよ!

インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそ こと 津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第89回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

ソニー PS3
井伊直虎の脚技を喰らいt…使いたい!
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インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそこと津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第89回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

珍しく今年は、NHKの大河ドラマを観ています。もともと日本の歴史に特に強い興味があるわけでもなく、時代劇が特に好きなわけでもないので、これまでの人生で大河ドラマに触れる機会はあまり多くありませんでした。しかし、戦国時代を題材にしたゲームのおかげで少しずつ興味が持てるようになり、今年は「黒田官兵衛」の人生を描く「軍師官兵衛」ということで、自主的に毎回観ている次第であります。

筆者のような人間がほかにもたくさんいると思うと「ゲームから興味を持つ」という流れは、さまざまな相乗効果を生み出す可能性があるんだなぁと改めて感じました。今の時代、筆者のような「にわかファン」も、馬鹿にできないっスよ!

というわけで、今回プレイするのはコーエーテクモゲームスのPlayStation 3ソフト『戦国無双4』です。

『戦国無双』シリーズ10周年記念作品であると同時に、ナンバリングタイトルとしては2009年以来の新作となる本作。・・・ですが『無双』シリーズ全体としては近年、派生作品や外伝作品を多数リリースしており、コアなゲームファンほど多数リリースされる『無双』シリーズに対して「マンネリである」「システムの使い回し」といった意見を持ち、厳しい目で見ている節があります。

されどっ!(軍師官兵衛風)

『戦国無双』シリーズのナンバリングタイトルのリリースは、平均2年半に1本とかなりゆっくり。派生作品にも実験的なタイトルが多く、なかでも3DSの『戦国無双 Chronicle』シリーズは『無双』ファンにもかなり好評。

しからばっ!(軍師官兵衛風)

さまざまな『無双』シリーズのシステムのフィードバックを受け、ゆっくりと育て上げているタイトルとも言える『戦国無双』シリーズのナンバリング新作は、『無双』シリーズ全体で見ても期待度が高まって然り!それでは、早速プレイしていきましょう。


◆『戦国無双4』のポイントをおさらい


■『無双』シリーズのイイトコどり
まず、大きな影響を与えているのは『戦国無双』の派生作品にあたる『戦国無双 Chronicle』シリーズ。1人の武将で戦場全体を駆けまわる他の作品に対し、『Chronicle』では操作する無双武将を適宜切り替えながら、効率良くプレイすることが醍醐味にもなっていました。その武将切り替えのシステムの影響を強く受けていると思われるのが「パートナー武将」で、「メイン武将」と2人の武将を選択して出撃させることになります。合戦中は2人を切り替えたり、AIとの擬似的2人プレイを可能にしたりと、戦場での「退屈」がほとんどなくなりました。

また、『真・三國無双7』で取り入れられた、シームレス「馬呼び・馬乗り」が本作にも採用されていたり、『ガンダム無双』シリーズのような機敏な動きや豪快な攻撃ができるようになっていたりと、さまざまな『無双』シリーズの良いところを併せ持ったような爽快感は『無双』シリーズ全体で最高峰と言っても過言ではありません。

■スッキリしたのに進化した「無双演武」
メインモードとなる「無双演武」。過去のシリーズでは武将ごとにストーリーが用意されていたので、大勢のキャラクターのストーリーを網羅していこうとなると、どうしても「同じ合戦」「同じ勢力所属」なら「同じような話」にもなるわなぁってことも多く、「マンネリ」や「作業」につながってしまっていました。

本作ではそれが思いっきり改められ、勢力や地方ごとに出来事・合戦を時系列に描いた「地方編」と、戦国時代が終局へと向かう「天下統一編」に分けられており、出来事や勢力内外の関係性が非常にわかりやすくスッキリしました。もちろん「マンネリ」を感じることもほぼなくなり、作業的にストーリーを進めるような事態が全くなくなりました。

■これだけでひとつのゲーム「流浪演武」
エディットで自由に作れる武将を主人公として、全国各地を巡りながらさまざまな無双武将との交流や合戦を楽しむのが、この「流浪演武」モード。オリジナルの主人公で他の武将と自由に交流するという部分に『Chronicle』の影響を強く感じます。ただし、こちらは実際の戦国時代の時系列などは全く関係なく、ランダムに発生する小規模な合戦で名を馳せながら、さまざまな目標を達成していく、かなり自由に楽しめるモードとなっています。

やり込み要素も強く、「流浪演武」では無双武将ではない名を持っている武将(いわゆる「モ武将」)も仲間にすることができ、その数はなんと1000を越えます。すべて実在、もしくは諸説あり歴史に名が残っている人物で、出会うことで「武将列伝」という「図鑑」的なものに登録されていきます。もちろん、武将の育成や武器の育成も楽しむことができ、とにかくやり込める要素が無限大に広がっています。


◆爽快に、美しく、シンプルに、奥深く


■「神速アクション」はコロンブスの卵
「□」で通常攻撃、「△」でチャージ攻撃、「□」から「△」につなげて強力な攻撃を繰り出すというのが『無双』シリーズ全体の「常識」でした。しかし本作では、「△」ボタンから始まる攻撃として新たに「神速アクション」を搭載。今まで「△」から「□」につなげるアクションなんて(たぶん)なかったわけですから、まさにコロンブスの卵。しかもこれが、これまでの『戦国無双』シリーズや『無双』シリーズ全体を通して見ても、最も爽快かつ豪快な攻撃になっているというのがまたスゴイです。

便利で豪快な「神速アクション」だけやっていればクリアできるというワケではないのも絶妙。名のある武将には(基本的に)「神速アクション」は通じません。場面によって、従来通りのチャージ攻撃と神速アクションを使い分ける必要があり、新しい戦略性も生まれました。

■より美しくなった画面描写
さすがに最新ハードであるPS4『真・三國無双7 with 猛将伝』には劣ると思いますが、過去の『無双』シリーズの中でも画面の描写は非常に美しいです。キャラクターの鎧・服装はもちろん、カットインしてくる表情、あるいは戦場の背景など、すべてが過去作よりかなり美しくなっています。私見としては、すべてPS3版で比較した際、『戦国無双4』≧『真・三國無双7』>『無双OROCHI2』といった具合。「火計」で炎が起こると処理落ちするとったこともありませんでした。

同じハードなのに美しさを感じる理由のひとつとしては、「魅せるときに魅せる」「魅せる所を魅せる」点が非常に優れているのではないかと思われます。こういったハードの限界を突破した表現は、どんなハードでも末期になるとよく起こります。PS3もハードとして末期に入りつつあると思うので、このあたりの創意工夫で生まれる「底力」は本当に素晴らしいです。

また、イベントシーンのほとんどがリアルタイムレンダリングによるものなので、無双武将の衣装などはすべて反映された状態で楽しめます。今後ダウンロードコンテンツなどで特別な衣装の配信も予定されているので、一風変わったイベントシーンを楽しみたい人(含、筆者)は、このあたりにも期待です。

■シンプルだけどわかりやすくなった時代背景
これまでの「無双演武」では、キャラごとの立場を物語で追うために、大事な合戦がナレーションベースで端折られたり、違うキャラで何度も同じ合戦に挑んだりと、時代の流れがややわかりづらい部分がありました。しかし、本作では「地方編」「天下統一編」と大きく2つに分けたことで、各地方や勢力で起きたできごとや物語の背景が非常にわかりやすくなりました。

特に各「地方編」では、武将同士の関係性がこれまで以上にしっかり描かれているように感じ、時代の流れ、時代背景、勢力間の関係性が非常にわかりやすくなり、更に時系列全体が見えやすくなった恩恵で「地方編」同士における「ああ、この合戦のとき、あの武将はあっちの地方に行っていたからいないのか」といった発見が自然と見えるようになりました。大げさかもしれませんが、今までの『戦国無双』シリーズの中で、一番自然に「日本史」が学べます(笑)。

■パートナー武将と2人プレイで全く異なるプレイ感覚
「無双演武」における2人プレイでは、メイン武将とパートナー武将を操作することになります。戦場でミッションが発生した際、敵を手分けして倒したりするわけですが、1人プレイではパートナー武将に切り替えてとにかく自分で効率良くプレイすることが重要になりますが、2人プレイでは「自分がこっちに行くから、そっち頼む!」といった連携や協力が重要になるゲーム性が生まれます。

やっていること自体は同じか、あるいは似たようなものに見えるのですが、これらのゲーム性は全く違って感じました。2人プレイ時にミッションを成功したときに感じる、ハイタッチしたくなるような達成感。2人プレイでは「共闘ゲーム」的な醍醐味もしっかりと味わうことができると言えそうです。


◆気になったところ


■オフライン2人プレイだと突然敵が現れる
PS3のオフライン2人プレイ時における、敵の表示数はかなり頑張ってます。その代償として、いるはずの敵が表示されず、突然目の前に現れるといったことが多少起こります。ただし、プレイに支障をきたすほどではありません。また1人プレイ時にはそのようなことはありませんでした。

■カメラ位置がやや近い
カメラ位置(視点)がキャラクターにやや近いため、周囲を見渡しにくく感じることがありました。特にPS3の画面分割2人プレイ時の2P側は、メッセージの表示で周囲が非常に見渡しにくくなります。このあたり、オプション設定などで、カメラ位置の設定ができたら嬉しかったです。・・・アップデートでなんとかなっちゃったりしませんか!?(笑)

また、これもカメラ位置の問題に関わることなのですが、坂道や階段のような場所でもカメラの方向が真っ直ぐ正面を向いたままなので、正面の敵の足元の地面を見る形になってしまいます。手動で視点を変えつつ見上げたりはできるのですが、これもキャラクターの進行方向にあわせてカメラの方向が自動で変わるなどの設定がほしかったです。・・・やはりアップデートでなんとかなっちゃったりしませんかね!?(笑)

■救援要請している武将がわかりづらい
合戦中、敵に囲まれるなどして救援要請を出す仲間武将の位置が、これまでのシリーズよりもややわかりづらくなったように感じました。戦闘中に常時表示されているミニマップに表示される情報量が増えた代償とも言えそうです。スタートボタンでメニューを開けば武将の場所やミッションの内容は確認できるのですが、救援要請や時間制限があるようなものは、ミニマップでも、目立って点滅するなど、もっとわかりやすくしてほしかったです。

■武将エディットの自由さにもう一声!
パーツも豊富で、基本的には満足しています。ただし、肌や服装などのエディットにおいて、もっと色を細かに設定できてほしかったです。もちろんコンセプトから外れる可能性があるから「あえてできない」のかもしれませんが、例えば「妖怪」のような設定の武将を作りたくても、普通の肌の色(白系、茶色系、黄色系の濃い・薄い)しか選べず。鎧も決まったパターンの中から色を選ぶことしかできません。「黒田官兵衛」の肌の色がアリなら、もう少し武将エディットに「髪」ぐらいの色設定の自由があっても良かったのではないでしょうか。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


◆総評

全『無双』シリーズで最高の爽快感を実現!
ほとんどメインモード2本入り、現時点で究極の『無双』かもしれない!


『3』『3猛将伝』『3Z』からの続編というよりも、『Chronicle』を含めた全『戦国無双』シリーズの集大成的作品で、尚且つさまざまな『無双』シリーズからシステムのイイトコどりをした、2014年3月現在、究極の『無双』といっても過言ではない良作であると感じることができました。

戦闘に「神速アクション」が加わったことで、爽快感が圧倒的にアップしたと同時に、逆に従来のチャージ攻撃との使い分けが重要になったことで、シンプルさを保ちつつも、ゲームとしての戦略性がアップしています。ただし、相対的に難易度が下がったようにも感じるので、難しさを求めている人と好みが分かれそうです。筆者個人は、この爽快感で、もう過去のシリーズに戻れそうもありません(笑)。

戦闘が一番の魅力のゲームシリーズゆえに、これまでの『戦国無双』シリーズや他の『無双』シリーズでは、いまいち蔑ろにされがちだったストーリー部分ですが、本作はストーリーの描き方に非常にこだわっている作品であると感じました。メインモード「無双演武」が「地方編」と「天下統一編」に分かれたことで、時代背景がわかりやすくなり、各登場キャラクターの心情や考えの変わり方などもしっかりと描かれています。先のストーリーが気になって次のステージを遊びたくなる『無双』って初めてかもしれません。

逆にストーリーがほとんどない自由な「流浪演武」は、小気味良く「やり込み要素」を楽しめる上に、そこで手に入れた経験値や武器はほかのモードにもしっかり反映されるので、もうひとつのメインモードといっても問題ないレベルの仕上がりです。シュールな会話や意味不明で笑えるイベントもけっこうあります(笑)。

【こんな人にオススメ】
・『無双』シリーズファン
・『無双OROCHI』シリーズから『戦国無双』が気になっている人
・『無双』シリーズ初心者
・アクションゲーム好きの人
・爽快感のあるゲームをプレイしたい人
・手軽な共闘ゲームをプレイしたい人
・NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」を観てる人

「三国志」は自ら興味を持たないとなかなか触れる機会も少ないですが、「戦国時代」は日本史の教科書や時代劇などで自然に触れることも多いものだと思います。そういった意味では『無双』シリーズの入り口として、『真・三國無双』シリーズよりも『戦国無双』シリーズの方が、知っている名前が並んでいて、初心者でも楽しい作品であると個人的には思っています(実際、筆者も自分で最初に購入した『無双』シリーズは初代『戦国無双』でした)。チュートリアルもわかりやすく充実しているので非常にオススメです。

『無双』シリーズ経験者には、ぜひ「神速アクション」の爽快感を一度味わってほしいです。ストレス発散度MAXです(笑)。たしかに『無双』なんだけど、これまでの『無双』から一歩踏み越えたような手応えを感じることができると思います。ただし、「神速アクション」は、キャラクターによる個性がもうひとつ足りない気もするので、これからのシリーズでの発展にも期待したいところです。

しからばっ!(軍師官兵衛風)

筆者的には、本作で描かれるストーリーはこれまでのシリーズ中、一番史実に近い描かれ方をしているとのことなので(公式Twitterの広報さんの発言より)、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の楽しみ度もアップ。ドラマと並行して、まだまだやり込み足りない『戦国無双4』を楽しみたいと思っています。あとは・・・

恐れながら申し上げますっ!(軍師官兵衛風)

コーエーテクモゲームスさんは、いつも良心的な価格で非常に楽しめるダウンロードコンテンツを配信してくれるので、無双武将の衣装はもちろん、エディットパーツの充実、更にはカメラ位置の細かなオプション設定ができるようになるようなアップデートなんかにも期待したいと思います!待ってます!!


【そそれぽ】第89回、いかがでしたでしょうか?仕事をしつつ、発売から2~3日のプレイレポートなので全容を把握できていなくて申し訳ないのですが、ここまで20時間余りプレイした限り、まだまだ相当楽しく遊ばせてくれそうで嬉しい限り。いろいろなゲームと並行して、長く遊び続けるタイトルになりそうです。それでは次回もどうぞお楽しみに!


PS3『戦国無双4』は、好評発売中。価格は、パッケージ版が7,200円(税抜)、ダウンロード版が6,286円(税抜)、「TREASURE BOX」が12,800円(税抜)、「アニメBOX」が9,800円(税抜)です。

PS Vita『戦国無双4』は、好評発売中。価格は、パッケージ版が6,800円(税抜)、ダウンロード版が6,000円(税抜)です。

(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.


■筆者プロフィール
津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ
愛内里菜らに楽曲提供をし、VOCALOID音楽のクリエイターとしても有名な作・編曲家。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略SLGから格ゲーまで、幅広いジャンルのゲームをプレイする。
Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity

《津久井箇人 a.k.a. そそそ》

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