小島監督『MGS V』にかける思いを語る ─ 「TPP」ではゲームを通じてスネークとプレイヤーに「墜ちて貰う」

『メタルギアソリッド』シリーズのディレクターとして有名な小島秀夫氏が、ツイッター上にて新作『METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN』を通じ、どのようなことをプレイヤーに伝えたいのかを書いています。

ソニー PS3
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小島秀夫氏がツイッター上で、新作『METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN』でどのような意図を持って制作に挑んだのかを語っています。

この一連のツイートの発端は、有名な映画監督であるヒッチコックの作品について話し始めたことでした。


ヒッチコックが制作した巻き込まれ型のドラマというのは、観客に共感をさせるためだと氏は考えています。自分で操作できるゲームはそういった共感において有利なものの、しかし『メタルギアソリッド』シリーズの主人公であるスネークは歴戦の英雄であり大きな設定や複雑な過去があるため、プレイヤーとキャラクターの間に大きな溝ができてしまいます。


その水と油のような間柄をどうするべきか。小島氏は、「主人公の感情にプレイヤーを同じ位置に持ってくる」ようにし解決を試みているとのことです。


どういうことかというと、プレイヤーが見て感じたものとゲーム主人公の心境がリンクする状況を作り出すということでした。たとえ大きな設定を背負った主人公だとしても、プレイヤーが同じ感情を抱けば、その間にある溝が埋まる。そういった試みを過去作で行ってきたそうです。


もちろん、過去の作品を経験していないプレイヤーのための設定(「TPP」においてスネークが9年間も昏睡していたという設定)も用意されており、初心者でも自然とゲームに入れるはずとも語っています。


とはいえ、『METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN』においてはその今までの積み重ねを最大限に活かす考えのようです。プレイヤーはスネークたちに共感し、作品が出るたびに同じく歳を重ね、もはや同じ場所に立っていると言えるのでしょう。


その共感を活かし、『METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN』ではゲームを通じて、プレイヤーとスネークが共に、納得して「墜ちて貰う」そうです。

今回の作品は、過去作の設定によって既に結末の大筋は決まっています。それがプレイヤーやスネークにとって悲しい結末になるのはまず間違いないため、今まで培ってきた共感の力を駆使し、納得できる形で悪に堕ちることを描く。小島氏が『METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN』において尽力したことのひとつが、その結末なのです。

《すしし》

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