『サマーレッスン』をプレイしながら、VRの可能性と課題を原田氏に訊いた

11月29日と30日に開催される「Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)」の体験会に先駆けて、バンダイナムコ未来研究所において『サマーレッスン』のプレイ&開発責任者の原田氏に話をうかがいました!

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『サマーレッスン』をプレイしながら、VRの可能性と課題を原田氏に訊いた
『サマーレッスン』をプレイしながら、VRの可能性と課題を原田氏に訊いた 全 12 枚 拡大写真

―――ユーザーにも複合的な問題として製品を見てもらう必要がありますね。

原田:だから、『サマーレッスン』を体験された方にはもっと情報を広めてもらいたいです。世の中を動かすには「一般化」というキーワードがとても重要なので、例えば居酒屋なんかで普段ゲームに触れない層の方々が、「あれってさあ」と話してもらえるといいですね。昔はそう思って無かったんですけどね。「いいものを作っていれば売れるんだ!」って考えてましたから。

―――『サマーレッスン』以外のタイトルって考えられていますか?

原田:いろいろと動いてはいますよ。ただ、言えません。

―――そこをなんとか!

原田:言いたいんだけどなあ! ちょっとまだ言えません! ……じゃあ一つだけ。少なくともうちの会社だけで作るわけではないです。そこまでしか言えないっ。

―――というと、ゲーム関係じゃないところとですか!?

原田:じゃないところとです。ただ、僕の好きなものが詰まっているんで、ゲームが好きな人であれば本当に楽しめるはずです。

玉置:一つ分かったのは、どの業界の方も閉塞感があって、そこに現れたHMD、VRに可能性を見出していただいている、と言う事ですね。

原田:今が僕の人生のモテ気ですよ!



―――現在、社内の開発者からも企画は出ていますか?

原田:そうですね……30年前だと、ゲーム会社はインディー的な存在で、業界は「市場が0ならニーズを創り出そう!」というところだった。それが一大産業になってしまった事で、大きい携帯ゲーム市場、コンソール市場、PC市場などへ向けて作品を発表すれば食えるようになってしまった。でもMorpheusは、まだ市場がないから企画書やビジネスプランが書けないはずなのに、企画書がいっぱい出てくるんですよ。これはうれしい動きですね。

―――開発者として惹かれるものはありますよね。

玉置:企画者は少なかったんですけど、技術者の中には「前から興味があって、こっそり作ってました」という者もいました。今はそういった「社内勢力」を集めて色々進めています。元々弊社は『機動戦士ガンダム 戦場の絆』もやっていましたし、視覚部分に関してああしたいこうしたいという働きかけは多いんですよ。


―――最後に、『サマーレッスン』は今後どのような方向性での製品化を目指しますか?

原田:『サマーレッスン』は、元々「育成するゲーム」にしたかったんです。受験する子の家庭教師をしたり、アイドルを目指す子のボーカルレッスンなどを行ったり、男性キャラも含めた様々な生徒とコミュニケーションをとりながら成長させていく。対象にロボットがいるかも知れませんよ(笑) キャラによっての育ち方の違いや、またこちらの接し方でも違いが出てくるでしょう。それで仲良くなって、最終的には「鍋を一緒に食べる」レベルを目指します! 重要なんですよ鍋って。

―――鍋を囲むほど親密になると(笑) 本日はありがとうございました!


◆最後に


プレイしてみて思うのは、これほど「百聞は一見に如かず」という言葉が当てはまるものもないな、と言う事。ライターとしては失格ですが、これについては心底そう思います。「絶対この部屋の中にいる!」と思ってしまうほどの臨場感が、脳の奥の方にビリビリ来るのです。百の言葉、千の表現で語ろうとも、あの臨場感は「体験した者」にしか分かりません。とにもかくにも、機会があれば体験する事を強くおすすめします。まずは当選した方たちが今月末に、感想を発信していくでしょうから、自ら積極的にアンテナを広げてキャッチしましょう。

これからの展望として期待するのは、育成やコミュニケーションを主体としたシミュレーション。他業種とのコラボを含めたHMD界隈の発展と業界の盛り上がり。そして、圧倒的な臨場感を元にした「超恐ろしいホラーゲーム」です。危険な香りはプンプンしますが、きっと心の臓が止まるほどのものができると信じています。
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《平工 泰久》

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