『Shattered Planet』は元々はiOS/Androidで展開されてきた、基本プレイ無料アイテム課金というビジネスモデルのローグライクでしたが、後にSteamでプレミアムタイトルとしてリリースし、こちらが大きな成功を収めたそうです。
登壇したのは同社でプログラマーを務めるJongwoo Kim氏。最初のスライドでは、iOSやAndroidではストアのフィーチャーを受けるなどダウンロードは好調だったものの売上は伸びず、逆にSteamでは販売本数は1万本程度ですが、大半の収益を稼ぐに至ったことが報告されました。Steamでは定価15ドルとされていますが、セールも実施されていて、具体的には言及されませんでしたが、全体の売上は10万ドル(約1200万円)くらいが想定されるでしょうか。
![]() |
プラットフォーム別の売り上げ |
iOS/AndroidとSteamでの両展開は最初から戦略としてあったようで、Kim氏はプロジェクトの4つの狙いを紹介しました。(1)シンプルなUIで奥が深く繰り返し遊べるゲームプレイ (2)極力、両方のプラットフォームを共通化する (3)コミュニティを移動させる (4)素晴らしい移植にする[PCの本気のゲーム] という4つです。
そして、この4つの更に裏にはiOS/Androidでユーザー数を稼いでコミュニティ化し、それをバネにSteamでのリリースを行い、最終的には有料で購入してもらうという狙いがありました。スマホのユーザーが居たことでSteam Greenlightのプロセスにも優位に働いたといいます。リリース後も積極的にモバイルから誘導し、有料版の購入を促しました。
![]() |
積極的にモバイルからユーザーを誘導 |
Steam版ではPCゲームとして品質を磨く一方、ゲームシステムやUIは極力スマホを引き継ぎ、ユーザーに違和感がないものとしました。また、課金システムを取り除いたことで、こうしたシステムを嫌うユーザーを取り込み、また、スマホで課金をしなかったユーザーから収益を上げることを可能としました。
Kim氏はこのプロジェクトは一定の成果を上げたと述べて、スマホでユーザー基盤を確率し、Steamで収益化するという方法は今後も考えられるとしました。一方、同社では次のプロジェクトとしてPC/PS4/PSVitaのマルチプラットフォームである『Moon Hunters』を製作中。こちらも異なるプラットフォーム間での展開の例としてどのような手法を取っていくのか注目です。