
――アーカム・ナイトというキャラクターについて教えてください。
パーキンス: アーカム・ナイトはとても興味深いキャラクターですね。このキャラクターをDCコミックスの協力によって、まったく新しいキャラクターとして登場させることができたのは、とても嬉しいことだと思います。そして、彼はバットマンにとって手強い敵ということになりますね。とてもアグレッシブで、私的な軍隊を率いて歩兵や戦車をゴッサムシティに投入してきています。身体的にも、身につけているテクノロジー的にも、成長したバットマンに匹敵するものを持っていて、かなり手強い相手になっています。
――登場するヴィランは、パワー型ではなく、知能犯的なキャラクターが多いですが、そうしたキャラクターが敵に回るということは、戦いも戦略的になったりするんですか?
パーキンス: かなり独特のインタラクティブができると思います。ペンギンにしろ、トゥーフェイスにしろ、それぞれに対処するにあたって個別のクエストがありますので、そちらの方でプレイヤーは楽しんでいくことになります。そして、アーカム・ナイトの登場によって、彼が物理的な攻撃力を持っているので、それぞれに応じた戦い方になると思います。また、バットモービルが登場して、戦車形態にもなりますので、こちらの火力を使った戦いも展開することになります。これと同時に、従来のシリーズのようなプレイ要素も引き続き楽しむことができるようになっています。
――今回、バットマンの仲間であるバットファミリーの登場はあるのでしょうか?
パーキンス: いい質問ですね。バットファミリーに関しては、今はお答えすることができませんが、何かあると思っていてください。
――今回、初回特典としてハーレー・クインのDLCパックが封入されていますが、どのような形で楽しめるのでしょうか?
パーキンス:これは本編とは別に、単独で存在するパッケージになります。ハーレー・クインを使用した、ゴッサムシティを舞台としたサイドクエストをプレイすることができます。

――ネットワークを使った要素は用意されているんでしょうか?
パーキンス: ゲーム自体はシングルプレイヤー用ということで、マルチプレイは想定していません。ただ、コンボ数や移動時間などのスコアチャレンジのランキングを友達と競うような楽しみ方を用意しています。
――バットモービルをカスタマイズできたりはするんでしょうか?
パーキンス: バットモービルをアップグレードできるという意味ではカスタマイズが可能です。外観の部分をアップグレードしたりする要素も存在しています。また、バットマンがさまざまな能力を獲得するのと同じように、バットモービルもアップグレードできるという感じです。
――格闘やその他の部分で追加されている要素はありますか?
パーキンス: 動きや能力など、いくつか追加したものがあります。また、相手の武器を奪って使うことができるようになりました。カウンターの動きもいくつか新しくなっています。例えば、掴んだ敵を別の敵に投げつけるような動きですね。壁を駆け上がって投げるウオールフリップもできます。格闘自体が、より自然で流れのあるものになっています。追加したもののひとつに、「フィアーテイクダウン」というのがあり、3人の敵を一度にテイクダウンできるようになりました。このあたりの要素は、スコアタックを楽しむプレデタールームで味わえると思います。
プレイヤーにもっと選択肢を与えようという意味で追加したものがあります。ガジェットの面ではグライディングをしながらバットラングを投げることができるようになっています。正面だけではなく、窓から建物に侵入するというところも新しく追加された要素ですね。

――移動に関しても、プレイヤーに選択肢を増やすという意味での進化が大きいんですか?
パーキンス: そういう方向で開発は進めてきました。オープンワールドゲームを作るということは、とても困難なことでもあります。何でもできるということは、きちんと作り込まないと反対につまらなくなってしまうということにもなり兼ねませんからね。そういう意味では、プレイヤーの方にこの世界を徐々に知っていただくというところで、あまり制約をかけたくないという思いがあります。そこで、ゴッサムシティの中で、最初からすべて自由にやれるようにする度合いを高めています。もちろん『バットマン:アーカム・シティ』の段階でもかなりの自由度はあったのですが、どのサイドクエストを選ぶのか、そのまま本編に留まるのというところを自由に選択できるようにしていて、できるだけ制約がないようにしています。
――『バットマン』という作品のもうひとつの主役であるゴッサムシティのマップを広げるにあたって、どのようなデザインがなされていますか?
パーキンス: ゴッサムシティは、バットモービルの登場によってプレイグラウンドとしての要素が広がっています。そこで、バットモービルとバットマンのどちらでも動けるような形で設計しております。例えば道路の幅などは、クルマが自由に、自然に移動できるように配置されていたり、世界の細部にわたって凝った作りをしていくようにしました。もちろん、『バットマン:アーカム・アサイラム』、『バットマン:アーカム・シティ』のどちらもそうだったのですが、スタジオにいるアーティストが手作業で建物を作り込んでいっていますので、プログラムで生成したものとは違います。そうしたさまざまな方向で、細部にわたってエキサイティングな体験ができるような、アーカムシリーズのゴッサムシティとして作り上げていきました。
――今回から新たに登場するヴィランはいますか?
パーキンス: これまでに明らかにしている中で、Rocksteady Studiosにとって初めて登場させたヴィランはファイヤーフライですね。また、アーカム・ナイトはまったくの初登場です。ハーレー・クインやリドラー、トゥーフェイス、ペンギン、ポイズンアイビーなどは以前から登場していました。今のところ明らかにしているのはこういうところで、あとはこれからというところもあります。

――バットマンが使用するガジェットの種類は増えていますか?
パーキンス: 今回、新しいガジェットがいくつか登場しますし、またガジェットを使う方法にも変更があります。例えば、2つのガジェットを合体させることで能力が追加されるという要素が加わりました。グライディングやコンバットで使えるガジェットも違っています。そして、究極の新ガジェットがバットモービルになります。こちらは、バットマンの能力を拡張できたという意味で、人と車の関係がシームレスになるというところがあります。
――バットマンと言えば「探偵」という要素が重要で、このシリーズにおいても欠かせない要素ですが、本作でもそのあたりは健在でしょうか?
パーキンス: おっしゃる通り、バットマンは何者かと言えば世界最高の探偵だということになりますし、探偵の要素がなければバットマンが成り立たないと我々も考えています。今回の作品でも、そうした要素で謎を解くという要素はしっかりと入っています。プレイヤーは、自分がバットマンになっているというところでは、探偵として行動するのが主要素になるわけですから、そこはしっかりと押さえています。
――では、最期に心待ちにしているファンにメッセージをお願いします。
パーキンス: 本作を日本のみなさんにお届けすることができ、非常に嬉しく思っています。重要なポイントというのは、フルローカライズ=完全日本語版という要素です。これによって、より没入したプレイを楽しんでもらえると思っています。たくさん言いたいことがありますが、言えない部分も多いのが残念ですが、みなさんでこのエキサイティングなゲームを体験してもらえればと思っております。

記事提供元: Game*Spark