――PSプラットフォームで出すタイミングは図られていたのでしょうか。
松原:Xbox One版の発売日に、渋谷で力士シールを貼りながら練り歩くイベントをやっていたのですが、あの時に何人かのユーザーさんから「Xbox Oneを持っていないけどソフト買っちゃいました」と話しかけて頂きまして。そのきっかけもあって、PSハード版も作ろうと決めました。その時点から最速で開発できたのが今回のタイミングとなります。
――プレイしていると気がつくと思うのですが、本作って様々なところにネタバレがあったじゃないですか。パッケージ、公式サイト、テーマ曲の歌詞などなど……。そのネタバレの線引きはどう考えておられますか。
若林:作っているときはあまり気にしていなかったですね。これは言っちゃいけないだろうという線引きはありますけど、歌詞やキービジュアルを見てというものは「言われてみれば確かに」と我々ですら思っているくらいなので、プレイしなければ分からないというものだと思っています。歌詞は志倉がいつも書いていますが、我々も後から気がついたりするくらいで……。「あ、ネタバレだこれ」って(笑)。
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――ビジュアルでは皆がディソードを持っていますが、実際に遊んでみるとそこもネタバレになっていなくて、そのさじ加減がすごくうまいなと。PS版でもたくさん仕込んでいるんですか。
若林:新たに遊んでくれる人たちは、同じ気持ちを味わってくれるのではないかなと。今回は広告とかでも、事件に関しては割と明かしちゃっていますしね。「あれ、これ言っちゃいけないんじゃないの?」とか思いながら見ていたりするんですけれども(笑)。でも、「ここをバラしても、物語の根幹の楽しさにはかかわることではないのかな」とも思ったり。個々の事件の猟奇性というものは、この作品の一部の要素でしかなかったりします。本作はあくまで人間の心を描いている作品ですので。
――今後PSハード版が出るわけですが、既存のユーザーからしたらドラマCDが気になるところかと思います。ドラマCDについてお伺いできますか。
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若林:僕、まだ聞けてないんですよね……。
松原:僕も完成版は聞けてない(笑)。収録には立ち会っていますし、台本も見ていますので内容は知っていますが…。Xbox ONE版の作成時にボリュームの問題から泣く泣くカットした澪の物語があって、それをベースにドラマCDにしています。澪の研究所時代のエピソードが収録されています。
若林:ネットを見ていると澪ファンって結構多かったので……それならばドラマCDで描こうかと。
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――あとはPS版といえば、あの箱ですよね。新規の方は分からないと思うんですけど、あの箱もよく作ったなぁと。これを思いついた人も頭おかしいと思うんですが、誰が思いついたんですか。
松原:僕です(笑)。まあ、あんまり煽るのもアレなんですが、まだプレイしていない人は当然意味が分からないわけですよね。それがプレイしたことある人は意味が分かる仕掛けになっている。そこが面白いかなと思って特典の一つにしました。
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――PSユーザーがプレイして気づくのが怖いですよね。いや、反応を見るのは楽しみなんですが。
若林:後から知ったら立ち直れないかもしれませんね(笑)。
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