ベットから目を覚ますと、そこは夜の世界でした。しかし、何やら人がどこかで話しをしているようなざわめきと、モノがパチパチと燃えるような音。そして先ほど見つけて置きながらも、重くて入手できなかったはずの斧を持っているキャラクターと、地面から吹き出す真っ黒な闇があきらかに状況が変わったことを示しています。
ショッキングなモンスターこそ出てきませんが、まるで場面は『サイレントヒル』シリーズの裏世界のよう。闇に飲み込まれると、ベットで寝る前に戻されてしまうため、逃げつつルートを探します。また、事前に通路や部屋の廊下の明かりをオンにしておかないと、闇に道をはばまれて先に進めませんので、オンにしておきます。

あとは通路をかけ抜け、次のステージにつながるドアを斧で叩き壊してゴール。

目覚めた場所は元のベットですが、先ほど闇の世界で破壊した扉がきちんと壊されており、BGMが切り替わったため無事、次のステージに進むことができたことが分かりました。
どうやらこのゲームは、廃墟のどこかにある水を探し出し、入手後は植物を再生させることで、闇の世界に入るフラグが立ち、そこから闇の世界を攻略するために現実世界でフラグを立てる必要がある、というやや複雑な作りになっているようです。そのため、通路を塞ぐ闇を消すために電灯のスイッチをオンにしておく、といった事前準備が必要というわけですね。




もちろん、各ステージごとに水の場所は異なり、ギミックや必要なアイテムも変わってきます。そのあたりの“謎解き要素”は脱出ゲームに近いゲーム感があります。また、最初は読むことができなかった暗号も後半で通常のアルファベットに変換するイベントが起こり、今まで謎だったプレイキャラクターのディテールや状況が明らかになっていく部分はサスペンスのようでもあり、ぜひととも体験していただきたいところです。
ゲームを終えた印象としては、全体的な流れは同じでありながらも、そう思わせない工夫がされており、とくに実写を取り込んだかのような等身大の廃墟の美しさはまさに必見のひとこと。極力ゲーム的なユーザーインターフェースを廃している点も、ゲームの美しさと現実に近い世界観を損なわせない素晴らしい発想であったように思えます。
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