本日取り上げますのは、バンダイより発売されております、ガンプラ「HGUC RX-78-2ガンダム」。こちら、同レーベル同名のアイテムが過去に発売されているのですが、今回は2015年7月に発売されたREVIVE版をご紹介していきます。
REVIVE版HGUCは、過去HGUCで発売されたモビルスーツを現代の最新技術で蘇らせるリメイクシリーズです。第1弾の「ガンキャノン」に続いて、今回は2001年に発売された「HGUC RX-78-2ガンダム」がREVIVE版で発売されました。
カタログスペックでは、2001年版と総パーツ点数はほぼ同数とされていますが、その可動箇所は1.5倍にもなっているということ。実際比べてみるとその性能は圧倒的で、肘膝の二重関節はもはや当たり前、開脚もほぼ180度、腰の前屈ではその関節の隙間が露出しないよう内部構造が工夫されているなど、細かな配慮も成されています。
さらに特筆すべき可動箇所は肩関節で、最近のHGシリーズでは手前方向への引き出し式が主流だったのですが、今回のガンダムでは上方向の引き出し方式を採用しています。これにより、腕を上げるポーズを取らせるために肩をひっくり返さなくても良くなりました。これがどういうことかというと、「アニメ絵的正解のポーズ」が出来るようになっているのです。
腕を天に掲げるポーズを取る際、従来の方式では肩アーマーの天地を逆にする必要がありました。肩から下方垂直に腕が伸びていますので当たり前ですね。しかしこれ、アクションフィギュア的には至極当然なのですが、アニメ的には不正解なのです。アニメ的正解は「肩の天地が入れ替わらずに跳ね上がる」というもの。いかり肩が多いロボットは肩が逆さまになってしまってはちょっと格好がつきません。より人間の関節構造に近い描写が画的には映えるのです。今回のREVIVE版HGUCではできるだけシンプルな構造でこの関節構造を再現しており、いわゆるラストシューティングのポーズも決めやすくなっているのです。
付属品としては、ビームライフルとシールド、ハイパー・バズーカをそれぞれ1つずつ。ビームサーベルは2基セットになっており、「ガンダム」としての基本アイコンをすべて押さえています。2001年版ではコアファイターが、Ver.G30thではガンダムハンマーが付属していましたが、今回のREVIVE版はシンプルめになっていますね。その分価格も控えめ、2001年版とほぼ同額でありながらこの充実感は流石といったところでしょうか。
アレンジとしてはVer.G30thと2001年版の中間といった感じで、TVアニメ的ラインを巧みに再現しつつも、要所のディテールがしっかりと抑えられています。カラーリングも成型色でほぼ完璧に再現。頭部デュアルカメラにはHG系には珍しくクリアパーツが採用されています。合わせ目も頭部や脹脛を除いてそのほとんどがパネルラインとして処理されているためパチ組派にも嬉しい設計です。
REVIVE版は、MGのような緻密なディテールが売りでもなければ、RGのようなフレーム構造その他ガンプラの技術の粋を集めて作られた至高にして究極の……的なアイテムでは決してありません。何せ、HGUCは低価格帯でコレクション要素の高いお手頃シリーズとして歩んできた歴史があります。そんなHGUCという枠組みの中で、如何にシンプルに、かつ組みやすく、可動性能と見栄えを両立させて過去のアイテムをリメイクするか、ということに重きが置かれたガンプラなのだと筆者は考えます。限られたサイズ、価格、パーツ数のなかで工夫して、どれだけ高パフォーマンスのキットが作れるのか。飽くなきガンプラへのチャレンジ精神を伺わせる良キットとなっていました。お勧めです。
REVIVE版「HGUC RX-78-2ガンダム」は発売中。価格は1,080円です。
(C)創通・サンライズ
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■筆者紹介:ひびき
関西在住のゲームやアニメが大好きな駆け出しひきこもり系ライター。そのシーズンに放送されているアニメはすべて視聴する暇人。ゲームのプレイは基本的にまったりじっくり足が遅い方。2012年からINSIDEにてライター活動を開始。お仕事はTwitterにて随時受付中。
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