この超ビッグタイトルの中国における開発・運営を独占で行うのが崑崙(コンロン)です。Rovioと本年2月に独占契約を発表し、業界をあっと言わせました。他にEA、プレイフィッシュ、スーパーセルなど名だたる海外大手のアプリを配信し、チャイナジョイ会場でも存在感をアピール。日本でもKlLabと業務提携をしています。さらに7月31日にはRovioと共同でイベントを行い、全世界ローンチを祝いました。
イベント会場には崑崙CEOのPekka Rantala氏をはじめ、Rovioからもゲーム部門バイスプレジデントのMikka Lindgren氏とアートディレクターのToni Kysenius氏も登壇。さらに中国で『2』のイメージキャラクターを務める、華流スターの李易峰(リー・イーフォン)氏も駆けつけ、会場からフラッシュを集めていました(余談ですが会場は女性記者の割合が非常に多く、その理由も納得できました)。
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『2』の最大の特徴はビジネスモデルが無料/有料アプリからF2P(基本プレイ無料のアイテム課金)モデルに変更された点です。もともと『アングリーバード』のビジネスモデルは、無料アプリで認知度を広げてキャラクターグッズ展開を行うというものでしたが、近年は利益率が低下しており、リストラも行われるなど、抜本的な改革が臨まれていました。そうした声に応えたものだといえます。
もっともLindgren氏は「我々はオリジナルを高くリスペクトしており、基本となるゲーム体験はそのままに、いかに新規要素を加えるかに注力した」と語り、『2』の開発だけで3年もかけたといいます。その上で「アメージングさ、イノベーティブさ、アニメーション、グラフィック、そしてバリューの高さ」をアピール。「F2Pだからこそ、核のゲームがおもしろくなければ意味がない」と暗に強調しているかのようでした。
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『2』の改良点を大ざっぱに列挙すると「最初から複数のバードが登場し、スリングショットの順番を自由に選べる」「一つのステージが複数のマップで構成」「ボスステージの追加」「全体マップ上で友達と競える」「ハートやスペル(呪文)などの課金アイテム」「バードの軌道を変える扇風機など、ステージ上にさまざまなギミックが追加された」などとなります。
すでに日本でも多くのユーザーに遊ばれているかと思いますが、チャイナジョイの崑崙ブースでもデモがあったので、さっそくプレイしてみました。なんといっても複数マップによるステージ構成と、バードの順番を自由に選べることが絡み合って、より戦略性が増している印象です。そこにスペルなどのアイテム要素が加わり、総じて本作ならではの爽快感やガチャガチャ感、物理エンジンベースのゲーム体験がうまく強調されているように思いました。
イベントでは両社VIPによる挨拶や、イーフォン氏へのインタビュー、動画や写真素材などの撮影舞台裏などが紹介されました。また中国人とフィンランド人の混成チームで、キーワードをゼスチャーだけで伝えるミニゲームなども行われ、会場の笑いを誘う場面も。Kysenius氏からイーフォン氏に対して、似顔絵を元にしたバードのイラストが進呈されるシーンもありました。
今回ローンチイベントがチャイナジョイにあわせて行われたのは、中国という世界最大級の市場あってのことだといえます。一方でモバイルゲーム市場でいえば日本もトップクラス。イベント終了後にLindgren氏に話を聞くと、『ズーキーパー』とコラボして5月に配信が始まった『アングリーバード・ファイト!』をはじめ、現在もコラボ企画が(ゲームもグッズも)進行中とのことでした。
また『アングリーバード』といえば2016年7月公開に向けてフルCG映画が制作中で、『アナと雪の女王』でオラフを担当したジョシュ・ギャッド氏らがキャストの名前に上がっています。こちらも日本を含む全世界同時公開をめざして順調に制作中とのこと。まずは6年かけた完全新作の『2』を楽しんで欲しいと話していました。