【そそれぽ】第125回:もしも『FFIV~VI』がそのまま進化して今年新作がリリースされたら?『FFブレイブエクスヴィアス』をプレイしたよ!

モバイル・スマートフォン iPhone

イベントシーンも懐かしいドット絵で展開
イベントシーンも懐かしいドット絵で展開 全 14 枚 拡大写真
インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそこと津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第125回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

最近は「バック・トゥ・ザ・フューチャー・デイ」(主人公らが飛んだ未来の日付が2015年10月21日)もあったせいか、一昔前の映画やアニメの「近未来モノ」を観る機会が多いです。ほとんど、現実で我々が生活している現在が、劇中に描かれている近未来を過ぎちゃっているのですが(笑)。しかし、そのどれもがスマートフォンを予見して描いてないんですよね。せいぜい携帯電話やパソコンの小型化か、逆にもっと夢のような謎端末(笑)。スマートフォンの出現を予見した作品を今後も探そうかと密かに思ってます。



というわけで、今回プレイするのはスクウェア・エニックスのiOS/Androidアプリ『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』です。



【そそれぽ】でスマホアプリを取り上げるのは、なんと約3年半ぶり!(笑)もともと、スマホでゲームはそれほどプレイしない筆者ですが、本作はなぜか事前登録したり、事前情報もしっかりチェックしたりと、謎のスイッチが入りました(笑)。派生作品がものすごく増えている『ファイナルファンタジー』ですが、『IV』『V』『VI』あたりが一番好きな筆者にとって、本作はとにかくツボを突きまくり。トレーラー映像の画面と音楽で大興奮してしまったのです!

●ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス トレーラー

YouTube 動画URL:https://youtu.be/YPGnvDhUE8U

ドット絵!戦闘のあのイントロ!天野喜孝氏のイラスト!・・・プレイ前からお腹いっぱいです!(笑)しかし、そうも言ってられないので、配信されて間もない(10月22日配信開始)本作を早速プレイしていきましょう。

尚、筆者はプレイにiPhone 5s(iOS 9.1)を使用しており、OSや端末による挙動や処理の差異が存在する可能性があります。また、このプレイレポートは2015年10月24日時点のゲーム内容をもとにしているため、アップデートなどにより変更・改善される場合があります。予めご了承ください。


◆『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』ってどんなゲーム?



■『FF4~6』世代を直撃するスマホ向け完全新作『FF』
スマホ向けの『FF』シリーズは数あれど、リメイク版の移植作だったり、普通のソーシャルゲームだったりと、いま一歩『FF4~6』世代の期待に応えてくれる作品がなかったように思えます。そんな中リリースされた本作は、『ブレイブフロンティア』を手掛けるエイリムとスクエニのコラボで生まれた、『FF4~6』の正統進化系『FF』。ちょっとクサい主人公たちの台詞、「クリスタル」を巡るストーリー、サイドビューの戦闘などは、まさにあの時代の『FF』のよう。しかし、書き下ろされた美しいドット絵、植松伸夫氏の音楽性を継承しつつ新しいモノとした上松範康氏による音楽、『ブレイブフロンティア』で培われた爽快感溢れるバトルなどなど、どこを切り取っても『FF』の完全新作なのです。

■スマホゲームっぽくない
良い意味でスマートフォンのゲームっぽくない雰囲気が目立ちます。もちろん、インターフェイスはスマートフォンで操作しやすいように最適化されているものの、例えば、街や洞窟をフリック操作(もしくはバーチャルパッド)で実際に歩き回って探索したり、ストーリー性がかなり強かったりと、家庭用ゲーム機向けのRPGっぽい要素が色濃いです(そのあたりに筆者は惹かれたのかもしれません)。もちろん、ガチャ的なものであったり、体力(スタミナ)性による行動制限があったりと、いかにもスマホゲーという要素も多々ありますが、それ以上に『IV』『V』『VI』あたりの時代の『FF』らしさが際立っています。

■王道ストーリー+「ビジョン」の何でもあり感
ストーリーは、熱血系の“レイン”、クール系の“ラスウェル”の男性2人を主軸に、ヒロイン“フィーナ”が存在し、クリスタルやそれを狙う敵の存在を追っていくというもの。とくかく王道で、わかりやすいです。世界観も、中世+魔法+スチームパンク少々という、あの頃の『FF』らしいものとなっています。

また、本作の世界には「ビジョン」という特別な力が存在し、それによって過去の『FF』シリーズキャラなどを召喚してパーティが組めます。「ビジョン」のキャラクターたちは“本人”ではなく、あくまで“具現化した力”なので、ストーリーに直接関わることはありませんが、その分、最大5人(ダンジョンなどでは+ゲスト1人)のパーティユニットを自由に組んで、自分好みのパーティで戦闘に臨めます。作品を越えたお気に入りのクロスオーバーパーティも自由自在!


◆オールドファンを満足させる最新作



■メロディーが頭に残る音楽
とにかく音楽が素晴らしいです。植松伸夫氏が作曲した音楽をアレンジしたものや、植松伸夫氏の作る1990年代の『FF』の音楽性を継承しつつも上松範康氏による解釈によって2015年の『FF』の音楽らしくなった楽曲の数々。メロディーラインが際立ちまくりで、耳にこれでもかと残り続けます。一刻も早く、サントラCDを発売してください(笑)。ちなみに、戦闘曲はこんな感じです。ヤバイっす。

●『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』 楽曲先行試聴(1)

YouTube 動画URL:https://youtu.be/9FKPVZI7Lfs

■動きまくるドット絵キャラ
これまでもいくつかの『FF』のゲームアプリで旧作のドット絵が登場してきましたが、本作のドット絵はすべて新規描き下ろし。もちろん歴代キャラも、当時のドット絵や天野喜孝氏のイメージイラストから新たに描き下ろされており、戦闘中はさまざまなアクションで動きまくりで、非常にカッコイイ仕上がりになっています。また、町などで起きるイベントではドット絵のキャラが細かな演技をしたり、頭上に「!」マークの吹き出しが出たりと懐かしの手法も。どこまでも『IV』『V』『VI』世代をニヤニヤさせる作りになっています。

■ドット絵に介入してくる美麗3D召喚魔法
戦闘中、敵にダメージを与えたり倒したりしていくと「幻獣召喚ゲージ」が溜まります。MAXまで溜まると、幻獣がセットされたユニット(キャラ)は、「召喚魔法」が使用可能に。発動すると、ドット絵の戦闘画面に割り込んでくるような形で幻獣の3Dムービーが流れるのですが、この割り込み方と、3Dグラフィックとドット絵との対比がとにかくインパクト大なのです。そもそも「召喚魔法」は、“スペシャルで豪華な演出で登場する派手なもの”というイメージだったので、ここで突然の3Dムービーは、むしろ当時の発展形の演出と言えます。

“イフリート”なら画面を燃やすように、“セイレーン”なら水面に落ちる羽の波紋の広がりから、切り替わりじゃなく文字通りムービーが割り込みつつ「介入」して来ます。この演出がとにかく斬新でカッコイイです。

■やってみると意外にシンプルなゲームシステム
近年のスマホやPCブラウザ系のゲームは、育成などのシステムに複雑なイメージを持ってしまいがち。筆者も本作に対して、そういうイメージを抱いていたのですが、プレイしてみると案外シンプルでした。「幻獣」の成長は『FFVI』の魔石と『FFX』のスフィア盤をわかりやすく混ぜたようなものでしたし、素材アイテムやら装備やらユニットやらを掛け合わせて成長させるのは、要するに余っているものを利用して強化するようなもの。プレイしてみれば、感覚的に理解できるぐらいです。

ゲームを進行すると徐々に解放されていくさまざまなシステムですが、解放される度に簡単なチュートリアルが表示されることにも好感。スマホゲーに慣れ親しんでいる人には説明不要かもしれませんが、オールド『FF』ファンもちゃんとついて来れるように配慮が行き届いています。


◆気になったところ



■回復手段の少なさ
戦闘中、HPを回復する手段は魔法かアイテム、あるいは一部の「リミットバースト」(必殺技)となるのですが、まず白魔法をしっかり使えるキャラクターが序盤の「召喚」(ガチャ)で出てくれないと、けっこう辛い状態が続きます。魔法がダメなら「ポーション」や「ハイポーション」でなんとかしたいところですが、かなり高価な上に「調合」で作るための「素材」も貴重なものを使用します。状態異常の回復についても同じような状況です。

「召喚」は運なので、いわゆる「重課金」で乗り切ることはできるかもしれません。もしくは、いわゆる「リセットマラソン(リセマラ)」で、良いキャラクターが出るまで何度も繰り返し最初からスタートすることでも乗り切れるかもしれません。しかし、どちらもこの状況における好ましい解決手段とは思えません。せめて「ポーション」をもう少し作りやすくするなど、運以外の方法で、工夫・状況打破する余地がほしいところです。

■サブクエストの達成報告が不便
メインストーリーとは別に、町の人の頼み事をこなす(サブ)クエストも頻繁に発生します。あくまでも寄り道なので無視しても問題ありませんが、貴重なアイテムをくれる場合があるので、できればこなしていきたいところ。

クエストを頼んでくる人は、マップ上に“吹き出しマーク”が表示されてわかりやすいのですが、頼まれたあと“吹き出しマーク”は消えてしまいます。受注中のクエストは一覧で確認でき、達成状況もそこで確認できるのですが、達成したあと、誰に頼まれて達成の報告をすれば良いのかわからなくなりがち(どの町で受注したかまでは確認可能)。町の中はかなり広く、ほかにもクエストを頼んでくる人もいるので、結局のところ、町の中を一から探索し直すような状況に・・・。せめて、達成報告し終わるまで“吹き出しマーク”を消さないでいてくれたりしたら、もう少しスムーズにこなせるのですが・・・。現状はやや不便です。

■クエスト(ダンジョン)クリア後にフレンド申請できない問題
クエストやダンジョン探索には、自分が組んだ5人のパーティに加えて、フレンドのキャラ1人、もしくは(おそらく)無作為選出された誰かのキャラ1人の6人パーティで挑むことになります。後者は「リミットバースト」や「幻獣召喚」が使えないといったデメリットもあるのですが、それでも強力なキャラに育てている人も多く、気に入ったキャラならばクエストクリア後に気軽にフレンド申請できます。フレンドになることは基本的にお互いメリットしかないので、どんどん増やしたいところ。

しかし、その際のフレンド申請、相手のフレンド枠がいっぱいでほぼ申請できません。筆者はフレンド枠いっぱいじゃない人に会ったことがないです(笑)。フレンドを作ることにデメリットがなく、特にお互いが干渉し合うこともないので気軽にフレンドを増やしたいのに、そこでフレンド申請できない生殺し感。フレンドを増やしたい人同士が上手くフレンドになれるように改善してほしいですね。

■強制終了で返ってこない体力
時間経過で回復する体力は、ダンジョンなどに入る際に消費されるため、プレイヤーの行動に大きく関係してきます。バトルでの全滅は「ラピス」(課金やストーリー進行などで入手できる「ポイント」のようなもの。召喚ガチャもラピスを消費)で復活させることもでき、「=課金アイテム≒貴重なもの」であるラピスをいかに消費せずに上手くゲーム進めるかというのは、ゲームの緊張感という意味では非常に大事な意味合いを持っています。行動に影響する数値である体力もラピスならば回復可能です。

しかし、筆者はプレイ中に、時間経過かラピスでしか回復できない体力を消費してダンジョンやバトルに入る際、アプリが強制終了してしまうバグに多々遭遇しました。しかも再起動すると、体力だけ消費されて、ダンジョンやバトルに入る前に戻ってしまっています。要するに貴重な体力を無駄に捨てた状態で、これはさすがに痛かったです。体力消費の少ない序盤ならまだしも、体力消費の多い場所なんかでこの強制終了バグが起きたりしようものなら、なかなかの絶望感。

10月24日13時頃に「iOS版でのアプリの強制終了に関して」というお知らせが掲載され、何らかの補填がなされるようですが、このバグそのものが早急になくなることを願っています。

■過去シリーズキャラの“スペシャル感”が薄い
個人的には、過去シリーズキャラは、召喚ガチャで普通に気軽に出るようなものではなくて、もっともっと特別な存在でも良かったのではないかと思っています。というのも、本作のオリジナルキャラクターたちが十分魅力的で、ステータスなども申し分ないにも関わらず、あまり目立っていないと感じるためです。逆に、過去シリーズのキャラがそれなりにホイホイと集まるので、いまいち“スペシャル感”が薄いです。

好みの問題も大いにあると思いますが、過去キャラに頼らずとも、本作はオリジナルの新作『ファイナルファンタジー』として十分勝負できる魅力があると思います。しかし、過去のシリーズキャラが気軽に出まくっているために、オリジナル作品としての魅力を欠いてしまっていることに加えて、過去キャラの“スペシャル感”があまり感じられないことが勿体ないのではないかと思いました。もちろん、召喚ガチャで好きな過去キャラが出れば、それはそれでやっぱり嬉しいんですけどね(笑)。バランスが難しいところです。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

◆総評


『FF4~6』世代は一見・一聴の価値があるドット絵と音楽!
荒削りな部分は今後のアップデートに期待!



『FF4~6』頃のシリーズが正統進化した完全新作という印象は、プレイ前もプレイ後も変わりませんでした。筆者が待っていた「新作FF」に現状でもっとも近い『FF』かもしれません。ビジュアル面、音楽面、世界観、ベタな王道ストーリー展開など、基本的には文句なし。課金アイテム「ラピス」は、ゲーム進行でもある程度入手できるため、課金なしでもかなり遊べます。もちろん、課金したくなる場面も多々あるのですが、そこは基本プレイ無料ゲームということで、仕方がないところ。逆に買い切りゲームにすれば面白くなるというゲーム性でもないので、「ラピス」がゲームに心地良い緊張感をもたらしてくれているのは、むしろプラス要素に感じられました。

ゲームのテンポがとにかく良く、特に戦闘の「チェイン」システムが爽快で、どんどん遊びたくなります。ストーリーは基本的に1本道で展開していきますが、寄り道ややりこみ要素もしっかり用意されています。ただし、ひと区切りひと区切りが大きめなので、隙間時間に遊ぶゲームというより、じっくり腰を据えて遊ぶゲームという印象。特に直接キャラを操作する町やダンジョンなどの探索パートは、家庭用ゲーム機と同等のことをやるようなものなので、相応の時間がかかります。そのため、自分の生活スタイルに合っているかどうかもゲームとの相性を決める判断材料になりそうです。

「レベルを上げてなんとかしろ」的にゲームバランスの取り方が大味だったり、イヤなバグがあったりと、荒削りな部分が多いのは正直残念ですが、スマートフォン向けのゲームゆえにアップデートで改善されていくことに期待したいところ。これらの気になる部分がしっかり改善されていくようであれば、手放しで大絶賛できるのですが・・・!

【こんな人にオススメ】
・『FF』シリーズは『IV』『V』『VI』あたりがベストだという人
・『ブレイブフロンティア』のプレイヤーで『FF』が好きな人
・王道ファンタジーRPGが好きな人

筆者的には、こんな『FF』の新作を待っていた!・・・という『FF』に今のところ一番近い『FF』。全体の出来が好みで、あらゆる水準が高めです。しかし、細かいバランスなどの部分で荒削りな感じが目立ってしまっているのがとにかく残念で仕方ありません。ただし、今回「気になったところ」で挙げたような点はアップデートで改善される余地がいくらでもある部分なので、あくまでも「記事執筆時点で気になったところ」として捉えてください。これからアップデートを重ねて、もっともっと良い作品になることに期待しつつ、プレイを続けたいと思います!!

【そそれぽ】第125回、いかがでしたでしょうか?ゲーム業界がゲームショウ以来ちょっとだけ静かな気がします。嵐の前の静けさというヤツでしょうか。何か大きなことが起きそうな予感もしつつです。次回もどうぞお楽しみに!


iOS/Android『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』は、好評配信中で基本プレイ無料のアイテム課金制です。



(C)2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by Alim Co., Ltd.


■筆者プロフィール
津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ

作・編曲家・ライター。物心がつく頃にはMSXで『グラディウス』をプレイしていた無類のゲーム好き。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでニュース原稿執筆・ライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略シミュレーションゲームから格闘ゲームまで、幅広いジャンルのゲームをプレイ。

Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity

トップページ/アイコンイラスト:ウミネコ

《津久井箇人 a.k.a. そそそ》

この記事の写真

/

特集

関連ニュース