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そんな本作ですが、2016年も勢いはとどまるところを知らず、大型アップデート「EPISODE4」に始まりテレビアニメ化、さらにPS4版の登場と、さまざまな形でファンに驚きを与えています。
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今回は『ファンタシースターオンライン2』の開発チームから、シリーズプロデューサー・酒井智史氏、EPISODE4チーフディレクター&PS4版ディレクター・中村圭介氏、同じくEPISODE4のディレクター・濱﨑大輝氏、『PSO2es』ディレクターの陳智政氏の4名にインタビューを行い、今年予定されている取り組みについて聞いてきました。
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左から陳智政氏、濱﨑大輝氏、中村圭介氏、酒井智史氏
――本日はよろしくお願いします。今回は、以前のインタビューでは深く聞くことなどできなかったアニメや、当時発表前だったPS4版などについても、いろいろ聞かせてもらえればと思います。
酒井氏:よろしくお願いします。
――とはいえ、既存のユーザーが気になるのはやはり大型アップデート「EPISODE4」だと思います。こちらは新クラスとして「サモナー」が追加されますが、一体どんな存在になるのか、あらためて教えてください。
濱﨑氏:サモナーは、1月から始まったアニメや、4月からサービスインするPS4版で興味を持っていただいた方でも『PSO2』をすぐに楽しめるよう、調整したクラスです。今までのクラスですと、素早いアクションを要求される機会もありましたが、サモナーに関しては、より簡単な操作で楽しめるようになっています。
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――具体的には、どんな特徴があるのですか?
濱﨑氏:プレイヤーさんが育てたペットとともに戦闘を行うのが最大の特徴で、ペットをどのようにマネージメントしていくかという、これまでとはまったく違ったベクトルの遊び方になっています。ペットは、「ペットエッグ」というアイテムを使用することで登録される仕組みになっています。また、ペットに余ったペットエッグを合成することで、レベルを上げることも可能です。
――イメージとしては、クエストを進めている最中でも、どんどんレベルを上げられるのですか?
濱﨑氏:はい。一度にエッグを合成できるのは5回までですが、時間が経過すれば再び合成できるようになります。なのでクエストを1周するころには、またエッグをあげられるようになっているはずです。クエスト前にエッグをあげて、クエストクリア後に手に入ったエッグをまたあげると効率がいいと思います。
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――ペットの育成はサモナーでしかできないのですか?
濱﨑氏:いえ、育成だけなら他のクラスのときでもできます。まずは慣れているクラスで育成しておいて、ある程度育ったところでサモナーに変更することも可能です。ただ、ペットを育成するためのアイテムの入手確率はサモナーのほうが高いので、まずはサモナーになって、育成用アイテムを収集するのもありだと思います。
――ペットと一言で言っても、いろいろな種類が用意されていますよね。
濱﨑氏:今回はワンダ、トリム、サリィの3体を用意していまして、ワンダは初心者用のペットで、サモナーを始めたばかりの人でも扱いやすくなっています。特にHPが高く、エネミーの攻撃を受けても戦闘不能になりにくいのが大きな魅力ですね。あとは攻撃範囲が比較的広いため、乱戦にも強いです。
次のトリムは耐久値が低いものの攻撃力が高く、上手く使いこなせばワンダよりも素早くエネミーを倒せます。ピーキーなバランスにはなっていますが、操作に慣れていればボス戦でも十分活躍できます。
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そしてサリィはプレイヤーや他のペットを支援する役割を担っています。例えばPPの回収効率が良かったり、他のペットのHPを回復してくれたりと、便利な能力を持っています。ワンダとトリムのつなぎとして使用すると、効果的に戦えます。
中村氏:『PSO2』に対して、アクションが難しそうでプレイできないと思われている方も多いのが実情です。しかしサモナーの場合、他のクラスほどシビアなアクションが要求されないことや、ペットがプレイヤーをエネミーの攻撃から守ってくれるため、ユーザーさんはそのサポートに徹することができます。そのため『PSO2』初心者や、アクションが苦手な方でも遊びやすいクラスと言えます。
――次に、新たに追加されるストーリーについても聞きたいのですが、今回からすべてのプレイヤーが「EPISODE4」からスタートすることになるんですよね。
中村氏:『PSO2』のストーリーは「EPISODE3」までで一区切りがついたので、全員が同じスタートラインに立てるようにしました。これもやはり、新しいユーザーさんがこれから増えることを想定しての施策です。新しく始めた方と、昔からプレイ頂いている方が、同じ話題を共有できるようにしたかったんです。と言っても、「EPISODE4」を少しプレイすれば「EPISODE1~3」に戻ってプレイできますし、そもそもストーリー以外のクエストなどは、どのエピソードを進めている方でも一緒にプレイできます。
――そして舞台になるのは「地球」ということですが、なぜ『PSO2』で地球を舞台に選んだのでしょうか?
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酒井氏:実は『PSO2』を企画していた時点で、地球を舞台にする案はあったのです。ただ、前作からの流れもありますし、いきなり地球を出すと違和感が生まれるのも事実です。しかし、「EPISODE3」でこれまでのストーリーが一段落したのと同時に、ユーザーさんの間に「『PSO2』ってこういうゲームだよね」という固定概念ができつつある時期に差し掛かっていると感じましたので、今回満を持して、地球を導入することに決めました。みなさんの固定概念をぶち壊すための実装と言ってもいいでしょう。だから、良くある崩壊した地球などではなく、あえて私たちの日常を反映した地球を再現しています。
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中村氏:第一フィールドとなるのは東京で、見慣れた日常で非日常のバトルを繰り広げる違和感を楽しんでもらう狙いがあります。今までは架空の場所で架空の敵と戦ってきましたが、今回は現実的な場所で、現実的な敵と戦う状況です。エネミーに関しては、地球人が恐怖に感じる対象として想像したものを、何者かが具現化して襲わせている設定で、さまざまな想像が混じって現実のものより恐ろしい姿で恐ろしい攻撃をしてくることもあります。
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また、「EPISODE4」全体のコンセプトである「新体験」を感じられるように、単なるマップの追加にとどまらず、街中をスピーディーに駆け抜ける「ダッシュパネル」なども実装しています。戦闘以外でのアクションも楽しんでもらえればと思います。
――新ストーリーに合わせて新たなキャラクターも登場すると思いますが、こちらも現実の地球と同じような人物像になるのですか?
中村氏:そうですね。新キャラクターに関しても地球人として違和感のない姿、性格になっていて、ヒツギやコオリも、一見ごく普通の高校生です。現実の世界が舞台ということもあり、敵が一体何者なのか、最初は分からないと思います。そのあたりは実際にストーリーが進めば、明らかになっていきます。
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――キャラクタークリエイトについても改善が見られるそうですが、特に注目のポイントとなるとどこですか?
中村氏:今までずっとプレイしてきた方からすると、編集できなかった箇所ができるようになったのは大きいと思います。たとえば、以前は顔を小さめにすると首が相対的に長くなってしまい、ユーザーさんの中には、長くなった首を隠すためにマフラーを巻かれる方もいて、不便な思いをさせてしまっていました。今回の調整では、頭や首まわりのサイズが調整可能になりましたので、ぜひ利用してもらいたいです。同じく要望の多かったウエスト、ヒップも調整できるように改善しています。
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――アクセサリーやコスチュームの面で変更はありますか。
中村氏:まずアクセサリーは、角度や大きさを変更できるようになるので、これまでとは違ったカスタマイズが可能になりますね。そしてコスチュームでは、「レイヤリングウェア」というシステムを新たに追加します。これはインナーウェア、ベースウェア、アウターウェアの3種類を重ね着して、自分だけのコーディネートができるようになるものです。
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――では、今後現代の地球をイメージしたコスチュームが配信される予定はあるのですか?
中村氏:「EPISODE4」の初回配信の時点でもいくつか用意しています。「レイヤリングウェア」として、より現代風の重ね着ができるコスチュームを配信する予定です。
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――また、大型アップデートとなるとユーザーからの要望を元にした細かい調整、改善点も気になるところです。
中村氏:今回、多数のエステ改善を行いますが、そのほとんどはユーザーさんの声がもととなっています。ほかには、キャラクターの無料作成可能数の増加や、最大作成数の拡張、あと倉庫が不足しているという声を多くいただいていたので、キャラ倉庫を新たに追加し、キャラクター単位で、無料で300個までアイテムを収納できるようになります。
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また、これまではストーリーを進める際、マターボードを利用する必要がありましたが、これが分かりづらいとの意見もありました。そこで「EPISODE4」ではストーリーボードというシンプルで新しいストーリー進行の仕組みを作り、パッと見ただけで使い方がわかるようなものに改善しています。
――『PSO2es』についても聞かせてください。こちらは昨年12月にストーリーの新章がスタートしましたが、どんな狙いがあったのですか?
陳氏:『PSO2es』は昨年の12月での運営が1年8ヶ月となり、ここで、今まで『PSO2』と合わせて楽しんでいた方にも、スマートフォン版ならではの新しい広がりを感じてもらいたいということで、新章を追加しました。このあたりは、「EPISODE4」とともにより多くのユーザーに新体験をしてもらいたいという狙いもあります。
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――ユーザー層としては、『PSO2es』のみをプレイしている方が多いのでしょうか?
陳氏:いえ、現状は『PSO2』と連動して、両方をプレイしている方が多いですね。ただ、アニメなどの展開をきっかけに、『PSO2es』に興味を持っていただく機会も今後は多くなってくるのではと期待しています。また、ストーリーをはじめ『PSO2es』でしか楽しめないコンテンツも増えてきているので、PCやPS Vita、PS4版から流入してくるユーザーさんもいると思います。
――追加されたストーリーでは、本編を意識している部分はありますか?
陳氏:ストーリーを追加する際に酒井から言われたことでもあるのですが、『PSO2』の世界観の上で新しい物語を広げていく」ということについてはかなり意識をしています。そのため新しいストーリーに関しても、これまでに出てきた惑星や世界観などをしっかりとユーザーのみなさんに伝え、『PSO2』シリーズらしさを感じてもらいながらも新しい物語を描いていくつもりです。
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――昨年は新キャラクターも追加していましたが、こちらの反響はいかがですか?
陳氏:ヒロインのジェネという女の子は特に人気で、TwitterなどのSNSでイラストが投稿されています。自分も定期的にチェックして、楽しませてもらっています(笑)。
――システム面では、最近だとクイック探索を実装しましたよね。
陳氏:実装にあたりチーム内でもかなり意見を重ね合いました。最終的には、ユーザーさんの中で時間をなかなか取れない社会人の方も増えてきており、そういった方が、やりこみ系のコンテンツをプレイできずにやめてしまう状況に対しての緩和施策の一環として実装に踏み切りました。
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酒井氏:ポリシーを変えたのでは? と言う意見もいただいていますが、あくまで、主流はレアアイテムを自分で集めると言う部分です。これまではどれほどまわっても出ない、と言うのが許されていましたが、今のユーザーの皆さんはそこまで待ってくれない方が多くなってきています。『PSO2』本編の「輝石」システムも同様ですが、レアをとことん掘りたい、と言う昔ながらのモチベーションを持つ方より、労力に対する結果を求める方が多くなっている現状に対し、より多くの方に『PSO2』の世界を楽しんでいただくための緩和策の一つとしてご理解いただければと思います。
――あとは個人的に、ウェポノイドにボイスを追加したことにも注目しています。
陳氏:実は、昨年の夏にウェポノイドを実装したときから「いつかはボイスも入れたい」と考えていました。これはウェポノイドシリーズを出していくことを決めた部分にも繋がっているのですが、オンラインゲームの宿命として、新しい武器が実装されると、以前の武器はどんどん過去のものになってしまいます。でも、PSOシリーズでは目的のレアな武器を手に入れるため、また手に入れた後にも沢山の思い出がユーザーさん毎にあり、そういった昔の武器との思い出の部分もとても大切だと自分は思っています。そういった部分をうまく『PSO2es』側からアプローチできないかと考えた結果、ウェポノイドチップの配信と、それに続く形で今回のボイス追加や演出強化に繋がった次第です。
ボイスを追加実装したことにより、イラストのみだったウェポノイドが、キャラクターとしてもより認知されるようになり、ユーザーさんからも、「このウェポノイドはこんな性格だったのか」と、驚いてもらえる機会が多く、また楽しみにして頂けている手応えを感じています。今後もウェポノイドは順次追加していくのと合わせて、ボイスと共にキャラクター性とセットでお届けしていければと考えています。
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――今後の展開についてもお話いただきたいのですが、『PSO2』の「EPISODE4」と連動する考えはあるのですか?
陳氏:1月末の段階で、サモナーが使うペットの育成ができるようになります。『PSO2es』でしか手に入らないチップについても育成アイテムとして使えますので、ぜひ利用してもらいたいですね。また、レイヤリングウェアについても、見た目をスマートフォンでもチェックできるようになります。そのほかにも、『PSO2』と『PSO2es』でアイテムを出し入れできる倉庫を実装する予定ですのでご期待ください。
また、おかげさまで『PSO2es』をプレイしてくださるお客様は大きく増えましたが、通信障害などのトラブルも年末年始にたびたび発生してしまいました。この場を借りて、改めてお詫びしたいと思います。年末に機器を増強したのですが、緊急クエストでの瞬間的なアクセス集中が、機器の増強での想定を超えてしまっているというのが現状です。
現在サーバプログラムの改修を進めており、機器の増強もさらに進めていく予定です。少し対応にお時間をいただくかもしれませんが、安定した状態で遊んでいただけるよう、改善を進めていきたいと思います。
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