【特集】最新作『マリシアス フォールン』配信前にシリーズ作品を振り返り! 全編ボスバトルな3Dアクションの道程と進歩を総チェック

登場人物たちがプレイヤーの行動によって敵味方に分かれる『サーカディア』など、個性溢れる様々なタイトルを世に送り出してきたアルヴィオン。その代表作のひとつに、3Dアクション『マリシアス』シリーズがあります。

ソニー PS4
【特集】最新作『マリシアス フォールン』配信前にシリーズ作品を振り返り! 全編ボスバトルな3Dアクションの道程と進歩を総チェック
【特集】最新作『マリシアス フォールン』配信前にシリーズ作品を振り返り! 全編ボスバトルな3Dアクションの道程と進歩を総チェック 全 20 枚 拡大写真

登場人物たちがプレイヤーの行動によって敵味方に分かれる『サーカディア』など、個性溢れる様々なタイトルを世に送り出してきたアルヴィオン。その代表作のひとつに、3Dアクション『マリシアス』シリーズがあります。

昨年末、最新作でありシリーズの集大成とも言える『MALICIOUS FALLEN(マリシアス フォールン)』のリリースが発表され、大きな話題となりました。シリーズファンならば見逃せない新章「終焉編」が収録されているほか、過去作のステージも完全収録。気になっていたもののまだプレイしたことがないユーザーにとっても嬉しい1本が、2月10日に配信を迎えます。

そこで今回は、『マリシアス』シリーズがどのような特徴を持つゲームなのか。そして如何なる進化を遂げてきたのかなどを、過去作の振り返りを通して紹介させていただきます。既にご存じの方は復習を兼ねて、また初めてシリーズに触れる方は『マリシアス フォールン』の予習としてチェックしてみてください。

◆シリーズの幕開けを飾ったPS3『マリシアス』



本作は、アルヴィオンによるプレイステーションフォーマットでの初パブリッシャータイトルとして、2010年にダウンロード専用ソフトという形で登場。現在と比べると当時のDL専売タイトルは少なめで、そのリリース形態も意欲的なチャレンジ方針のひとつでした。


また意欲的な姿勢はゲームデザインにも現れており、全編ボスバトルのアクションゲームという大胆な構成を提案。この形にすることで、アクションゲーム本来の楽しさを凝縮させると共に、より多くのユーザーが遊びやすいように短時間でも楽しめるゲーム性を実現しました。短くも楽しい時間を提供する、というスタイルは昨今のゲームでも軽視できない方向性のひとつであり、PS3版は時代を先駆けていたとも言えるでしょう。

もちろん、全編ボスバトルと言えども、ステージ構成がシンプルということはありません。地面のみならず壁面や天井も自由に移動することができ、3Dの特徴を最大限に生かした立体的な攻防が展開します。


本作では、災厄「マリシアス」を討伐するため預言者によって呼び出されたプレイヤーが、人型の「魂の器」を操作して巨大なボスたちと対峙。その脅威の全てを、独特なマントアクションで乗り越えていくこととなります。初期から使える「魔弾」に始まり、「拳」や「槍」、「剣」などの攻撃や、「翼」や「盾」といった移動・防御アクションなどを獲得。ゲーム進行に伴って多様性を増す戦術も、本作の醍醐味です。


この新たなマントアクションは、待ち受けるボスたちを撃破し、その能力を吸収する形で使えるように。しかも、ボスを倒す順番は決まっておらず、プレイヤーが自由に選択できます。ステージをクリアするごとに、残っているボス達が手強くなっていくので、得意なアクションを早めに取得したり、苦手なボスから倒していくなど、挑み方も多種多彩。自分だけのルートを見つける楽しみも、『マリシアス』らしさのひとつです。


ちなみに、部位は再生されても服はもとに戻りません。

見る者を魅力するグラフィック表現は、独特な世界観を美しく描画しているのは言うまでもなく、画面のデザインまでこだわり抜かれています。その顕著な例として、体力表示がゲージなどではなく、体の各部位が消えていく形で表現している点が挙げられます。「魂の器」の視覚的な状態でダメージの大きさを現すという手法は、UIの洗練化のみならず、没入感を更に深くする一助にも。


ちなみに受けたダメージは、「オーラ」で回復することができます。またオーラは、攻撃力や防御力の強化にも使用し、最大3段階まで上げることが可能です。段階が上がると消費速度も上がるので、無闇に上げればいいわけでもなく、使いどころを見極めたり、自分好みの戦術にどのような形で組み込むかが攻略の鍵に。なお「オーラ」は、雑魚敵を倒したり、敵の攻撃をタイミングよくガードすることで貯まるので、テクニックが上達するほど「オーラ」もより多用しやすくなります。

全編ボスバトルで濃密な緊張感が楽しめる構成、任意のステージ選択で広がる戦略性、壁や天井もフィールドとして活用できる自由度、多彩なマントアクションを駆使する楽しさ、こだわりと洗練さが融合したビジュアル表現。ざっと振り返っただけでも、PS3版『マリシアス』は多彩な特徴を持って登場した一作でした。6年以上前のタイトルなので、現在の最新グラフィック表現と比較すると見劣りする面もありますが、核となるゲーム性は魅力に満ちており、その特徴の数々はPS Vitaソフト『マリシアス リバース』へと引き継がれます。

◆前作の魅力とボリュームを引き継いだ、PS Vita『マリシアス リバース』



2012年に登場した『マリシアス リバース』は、プラットフォームを変えてPS Vitaに登場。PS Vitaが発売されたのは2011年12月17日なので、当時の新ハードをいち早く彩るタイトルとなりました。こちらでもダウンロード専用タイトルとしてリリースされており、手軽に手に入るアクセスの良さも相変わらずです。

『マリシアス リバース』が受け継いだのは前作の魅力だけではなく、PS3版で描かれた全6ステージからなる「討伐編」も収録。歯応えのある3Dアクションというゲーム性だけでなく、PS3版のボスたちとの激戦をPS Vitaで改めて味わうことができました。


もちろん新要素も用意されており、「討伐編」の後日談にあたる新章「再誕編」を追加。災厄を退けたものの、争いを繰り広げる4人の王の戦火によって再び負の感情が満ち、災厄が再誕を迎えようとしている世界に「討伐者」が再び呼び出されます。



そして、「鋼の王」「獣の王」「雙の王」「躯の王」といった4人の王が、新たなボスとして登場。戦士達を祀る慰霊広場や蛮族が支配する辺境など、様々なロケーションで新たな戦いへと挑むことに。シリーズの特徴とも言える、手描きイラストのような雰囲気を持つ柔らかく幻想的なビジュアル表現は、PS Vita版でも健在です。



更に、4体のボスの登場に合わせてアクションも追加。無数の鋭い魔弾を連射する「魔針」、槍を鞭と化して投げつけて縦横無尽な戦いを繰り広げる「鞭」、剣を鎚に変じ敵を圧殺する「鎚」、高速コンボで素早く攻撃を叩き込む「爪」と、いずれも特徴的なものばかりです。



また、刺激的な要素は「魂の器」のビジュアルにも変化を及ぼし、『マリシアス リバース』ではコスチュームチェンジが可能となりました。プレイヤーキャラクターの見た目が変わるので、好みの見た目にすればプレイ意欲がいっそう上がることでしょう。また見た目だけでなく、プレイヤーキャラクターの性能も変化させるので、ボスに合わせて衣装をチョイスするという戦略も生まれ、ステージ攻略に更なる幅が生まれました。

◆シリーズ完結編にして集大成の、PS4『マリシアス フォールン』



『マリシアス リバース』がリリースされてから4年以上の月日が経った昨年12月に、シリーズファン待望の最新作『マリシアス フォールン』が発表されました。本作でも、シリーズを通して描かれた魅力や姿勢は変わっておらず、『マリシアス』『マリシアス リバース』のステージを完全収録し、更なる新要素が多数追加されます。


完結編となる新章や、怒涛のボスラッシュに立ち向かう超高難易度の新モード「フォールモード」の搭載。また、新ボスの登場によりマントアクションも新たに追加。プラットフォームがPS4になったことで、グラフィックも更に美しい仕上がりになっています。


形状が様々に変化するマント「灰の外套」を駆使し、特別な操作なしに壁や天井を自由に移動。最大6段まで可能となるジャンプアクションや飛行アクションを駆使し、ハイスピードな爽快アクションが楽しめる『マリシアス フォールン』は、シリーズの集大成であると共に、シリーズ未体験の方が触れるにも最適な1本です。


ディレクター曰く「これまで我慢していたものをふんだんに盛り込んだ」という『マリシアス フォールン』は、2017年2月10日より配信開始。今回もDL専用となっているので、この体験を見逃したくない方はPlayStation Storeにアクセスしてみましょう。なお価格は、3,600円(税込)です。

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YouTube 動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=XpWaza_UhEU

(C)2010 ALVION Inc.
(C)2012 ALVION Inc.
(C)2017 ALVION Inc.

《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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