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続いては、場所を足湯に移し、お二人に独占インタビューを実施……する予定でしたが、足湯は展望エリアに設置されていたため、悪天候が直撃。雪まじりの雨がちらつく中、足湯を敢行するものの、このまま取材をしては色んな意味で一大事になると判断。写真だけ納めた後、インタビューは室内で行わせていただきました。
なお、悪天候の中でもお二人は楽しそうな表情を浮かべ(清原氏は狐面ですが)、寒さに負けない笑顔とポーズで、足湯の心地よさを伝えてくれました。その模様は、画像で直接お確かめください。
──それでは、引き続きよろしくお願いします。さきほど長いつき合いと伺いましたが、知り合った最初のきっかけを教えてください。
岸田:キヨさんが自分のホームページをやられていて、ウチにリンクを貼ってくれてたんですよ。そこでキヨさんのことを知りまして。当時のホームページの名前って、なんだったっけ?
清原:「サンフラワー」だったかな? 今は「シュガーレス」でやってます。
岸田:すごく女性的なタッチなのが印象的でした。女性なのか男性なのか、どっちなのか分からなくて。むしろ女の子だったいいのに、って思ってました(笑)。
清原:当時、僕も(岸田さんに)同じことを感じてました(笑)。彼のホームページで「20歳になりました。成人式しました。坊主にしました」って書いてあった時、そんなバカなと衝撃を受けたんですが、「きっと“オシャレボウズ”なんだ」と思い込もうとしたこともありまして(笑)。
岸田:ファッションに違いない、って?(笑)
清原:実際に会ったら男の人だったので、「男か……」と舌打ちしたんですけども(笑)。
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──それは何年前くらいのお話ですか?
岸田:12年とか、それくらい前の話ですね。
清原:当時の自分に言っても絶対信じないでしょうね。メルさんが後々、剣を持って輝くんだぞ、って(笑)。ちなみに、仮面被って剣を持ってバズった時、事前に相談を受けてたんですよね。IRCで。
岸田:仲のいいメンツが集まるチャットルームでね。
清原:「こういうことしようと思うんだけど、どう思う?」って。あと、「どの仮面がいいかな?」とか。
岸田:うんうん、やったわ、それ(笑)。
清原:「これだとちょっと派手過ぎない?」「ちょっと高いけど、これの方がいいよね」「これ大きすぎない?」「でもこっちはデザインが……」みたいな。何人かの友達とディスカッションして、ある意味プロデュースしたものだったんですよ(笑)。
岸田:買ったんだけど、実際に付けてみたら意外とショボかったりしたんだよね。
清原:あ、言ってたよね。
岸田:それで却下したりとかね。
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──こだわり抜いた末での到達点だったんですね。
岸田:パッと見のインパクトがあった方がいいかなと(笑)。
──今回の企画にも通ずるところがありますね(笑)。ちなみに、さきほどの対談の際に、清原さんから「うらやましい」との発言がありましたが、その辺りのことをもう少し詳しく教えていただけますか?
岸田:(清原さんは)自分以外の全員が羨ましいもんね、嫉妬の塊(笑)
清原:すごく語弊がある言い方(笑)。……えっと、僕はネガティブなんですよ。メルさんとは付き合いが長いので、彼が人気者になっていくところを間近で見ていたわけです。仕事面でも、アニメやゲームのキャラクターデザインを手がけるなど、華のある仕事をして実績がどんどん積み重なっていく。それを目の前で見ながら、歯ぎしりはしてました(笑)。
──歯ぎしりを(笑)。
清原:その時僕は、漫画家としてデビューして、ずっと漫画を描いていました。イラストをやり始めたのは、5年くらい前のことですね。そして近年はイラストメインでやってましたが、一番身近にいたイラストレーターが彼だったので、細かく相談に乗ってもらったこともありました。
その時に、イラストレーターは内向的な方が多くて、自分からイベントに出たりする人がいないから、「じゃあ俺が」という気持ちで前に出ているという話を聞いて……さすがに剣を持ったり金粉を塗りたくる勇気はないんですが(笑)、「なるほど」と思うところがあったので、海外のイベントや専門学校の講師などに呼ばれた時は極力出るようにしています。彼の影響が強いところですね。
岸田:ふたりでステージに立って歌ったこともあったしね(笑)。
清原:そんなこともあったね(笑)。
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──身近にいる相手だからこそ、影響が強かったり、栄光もより輝かしく見えたわけですね。
岸田:キヨさんはよく「羨ましい羨ましい」と言うんですが、漫画家としてのキャリアも順調に積んでいて、イラストレーターとしての実績も評価されているので、何を羨ましがる必要があるのかよく分からないんですけどね(笑)。まあでも、それがキヨさんのモチベーションやエネルギーに繋がってますしね。人への妬み嫉みで(笑)。
清原:そうそう、嫉妬でね(笑)。
岸田:でも本当に、僕なんかと違って真面目で、締め切りとかも守る人で(笑)。そういった意味でも尊敬してます。本当に、宿題やってないと言いながらやってるタイプなんですよ。お互い「やってないよー」と言いながら、提出出来ないのは僕だけっていうね(笑)。
清原:何度か危ないことはあったし、今も危ないんですけど(笑)、最終的になんとか間に合うようなラインは必死で守ってます。
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──よろしければ、続いて岸田さんのモチベーションもお聞かせください。
岸田:あれこれ言いましたけども、根っこのところは近いんですよ。当時、学生生活とかにうまくコミットできなかったので(笑)。そういった気持ちを、表現で昇華するといった面がありますね。
ゲームのキャラクターデザインなどは、自分の憧れでもあるし楽しかったんですが……実際にやってしまうと、ひとつ目標が達成されてしまったような感じになって、しばらくモチベーションが湧きづらかったこともあるんです。
──そんな時期があったんですね。どのような形で抜け出せたんですか?
岸田:人間って、慣れるじゃないですか。幸せだったことも、時間が経つと幸せと感じられなくなったりして。だからこそ、逆に「いけるな」と。結局、不満って生まれてくるんだな、って実感しました(笑)。
日々の不満やうまく行かない気持ちはどうしてもあるので、綺麗なものを描くことで自分自身も癒やされたいんだと思います。それが一番のモチベーションかもしれません。
あとは、最近すごくアイドルが好きなんですが、ステージ上で輝いてる姿を見てると、「誰かに憧れられるものを作りたい」という気持ちも強く湧いてきて、それもモチベーションのひとつになってますね。
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──ちなみに今回の温泉対談に関してですが、『BLUE REFLECTION』ではお風呂場のシーンもありますよね。そういったシーンがあったことも、関係しているんですか?
岸田:それは……残念ながら、まったく関係ないですね(笑)。
──無意識だったと(笑)。
岸田:そうですね(笑)。
──あとこれは「もしも話」なんですか、もし仮におふたりでゲームを作るとしたら、どんなものにしてみたいですか?
岸田:趣味を爆発させたいよね。人の目とか関係ないような(笑)。
清原:そうだよね(笑)。
岸田:キヨさん、暗いのがいい?
清原:暗いの好きだね。
岸田:じゃあ、暗いの作ろうか(笑)。
清原:メルさんは、暗いのってどうなの?
岸田:暗いのも好きだし、明るいのも好き。暗いなら極端に暗い方がいい。CEROだと通らないくらいの(笑)。
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──ぜひ見てみたいので、もしもの実現を期待しています(笑)。それでは最後となりますが、今後の活動に関して、目指す方向性や指針などがありましたら教えてください。
岸田:今回『BLUE REFLECTION』では、監修というちょっと特殊な立場で関わらせていただきました。ゲーム開発でもチームの一員として参加させていただいて、「こういう形じゃないと作れないものを作れた」と感じましたし、やり甲斐もありました。なのでこれっきりではなく、近いことをこれからもやれたら素晴らしいなと思いますし、それでしか作れないものをやりたいです。またイラストレーターとして、これからも新しいことにチャレンジしていきたいなと思っています。
清原:僕は、今は漫画の方で手一杯なんですが、一時期は漫画から離れてイラストをずっとやっていました。なので、イラスト1本でやっていた時に得たものを、今漫画の方に活かしていきたいなと考えているところがあります。
そして今回、『蒼き革命のヴァルキュリア』のキャラクターデザインを通して得たものもすごく大きかったので、ジャンルごとに学べるもの、拾えるものは色々あるんだなと改めて実感しました。ただ絵を描いているだけでは正直つまらないので、イラストや漫画に限らず、他業種の方とのコラボとか、携われる機会があれば新しい仕事を積極的に引き受けていきたいなと思っています。
──では、今後またゲームの話などが来たら、清原さんのデザインで遊べるんですね。
清原:そういう話があれば、是非やりたいですね。
──おふたりの更なる活躍、楽しみにしています。本日はありがとうございました!
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コラボレーションイラストの発表は後日改めて行われますが、今回の対談インタビューを祝し、記念イラストを描き下ろし。岸田氏は狐面に隠されていた素顔(!?)を、そして清原氏は温泉対談だからこそ明らかとなった事実(!!)を描かれました。どうぞ、ご覧ください。
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illustration:岸田メル
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illustration:清原紘
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