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会見には、主演の千葉雄大さん、馬場ふみかさん、監督の野口照夫さんが登壇しました。千葉さんはとてもスケールの大きい作品で驚いたこと、馬場さんはドラマとゲームのパートがどちらもテレビで見られる新鮮さがあると伝えました。監督は、「『FFXIV』は非常に熱量のある作品で、マイディーさんが綴ったブログも熱さがある内容でした。この熱量を損なわずに視聴者の方にお届けしたいと思っています」と述べました。
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実写映像とゲーム画面をミックスした表現について、千葉さんは「初めての経験でしたが、ゲームパートの監督もいらして、ゲームのキャラクターからもお父さんの温度を感じることができたので、僕もしっかりと演技ができました」とコメント。馬場さんも「アットホームで楽しい現場だったので、心地よかったです」と伝えました。2人について監督は、「千葉さんは真面目でお仕事がしやすい方でしたし、馬場さんは堂々とされていて自然体な芝居をされる方という印象でした」と述べました。
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続いて、光のお父さん役の大杉漣さんからビデオメッセージが放映されました。大杉さんは、「僕はあまりゲームに詳しくはなかったのですが、ゲーム内だけでなくそれを超えた心と心のつながり合いも感じられました。お父さん再生計画みたいな感じですが、家族が大きく再生していくような感覚もあり、良い家族になれたと思います。真摯に向き合って戦って作り、心に届くドラマになっています」とコメントしました。
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ゲームパートについては、演出を担当した山本清史監督が説明をしました。史上初のゲーム画面を使ったドラマである本作は、ゲームパートをCGで再現するのではなく、現在稼働しているゲームのサーバー内でプレイヤー本人が監督の指示に従って演技をして撮影をしました。変化する天候や時間を待ち、ロケハンをするなど綿密な打ち合わせをして行われたとのこと。撮影方法は、グループポーズという機能やキャラクターの主観視点を利用するなど、ゲームに実装されている機能をフル活用したそうです。エモートやリップシンクを利用してキャラクターのセリフと口の動きを合わせるといった細かなこだわりも見られました。
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次に、ゲーム内で千葉さんが操作するキャラクター「マイディー」の声を担当した声優の南條愛乃さんと『FFXIV』の吉田直樹プロデューサー登場しました。マイディーの声の印象について、千葉さんは「可愛らしさの中に凛とした声があって素敵でした」とコメント。演じるにあたり南條さんは、「マイディーさんは自分が男性であることを隠さずにプレイされているので、一人称が僕だったりします。そこで、変に女性っぽく演じるより、男性の気持ちのままで、男性にも女性にも聴こえるような声を目指しました」と伝えました。なお、本作には南條さん以外にも、悠木碧さん、寿美菜子さんら豪華声優陣も起用されています。吉田氏は、「自分が関わっている作品がドラマ化されるのはとてもうれしいことです。オンラインゲームは日本ではまだまだメジャーではないので、このドラマを見て、オンラインゲームをはじめるキッカケや可能性が広がっていけばいいなと思います」と述べました。
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主題歌はGLAYの「the other end of the globe」で、ボーカルのTERUさんからのコメントとして「お話をいだたき、光のお父さんで表現されている父と息子の関係性に非常に共感しました。この曲は地球の裏側に想いを馳せ、焦らずゆっくりと人生を歩んでいく楽曲になっており、FFシリーズの持つスケール感をGLAYサウンドで再現すべく、いままでにない音に仕上がったと思います」と伝えました。エンディング曲はガールズバンドSILENT SIRENの新曲「AKANE」で、「ひとつの曲として少しでも多くの人に響いてほしいと思い作曲しました」とコメントしました。
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最後に、千葉さんから「『FFXIV』をプレイしたことある方もない方も楽しめるドラマです。現場もアットホームだったので、そうした雰囲気も伝わればうれしいです」、野口監督は「挑戦的な内容ですが、家族の愛情や青年の成長など普遍的なテーマを描いたドラマです。是非ご覧いただければと思います」と述べ、第一部が終了となりました。
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エオルゼア会見と題された第二部では、『FFXIV』の舞台であるエオルゼアを使った世界初のゲーム内記者会見が行われました。登壇者は、原作者のマイディーさん、山本監督、脚本の吹原幸太氏、吉田プロデューサーに加え、ドラマに出演している現役プレイヤーの方々も参加し、質疑応答が行われました。
──ゲームパートの撮影はどれぐらい期間がかかりましたか?
山本監督:約2ヶ月ぐらいかかりました。ドラマパートで使用するゲーム画面もあるため、ゲーム画面の撮影待ちをすることもありました。
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──ご自身が書かれたブログがドラマになった気持ちを教えてください。
マイディーさん:ブロガーとして、オンラインゲーマーとして、このような冒険ができたのはとてもうれしいです。仲間と一緒に歩いてこられたのもうれしいです。
──ドラマ化を経て、ゲーム内で新たに実装したいことはありますか?
吉田氏:ドラマでは、エオルゼアにすでにある機能をフル活用して、開発者ですら想像つかないような方法で撮影がされました。そのため、新たに特定の機能を追加するというよりは、ドラマのような出来事がたくさん起きているエオルゼアという世界を、より楽しいテーマパークとして維持拡大していきたいと思いました。
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山本監督:オンラインゲームの可能性にチャレンジするのが大事であり、本作の価値と考えていました。エオルゼアには色々な人がいてそれぞれの生活があるので、リアルな撮影と一緒でなければいけないというこだわりもありました。印象に残っているのは、ツインタリアという敵を倒すのが本当に死ぬほど大変だったことですね(笑)
──企画が持ち込まれたときの印象と、やろうとおもった決め手はなんですか?
吉田氏:「光のお父さん」については、第一話からリアルタイムでブログを拝見していたので、読者として楽しみにしていました。ドラマ化の話がきたときはとてもハードルが高いと感じましたが、純粋におもしろい映像作品を作りたいという熱意を感じたのでやろうと思いました。
吹原氏:僕は短期間で脚本を書くことになったため、悩む時間もなく、みんなで力を合わせて仕上げていきましたね(笑)
吉田氏:このドラマは関わっている方がみんなしっかりゲームをプレイされていて、オンラインゲームの感覚をわかって作られているのも前代未聞だと思います。
──出来上がったドラマの映像を見られた感想はどうでしたか?
山本監督:自分で作りましたが、実写パートとゲームパートのシームレスな連携に一体感があり、まさか自の作品で涙する日がくるとは思いませんでした。
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吹原氏:「タイタンの攻撃をギリギリでかわして……」というような書いたことないト書きもありましたが、それがしっかりとゲーム画面として再現されていたのは感動しました。
吉田氏:僕も作り手なのですが、自分のゲームがこういうことができるんだと衝撃的な仕上がりとなりました。ドラマ性や脚本だけでなく、難易度の高いことをやっていることも注目してほしいですね。
マイディーさん:自分の芝居のアラばっかり見えて反省の連続でした。まだまだ練習していけば上達できると思います。見ているときより撮影しているときのほうが楽しかったです。これからも精進していきます。
──撮影で大変だったことはなんですか?
山本監督:演出はチャットで行いますが、お会いしたことがない方たちに文字で伝えるので、とにかく時間がかかりました。撮影は21時から23時に行われることが多かったのですが、ゲーム内の1日が40分ぐらいで終わってしまうので、夜のシーンは20分程度しかありません。そこで朝リハーサルしていざ夜になると雨だった……次も雨、次も雨みたいなこともありました。あとは、撮影しないといけない場所に別のプレイヤーがいてどいてくれないということも(笑)
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──最後にメッセージをお願いします。
山本監督:新しいテイストを持った画期的なドラマとなっているので、熱量がテレビ画面を通じて伝わったらよいと思います。
吹原氏:オンラインゲームは特別な遊びではなく、簡単に友だちと集まってプレイできるものです。まったく知らない人も見ていただければ興味を持ってもらえる内容なのでよろしくお願いいたします。
吉田氏:世界に比べると日本のオンラインゲーマー人口は多くはありません。しかし、人との接しがあるからこそ、このようなドラマが生まれていきます。本作を見て、オンラインの世界に飛び込もうと思うプレイヤーが一人でも増え、同時にオンラインゲームの開発者も増えて欲しいですね。
マイディーさん:オンラインゲームの可能性を知ってほしい、その気持だけでがんばって作りました。たくさんの人に見ていただければとてもうれしいです。よろしくお願いします。
──本日はありがとうございました。
世界初のゲーム画面を使った注目のドラマ「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」は、2017年4月よりMBS/TBSドラマイズム枠他にて放送予定です。