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まず、スマートフォンゲーム市場について、2013年から2014年にかけてマーケットが拡大、2015年から2016年に市場は成熟化、そして現在は市場の新規ニーズを創出する時期と考えているとのこと。ネクソンのモバイル事業本部は、「世界レベルの楽しさを日本のモバイル市場へ」をミッションに掲げ、2015年8月に立ち上げられました。現在は、運用からプロダクション、ローカライズなど約70名のメンバーがいます。また、グラフィックのカルチャライズやデータマイニングなどの機能をそなえており、パブリッシングに必要な機能を自社で持っていると伝えました。
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続いて、現在までにリリースされたモバイル向けタイトルの紹介映像が流されました。ネクソンは、ジャンルやテイストにこだわらず、幅広いタイトルを2年間で18タイトルリリースしています。累計登録ユーザー数は約2年の間に16倍強、月別の平均DAUは新規タイトルがリリースしたタイミングやマウスプロモーションに応じて大きく増加し、モバイルの売上は約8倍となりました。
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ここからは、主要タイトルの振り返りが行われました。まずは、『ドミネーションズ -文明創造-』について、グローバルで3000万インストールを達成し、TVCM実施により登録者数を増加させ、長期運用フェーズに突入しているタイトルと述べました。『HIDE AND FIRE』は、ガンシューティングアクションという新たなジャンルを創出し、カルチャライズとマーケティング構築に時間をかけ、国内配信のモバイルタイトルとして初の長期ヒット作となりました。8月27日にオフラインイベントを開催し、大型の発表を予定しているとのことです。
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『HIT』はApp StoreのセールスランクでTOP10入りを果たしたタイトルで、韓国の開発力と徹底した日本カルチャライズの融合を行った作品です。具体的には、キャラクターデザインやシナリオを大幅に変更し、PvP色の強かったオリジナル版から日本向けの共闘オリジナルコンテンツの追加、オープニングムービーを製作するなどしています。『StraStella』は2017年8月にリリースしたシミュレーションRPGで、ロボットと美少女をかけあわせたネクソンでは初のジャンルです。事前登録10万人を突破し、継続率などのKPIは順調に推移しているとのことで、長期運営を狙っていきたいとコメントしました。
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そのほかにも、インディチームで開発したタイトルも複数リリースされています。今後の展望としては、クオリティの高いタイトルをピックアップし、日本市場にむけたローカライズ・カルチャライズをしっかりすること、同時に新たなジャンルのタイトルを紹介していきたいと考えているとのことです。
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最後に、今後リリースを検討しているタイトルの紹介が行われました。現在事前登録中で、2017年夏にリリース予定の『三國志曹操伝 ONLINE』は、コーエーテクモゲームズのスピンオフシリーズをリメイクした作品です。グローバルでは韓国や台湾でリリースされ、ifストーリーを追加したりオンライン対応しているなどスマホ向けのカスタマイズをしています。
ここからは、日本での配信が現在未定となっているタイトルの紹介です。『DURANGO』は開発型のオープンワールドMMORPGとして、10年遊べることを目指している作品です。探検や狩猟、材料を集めたり、街を作るなどモバイルゲームとしては新しい挑戦をしています。『DARK AVENGER 3』は、全世界で3000万ダウンロードを記録したシリーズの最新作で、韓国ではリリースされ好調とのこと。ハイクオリティのグラフィックと爽快さ、キャラクターのカスタマイズや敵に乗れるなどの要素が魅力です。『GIGANT SHOCK』は、巨大なモンスターを4人の主人公で攻略していくタイトルで、キャラクターの組み合わせやモンスターの特性に合わせて戦っていく戦略性の高いアクションゲーム。敵を狙うスリングショットアクションが特徴です。
最後に、質疑応答が行われました。
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──海外のゲームをローカライズするうえで、日本市場をどのように認識していますか?
金氏:競争よりは協力が好き、コンテンツのパッケージ販売よりもランダムガチャ販売のが好まれる、シナリオやストーリー、世界観が重視されているなどですね。また、海外では20代の主人公が多い一方、日本では10代後半の主人公が好まれるといった特徴があると思います。
──日本で自社開発を行い、運用していく可能性はありますか?
金氏:社内でやることは積極的には考えていませんが、日本のディベロッパーさんと開発は検討しています。そして、日本や韓国だけではなく、いろいろな国の開発会社と手を組み、グローバルにリリースしたいと思っています。
──タイトルを日本でリリースする際、配信をしようと判断する基準はありますか?
金氏:特定ジャンルやスタイルのゲームをやろうと考えていないので、決まったルールはありません。ただ、核になるようなおもしろさが日本で通じるか、カルチャライズ・ローカライズを日本国内向けにできるのかの2点は考慮しています。
──今後の展望をお願いします。
金氏:海外では3Dグラフィックに力をいれて技術革新が行われていますが、ハイクオリティのゲームに費用がかかります。そのため、ひとつのタイトルをグローバルで展開していきたいと考えています。
──ありがとうございました。
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