【特集】『初代プレステの“風変わり”なアドベンチャーゲーム』7選

今回は、初代プレイステーション向けにリリースされた“風変わり”なアドベンチャーゲームをご紹介します。

ソニー PS
【特集】『初代プレステの“風変わり”なアドベンチャーゲーム』7選
【特集】『初代プレステの“風変わり”なアドベンチャーゲーム』7選 全 8 枚 拡大写真

突然ですが、みなさん、アドベンチャーゲームはお好きでしょうか!私は大好きです!華やかなアクションゲームやロールプレイングゲームの裏側に隠れがちなアドベンチャーゲームですが、実は豊かで風変わりなゲームが無数に産み出されてきた要注目のジャンルでもあります。ジャンルが持つ定義の多様性と実験性ゆえに、アドベンチャーゲームにはしばしば、ゲームとして面白いかどうかはちょっとわからないがなんだかすごい作品が産まれがちだったりもするのですが、特にプレイステーション黎明期にはそういったゲームが多く世に出ていました。そして、その異常さは、未だに筆者のような人間の心を捉えて離さないのです。

と、いうことで今回は初代プレイステーションの風変わりなアドベンチャーゲームを本当にごく一部ですが、ご紹介させていただきたいと思います。

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◆『クーロンズ・ゲート-九龍風水傳-』
公式Webサイト
発売元: ソニー・ミュージック・エンターテインメント / 発売年:1997年

良くも悪くも初代プレイステーションの“ある種の”アドベンチャーゲームを象徴する一作とも言える本作。強烈なキャラクターたちやローポリゴンで描かれる九龍城はとにかく異常な雰囲気で迫力があり、アート的ですらあります。ゲームとしては酔いやすく、迷いやすいなど問題点は数多くありますが、その芸術性の高さから、今日に至るまで一部に熱狂的なファンが存在してお、かつてはセカンドライフ上で再現されたりもしました。そして、今まさにVR版が発売しかかっているタイミングでもあるので、この機会に予習しておくのもいいと思いますよ!

◆『アナザー・マインド』
公式Webサイト
発売元: スクウェア(現スクウェア・エニックス) / 発売年:1998年

ある時期までは見られた(そして最近は滅多に見なくなってしまった)実写を用いたアドベンチャーゲームである本作。ですが、なにより最大の特徴は「ダイアローグシステム」と呼ばれる文節ごとに文章を組み立てる方式です。本作はそのシステムによって選択の自由度が非常に高いものとなっており、一本道のテキストアドベンチャーとしては異例といえるリプレイ性の高さを誇っています。筆者も当時何周もプレイし、いろいろな怪文章を作成してはその反応を楽んだものです!

◆『ミザーナフォールズ』
公式Webサイト
発売元: ヒューマン / 発売年:1998年

架空の街「ミザーナフォールズ」で起こった事件を捜査するという、「ツインピークス」を彷彿とさせるような推理アドベンチャーゲームです。「“箱庭型”のマップを採用」、「時間はリアルタイム」、「車移動ではガソリン消費する」など、当時としてはかなり実験的なシステムを多数搭載していました。結果フラグを立てる難易度が異常に跳ね上がり攻略を見ないでクリアすることはかなり難しくなってしまいましたが、その独特の雰囲気だけでも見るべきものがあると思います!

◆『サウンドノベルツクール2』
公式Webサイト
発売元: サクセス, アスキー / 発売年:1997年

RPG制作で有名なツクールシリーズのサウンドノベル版である本作。文章を書くためにコントローラーでぽちぽち入力していかなければならないというちょっと身の毛もよだつような恐ろしいゲームなのですが、今回筆者が紹介したいのはデモゲームとして収録されている「卒業証書」。今も続く人気ラジオ番組「伊集院光 深夜の馬鹿力」内で公募されたシナリオはとにかく破茶目茶で、大抵は陰惨に終わっていきます。セガサターン版も出ており、それにはまた別の公募されたシナリオが収録されているので、そちらもあわせて探してみてはいかがでしょうか?

◆『猫侍』
公式Webサイト
発売元: ヒューマン / 発売年:1999年

同名のテレビドラマが放映されていましたが、それとはまったく関係ない一作。ドラマは「猫好きの侍」を題材にしていたのに対して、こちらはなんと「猫が侍」です。猫が侍というと「斬るニャア」的なかわいくコミカルな雰囲気を想像しがちですがこのゲームにはまったくふざけた様子はなく、かわいさという点はほぼゼロ(人によるでしょう……)。完全シリアスハードボイルド調なのです。江戸の町内を徘徊してイベントを起こし、時には人助け……ならぬ猫助けをし、己の過去と向き合っていく意外なほど重厚な時代劇作品となっています!

◆『ナイナイの迷探偵』
公式Webサイト
発売元: ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント) / 発売年:1999年

当時、子供に最も人気があったであろうお笑いコンビ「ナインティナイン」が登場するこのゲーム。プレイヤーは矢部浩之を操作して、岡村隆史をほどよく暴走させ、いいところツッコミながら事件を解決していきます……と自分で書いていても何がなんだかよくわからないのですが、当時はこういったタレントゲームが結構作られていた時代でもありました。筆者としてはこういったタレントが登場する類の変なゲームは嫌いじゃないので、またこういうゲームを遊びたいな、PS4とかでも作ればいいのにな、と本当に思っています。

◆『UFO -A day in the life-』
公式Webサイト
発売元: ラブデリック, アスキー / 発売年:1999年

たった三本しかゲームを制作してないのにもかかわらず、当時のゲームファンの間に強烈なインパクトを与えた伝説的なゲーム会社「ラブデリック」の二本目の作品となる本作。アパートに隠れている50人の宇宙人の場所を推測し写真を撮影するというシンプルなゲーム性ながら、観察していく内に徐々に住人一人一人のドラマが見えてくる非常に不思議な味わいのあるゲームとなっています。アドベンチャーゲームなのか否かには議論が分かれると思いますが、じゃあ他の何なのかもよくわからないし、筆者としてはこういうゲームは全部アドベンチャーということにしておくのが無難だと思います!

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いかがだったでしょうか。前回の特集のようにゲームアーカイブスやストアから選ぶのが困難だったため今では入手しづらい作品もありますが、旅先などでふと見つけたらぜひ救出しておいて頂きたい作品群になっています。今のコンソール機ではなかなか考えづらいことですが、なにせ初代プレイステーション(やセガサターン)ではこういったゲームが山ほど出ているので、興味のある好事家の方々はぜひ探してプレイしてみてください!また、今回はホラーゲームにジャンル分けできるようなゲームは割愛しているので、そちらについては次回特集でご紹介予定です。

《文章書く彦》

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