山﨑:えっ、じゃあゲームを買えば、映画を見に行かなくても良かったってことですか?
Daisuke Sato:そうです。本当に、映画がそのまんま入ってる。
山﨑:やばいっすね、それ。そういう画期的なこともやってたんだなぁ。ほかにそういうものってありますか?
末永:ドリームキャストは驚きの連続でしたね。
Daisuke Sato:ドリキャスといえば、Windows CEがOSとして採用されていたというのが、凄いことかな、と。あと起動音を作曲したのが、坂本龍一さんというのも凄い。
ねんね太郎:へー。
山﨑:個人的にドリームキャストで画期的といえば、やっぱこの人だなあ。

Daisuke Sato:秋元康さんがプロデュースしてたんですよね。ジャニーズの滝沢秀明さんと一緒になって、ドリキャスを売り歩くという(笑)
ねんね太郎:あー、あったあった。
山﨑:このおじさん、知ってます?(同席したインターンの女性社員2人に写真を見せる)
女性社員:いえ、知らないです…。
山﨑:そうかー。ものすごく自虐的なCMをしていたんですよね。
ねんね太郎:「セガなんてダッセーよなー!」「プレステのほうが面白いよなー!」
Daisuke Sato:思いっきり「プレステ」って言ってましたもんね。あと、ドリキャス本体の生産が追いつかなくて、常務に降格したっていうCMも…。
山﨑:あー、あったあった!今なら絶対できない(笑)。
Daisuke Sato:サターン時代にも、セガールとアンソニーっていうCMをやってましたし、そういう文化があったのかも。
女性社員:というか、普通のおじさんの写真をパッケージに使うって、凄いですね。
山﨑:湯川専務のCMを真似して、みんなで担任の先生にイタズラしたなあ。「●●(担任の先生の名前)先生ってダッセーよな!」「▲▲先生のほうに行こうぜー!」って。
ねんね太郎:ドリキャスといえば、僕はやっぱりテレホーダイを思い出すかな。
女性社員:なんですか、それ?
ねんね太郎:当時のインターネットは、繋いだ時間分だけ料金が発生する従量制だったんです。ただテレホーダイっていうサービスに加入すると、夜23時から朝の8時までに限り、ネットが定額になると。当時、オンラインゲームを本格的に遊ぶならテレホが必須だったんです。
Daisuke Sato:ソフトは何を遊んでいたんですか?
ねんね太郎:色々遊びましたけど、1番長く遊んだのはやっぱ『ファンタシースターオンライン』かなあ。初めて1,000時間以上プレイしたタイトルだと思います。チャットにもハマったなあ。キーボードの入力が早くなったのは、間違いなくこれのお陰です。
山﨑:その技術が、今のお仕事で役立っていると(笑)
ねんね太郎:ありがとう、『PSO』!

Daisuke Sato:そういえばドリキャスって、周辺機器を使わずともコントローラーが4つ接続できるんですね。4人対戦できるタイトルって、何があったかな…。
ねんね太郎:『チューチューロケット』や『パワーストーン2』あたりが、僕の周囲で人気でした。
末永:『チューチューロケット』、ネット対戦にも対応してたんですね。説明書に書かれてるネットワークマナーが、今の時代と変わってないなあ。

山﨑:1999年からネットのマナーが変わってないっていうのは凄い。この『MARVEL VS. CAPCOM2』もネット対戦できたんですか?

ねんね太郎:できましたよ。ただそれは、テレホーダイとは別に料金が発生してましたけど。
Daisuke Sato:KDDの「マッチングサービス」ですね。まだ“KDDI”じゃない頃(※4)だ。

※4…当時最先端だったオンライン対戦に夢中になり、その後送られてくる請求書を見て真っ青になった方も多いはず。筆者(ねんね太郎)はお年玉が軽く吹き飛びました。
ねんね太郎:あと今日はせっかく持ってきたので、『サクラ大戦3』のオープニングアニメをぜひ、皆さんに見て頂きたいなと。
Daisuke Sato:クオリティが非常に高いと、有名ですよね。今見ても凄いです。作画がヤバい。
山﨑:とまあ、セガハードへの愛は尽きないんですけど、そんなセガハードとどうして別れてしまったのかについても触れてみましょうか。僕は正直に言ってしまうと、すみません、プレステに行っちゃいました。
ねんね太郎:ドリキャスをもってセガはハード事業から撤退しちゃいましたからね。セガハードへの愛を貫く選択肢が存在しなかった…。9,900円で在庫処理されるドリームキャストを見て、「嗚呼…」という思いしか無かったです。
Daisuke Sato:僕はアメリカからやってきた黒船(※5)に移りました。黒船にセガのゲームがいっぱい出てたんですよね。「これが新しいセガの形だ!」って思いました。あと僕はゲーム機としての役割が薄れたあとも、サターンはメディアプレイヤーとして活用してたかな。
※5…Xboxのこと。

Daisuke Sato:あ、今思い出した。日立製のHiサターン(※6)にはカーナビが付いてましたね。
※6…日立製作所から発売されたセガサターンのこと。基本的なスペックは変わらないものの、起動画面や外観が異なっている。ほかに日本ビクターから発売されたVサターンという機種も存在しました。
山﨑:カーナビ!?それは凄い。
Daisuke Sato:今、試してみたいなあ。あのカーナビ機能を使うとどうなるのか。
末永:まずは現物を手に入れないとですね。どこか貸してくれないかなあ…。
…と、このような調子でセガハードについて語り合うこと約2時間。あっという間に時は過ぎ、ひとまず座談会はお開きとなりました。今振り返っても革新的かつ前衛的なセガハードの数々、その魅力が少しでも皆様にお届けできたのであれば幸いです。
参加者は皆、「まだまだ話足りなーい!」と口を尖らせていましたし、今回の企画も好評であれば、同様の座談会をこれからも続けていきたいと考えています。リクエスト等あれば、ぜひお気軽にお寄せください。