◆ネクソンが分析する国内モバイルゲーム市場の現状
まずは、ネクソンが分析する国内のモバイルゲーム市場について。2015年と2018年7月のモバイルゲームトップセールス100を比べると、海外タイトルは9本から22本に。うち、中韓のタイトルは3本から18本に増えました。これを受けて金氏は「(海外タイトルの隆盛は)一時的なトレンドではなく、継続的なものだと捉えています」と分析しました。
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写真右:この3年間で海外発のタイトルは大きく増加
海外発タイトルの増加については「新しい体験がしたい」というニーズによるもので、既存IPの活用タイトルの増加については「安心感、安定性」へのニーズによるものだとしました。また、トップセールス100本をジャンルで分けるとMMORPGやRTSが70本近くを占めるとのことで、アジア市場ではコアユーザー向けのタイトルが流行しているとしました。
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写真右:アジア市場トップランキングにおけるMMORPGやRTSの比率
以上を踏まえ、ネクソンが今後の国内モバイル事業で提供するタイトルは、既存のIPを活用したタイトルと、"新しい体験"を提供できる、海外発のタイトルの2本柱を掲げていくとしました。
◆ネクソンの国内モバイル事業の動向
続いては、ネクソンの国内モバイル事業と主要リリースタイトルの動向について。2017年までは『HIT』などが好調で売り上げが増加の一途でしたが、市場競争が激しさを増した2017年は「これからは数だけでなく、一つひとつのクオリティももっと重視しなければならない」との方針を新たに掲げ、仕込みの期間に。2018年5月に『OVERHIT』、7月に『GIGANT SHOCK』を相次いでリリースしたことで売り上げとDAU(Daily Active Users)が大きく回復したので、この調子を維持していきたいと語りました。
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『OVERHIT』は事前登録期からのプロモーション施策などが功を奏し、配信開始から7日間で100万ダウンロードを突破。今では200万ダウンロードを突破するなど安定的な運営ができており、今後はレイドバトルやPvPなどのマルチプレイコンテンツにも力を入れるとのこと。『GIGANT SHOCK』も、"規格外の超巨大モンスターとの戦い"という新鮮な体験が受け入れられ、配信から約2週間で50万ダウンロードを突破しました。
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金氏は両作のヒットを支える一因として、Twitterの活用に言及。『OVERHIT』ではアップデート内容のほか、寄せられた改善要望に対する詳細な回答を告知。『GIGANT SHOCK』では、遊んでくれている人のつぶやきをリツイートすることで声が運営にきちんと届いていることをアピールし、それによって作品についてつぶやいてくれるプレイヤーがさらに増えるという好循環を実現できているそうです。
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◆初公開の『FAITH』を含む新規タイトル3本の最新情報
最後は、今後のネクソンを支える新作の最新情報について。コーエーテクモゲームスと手を組んだ『真・三國無双 斬』は、『真・三國無双』の一騎当千アクションをスマートフォンで実現しつつ、レイドバトルなどオリジナルのコンテンツも追加。現在事前登録を受け付け中ですが、配信開始日が9月19日になると発表されました。
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『MARVEL Battle Lines』は、マーベル・エンターテインメントの保有するIPを活用した対戦型トレーディングカードゲーム。スパイダーマンやアイアンマンなど、おなじみのヒーローやヴィランが100体以上登場し、日本語でのローカライズも決定しています。こちらは近日中に正式な配信開始日をアナウンスできるとのことです。
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そして3本目は、これが初公開となる完全新規タイトル『FAITH』。3Dの広大なフィールドでアクションバトルを繰り広げるMMORPGで、プレイ開始時に自由と秩序、どちらの勢力に属するかを決定。それにより、得られるキャラクターや展開するストーリーが大きく異なります。対立する大勢力同士の戦いを描くのがコンセプトで、75対75――総勢150人によるリアルタイムバトルなど、多人数によるマルチプレイバトルが楽しめます。9月12日より事前登録が始まり、配信開始は今冬を予定しています。
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金氏は「"世界レベルの楽しさ"を日本モバイル市場へ提供していくのが弊社のミッションです。これを胸に今後もがんばっていきます」と語り、発表会をまとめました。
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