『大逆転裁判2』のクライマックスを生オケ&生アテレコで再現!「逆転裁判 オーケストラコンサート2019」レポート

『逆転』シリーズの楽曲をオーケストラの演奏で楽しめる「逆転裁判 オーケストラコンサート2019」のレポートをお届けします。『大逆転裁判2』のアツいネタバレ演奏が白眉でした(記事中ではネタバレの内容をぼかしてありますのでご安心を)

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『大逆転裁判2』のクライマックスを生オケ&生アテレコで再現!「逆転裁判 オーケストラコンサート2019」レポート
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3月30日、渋谷・Bunkamura オーチャードホールで「逆転裁判 オーケストラコンサート2019」が昼/夜の2公演で開催されました。チケットはソールドアウトにつき"見切れ席"を追加販売するほどの人気ぶりで、当日は東京フィルハーモニー交響楽団のしらべに大勢のファンが魅了されました。本稿では、夜の部のレポートをお届けします。

開演直前の影アナは、下野紘さんが演じる成歩堂龍ノ介が担当。「逆転裁判 オーケストラコンサート2019 M152号」という謎の単語がくっついた公演名を口にすると、そこに近藤孝行さん演じる成歩堂龍一が「その"M152"はどういう意味なんですか?」と参戦。それに龍ノ介が「今年は明治でいうと152年だろう? これは明治152年という意味さ!」と答え、会場の笑いを誘いました。

コンサート夜の部は「逆転裁判4 法廷組曲」からスタート。ステージの中央上部にはスクリーンがあり、曲目に沿った画像が映し出される演出のおかげで、数々の名場面を思い出しながら曲に浸れます。1曲目が終わると、進行を務める御剣怜侍役の竹本英史さんと近藤さんが登場。「演奏のクライマックスでは、オドロキくんの「異議あり!」や「待った!」がうるさいくらいに聞こえてきそうだった」と竹本さんが笑うと、近藤さんも「それが彼の持ち味だからね(笑)」と同意しました。

続いては「逆転検事 推理と追及の組曲」、「ゴドー ~珈琲は闇色の薫り」。「推理と追及の組曲」では、編曲で組み込まれた狼士龍のテーマ曲でアルトサックスが存在感を発揮し、「ゴドー」は終始テナーサックスが聴かせてくれる1曲、2曲合わせて、すっかりジャジーな雰囲気に浸れました。夜公演であることを意識しての編成なのでしょうか。

ここで再びトークパートとなり、竹本さん、近藤さんコンビが「♪ブラジルの風 キリマンジャロの香り コロンビアの夜明け~♪」と「ゴドー」のメロディで歌いながら登場。これは「東京ゲームショウ 2018」の会場限定で公開された「逆転裁判 特別法廷」で明らか(?)になった「ゴドー」のメロディを元にした歌となっています。

続いて『逆転』シリーズの生みの親である巧舟氏と、シリーズの作曲、および本公演のオーケストレーションを手がけた作曲家の岩垂徳行氏が登壇。岩垂氏は今回が初演奏となる「逆転検事 推理と追及の組曲」の編曲について「エンディングの曲もしっかり盛り込みました」とこだわりを語り、巧氏は「「ゴドー」が生演奏で聴けてよかった」と感想を語りました。話題が「次に歌詞を付けるならどの曲にするか」におよぶと、竹本氏からは「タイホくんの曲」というリクエストが。はたして、今後の「特別法廷」でタイホくんの曲が歌になるのでしょうか?

左から竹本英史さん、岩垂徳行氏、巧舟氏、近藤孝行さん

その後は真宵や春美、みぬき、心音など、愛嬌を振りまくキャラクターたちとのシーンで用いられる曲にスポットを当てた「逆転裁判1~6 麗しの組曲」、対照的に芝九蔵虎ノ助、巌徒海慈、虎狼死家 左々右エ門、怪人☆仮面マスクなど、悪役たちに焦点を当てた「悪漢組曲 2019」が演奏され、コンサートの前半はここまでとなりました。

コンサート後半はトークパートからスタート。竹本さん、下野さんに加え『大逆転裁判』シリーズの作曲家・北川保昌氏と同シリーズの企画を担当する児玉真佑氏が登壇しました。『逆転』シリーズは、法廷パートで主人公が被告を追い詰める追求シーンで流れるアツい曲が魅力の一つですが、『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』では、その直前の段階で「追求への前奏曲」という曲が流れる演出になっています。その意図について尋ねられた北川氏は「全力で走る追求シーンがくることを想起させる、いわば助走のような曲を入れればもっと盛り上がるのでは」とインスピレーションを得て作曲したと語りました。

写真左:左から竹本さん、下野紘さん、児玉真佑氏、北川保昌氏

そんなトークからの「大逆転裁判組曲」が終わると、次の曲目は「この曲には『大逆転裁判2』終盤のものすごいネタバレがあります!」と事前に注意された「復活の相棒」。スクリーンにはこの日のために3Dモデルをレンダリングしなおしたというクライマックスのとあるシーンの映像が流れ、それに合わせて下野さんが龍ノ介のセリフを生アテレコ。その映像と演技に合わせてオーケストラ演奏が流れるという贅沢すぎる5分間を堪能できました。続く「逆転裁判 革命と継承の組曲」は王泥喜法介をフィーチャー。『逆転裁判5』~『6』における彼の成長を振り返れる曲と映像になっていました。

トークパートでは、竹本さん、近藤さん、下野さん、岩垂氏に加え『逆転』シリーズのプロデューサー・江城元秀氏が登壇。岩垂氏は「(今ここにいる声優の)お三方や、ひいては会場のみなさんとも一緒に、オーケストラで歌えるような曲を作ってみたい」と展望を語り、江城氏は7月14日にShibuya O-EASTで「逆転裁判LIVE ~OBJECTION!!2019~」が開催されることを発表。「今後もさまざまなイベントを企画していきますので、これからも『逆転』シリーズの応援をよろしくお願いします」とあいさつし、降壇されました。

「逆転裁判LIVE」の開催を告知した江城元秀氏(写真中央)

最後の曲目は「逆転裁判3 終幕」。スクリーンには"華宮霧緒が企画した"という設定の「成歩堂龍一ハッタリ博物館」の展示を見ているという体で『逆転裁判』~『逆転裁判3』までのゲストキャラたちがそれぞれのエピソードをひと言ずつ振り返っていく映像が再生され、ちょうど最終回が放送されたTVアニメにもタイミングを合わせたであろう演出が光りました。一作目からリアルタイムでプレイしている筆者は、恋人のちなみにデレデレな大学生時代の成歩堂を見て「思わず蹴っとばしたくなる」とつぶやく若かりし頃の千尋さんにグッときてしまいました。

会場に響く万雷の拍手からのアンコールは「成歩堂龍一 ~異議あり!」と「大江戸戦士トノサマン」。「トノサマン」では指揮者の栗田博文氏がタクトの代わりに日の丸の扇子を手にし、殿様風のカツラを被って指揮するという茶目っ気あふれるパフォーマンスを披露。『逆転』シリーズらしいコミカルで楽しい雰囲気に包まれながら、2時間におよぶコンサートは幕を閉じました。

観客も手拍子で盛り上がった「大江戸戦士トノサマン」

最後はおなじみの「異議あり!」でシメ

◆逆転裁判 オーケストラコンサート2019(夜の部)
M01. 逆転裁判4 法廷組曲
M02. 逆転検事 推理と追及の組曲
M03. ゴドー ~珈琲は闇色の薫り
M04. 逆転裁判1~6 麗しの組曲
M05. 悪漢組曲 2019
M06. 大逆転裁判組曲
M07. 復活の相棒
M08. 逆転裁判 革命と継承の組曲
M09. 逆転裁判3 終幕

アンコール
成歩堂龍一 ~異議あり!
大江戸戦士トノサマン

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《蚩尤》

汎用性あるザク系ライター(が目標) 蚩尤

1979年生まれのファミコン直撃世代。スマホゲームもインディーズも大型タイトルも遊びますが、自分と組ませてしまって申し訳ないという気持ちやエイミングのドヘタさなどからチーム制のPvPやFPS、バトロワが不得手です。寄る年波…! ゲームの紹介記事に企画記事・ビジネス寄りの記事のほか、アニメなど他業種の記事もやれそうだと判断した案件はなんでも請けています。任天堂『ガールズモード』シリーズの新作待機勢。

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