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2015年秋に初報が発表されてから早4年。いよいよ2019年11月28日にアトラス×ヴァニラウェアの新作『十三機兵防衛圏』が発売されます。
本作の要素をよくある言葉で言えば、「戦略シミュレーション×ノベル式アドベンチャー×学園物×ロボット×セカイ系」といったところでしょうか。なんだか魅力的な要素がいっぱいすぎて、逆にわかりづらいかもしれませんね。
そこで本記事では、『十三機兵防衛圏』が一体どんなゲームで、どこが魅力となるのか、そのポイントを紹介していきます。
ノスタルジックな昭和の街並み
『十三機兵防衛圏』の主な舞台は1985年の日本。本作は非常に繊細に描かれたグラフィックで、昭和の街が描かれています。現在の日本とほとんど変わらない、けれども少しだけ違っているような、そこはかとない哀愁が漂う風景が見ものです。製作者の1980年代への強い思い入れが感じられますね。
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美麗で特徴的な13人の主人公達
『十三機兵防衛圏』で特筆すべき点の一つは、キャラクターデザインの秀逸さ。水性の絵筆で塗ったような淡い色合いのキャラクター達が、なめらかに動く姿もゲームへの没入度を高めます。
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作品のタイトルどおり主人公は13人いますが、13人とも個性が大きくわかれます。正統派の主人公に、寡黙、堅物、チャラ男、強気。見た目もメガネ、体操服、リーゼント、ツインテールに包帯まで。この世のあらゆる属性を13人に集約していると感じました。性別問わず必ず自分の「推し」を見つけることができるでしょう。
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筆者の好みにクリティカルヒットしました。
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一目惚れするなど、普通の女の子感があってすごく可愛い。
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まいった。
本作はキャラクターを掘り下げていくこともプレイの一つなので、「このキャラクター好きだなぁ」という軽い気持ちからプレイしても、十分楽しめると思います。
無骨なデザインの「機兵」と「怪獣」
『十三機兵防衛圏』はある意味日本の伝統とも言える、「ロボット対怪獣」の形式をとっています。登場するロボットに当たる「機兵」のデザインも魅力の一つ。ゴテゴテした機械や重機などが好きな人にはたまらないことでしょう。
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こちらも「マトリックス」のマシン軍団を思い起こさせます。
余談ですが、「怪獣」というシンプルなネーミングについて少し。この名前はハリウッド映画の「パシフィック・リム」において「KAIJU」という日本語そのままのネーミングが採用されたことと、無関係ではないのかなと筆者は思っています。
「怪獣」という名称はちょっと古くて子供向けなイメージがありましたが、今や一周回って逆にカッコいいという時代に。怪獣にとって非常に恵まれた時代になりましたね。
アドベンチャーパートはノベルゲームの発展系
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ゲーム性についても少し触れてみます。「追想編」と銘打たれている本作のアドベンチャーパート。こちらは独特のゲーム感覚ではありますが、システム上はノベルゲームと同様であり、そこに操作するキャラクターと背景を追加したようなイメージです。
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ここでは、主人公の思考を読み解く「クラウドシンク」というシステムが特徴となっています。『ファイナルファンタジー2』での言葉を覚えるシステムと例えれば、伝わる人もいるかもしれません。
クラウドシンクに必要なキーワードは自動で覚えますし、使いどころもゲーム側からヒントが示されます。そのためわからなくなって手詰まりになることは少ないと思われます。アドベンチャーゲームの中でも比較的親切で、且つ新鮮な遊びを提供してくれています。
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まだクラウドシンクで思考する余地があるということになります。
チャート機能でルート分岐も明確に
ノベルゲームらしく、ストーリーの分岐も非常に多くある本作。しかし、チャート機能を使うことで、どこでどのように分岐が発生したかがひと目でわかるようになっています。
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しかし、どういった行動をすれば他のルートに行けるのかが明確なので、迷わず遊べそう。
分岐の選択肢が明確になっていることは、忙しい現代のゲーマーにとっても非常に遊びやすいゲームデザインだと言えます。
実はとってもシンプルで理解しやすい戦闘パート
そして本作のキモとなるのが戦闘パート。
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本作の戦闘は戦略シミュレーション。ゲーム画面が公開されたときはちょっと難しそうで、抵抗を感じた方も少なくないのではないでしょうか。しかし遊んでみると、システム自体は非常にシンプルであるということがわかります。『ファイアーエムブレム』や『スーパーロボット大戦』等を遊んだことがあれば、よりスムーズにコツが掴めるかもしれません。
基本的な操作は以下の3点。ひとつめ、左上のアイコンを見て、味方のキャラクターを選択します。
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続いて画面左の枠内の技一覧から、使用する技を選択します。
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最後にフィールド上の攻撃対象(敵)を選択します。
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以上で操作は完了。敵に攻撃がヒットします。
この操作を繰り返して敵を殲滅することが目標となります。いろいろ複雑そうな要素を備えていますが、根底はコマンド選択RPGの遊び方そのまま。さらにレベル上げや機兵の強化も可能。シミュレーションゲームに自信が無くても遊びこなせるように作られています。
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リアルタイムシミュレーションの初心者にもオススメ。
先程、『ファイアーエムブレム』などを例に上げましたがそれらと決定的に異なる点は、本作が「リアルタイムシミュレーション」であることです。
リアルタイムに状況が変化するため、瞬時の判断力が試されます。難易度が高いと感じるかもしれませんが、そんなところでも本作には救済措置が。キャラクターを選択して技を選んでいる間は盤面の時間が停止します。
敵が上空から降りてどこに着地するか観察することができます。
キャラクターを選んだ状態で周囲をじっくり観察し、今どこに敵が集まっているのか、どこの味方が手薄なのかを見届けて、それから戦略を練るということができるようになっています。リアルタイムシミュレーションの入門編としても、最適かもしれませんね。
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同時出撃数6体の、絶妙な遊びやすさ
また、一度に戦闘に出せる味方の上限が6体であるというのも、『十三機兵防衛圏』の良さといえるでしょう。味方の数が多すぎると、各所で目まぐるしく変化する状況に対応できなくなってしまうことがよくあります。
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固まっている味方全員に防御スキルを使用してから行動開始、という遊び方も。
同時に使用するキャラクターが6体に限られているということは、味方の状況を見失う危険性が少なくなるということです。タワーディフェンス形式であるため、重要な拠点1箇所を含めた、計7箇所に気を配れば良いということになります。
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事前戦略を立てやすくなっているのもポイント。
機兵は近接型、万能型、長距離型、飛行型の4種類。そこから戦況を見て6体を選びます。戦略性と遊びやすさを兼ね備えた数の選定だと言えるでしょう。
究明編という名の、アーカイブ機能
3つ目のゲームシステム、究明編。こちらはゲームのアーカイブ機能となっています。
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なにやら複雑な謎解きがあるように思えますが、他の2編で集めた情報を閲覧する機能があります。
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さらに、ここの情報は追想編と戦闘編で得られたポイントを消費することで新たな情報が公開されるようになっています。
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ここで補完しておくことでより理解が早まります。
わかりやすいシステムで複雑に絡み合う謎を解いていく
本作は、追想編のストーリーは全て時系列がバラバラに語られています。さらに崩壊編もどの時期に位置するか、すぐにはわかりません。
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戦闘編を攻略して追想編のアンロックを解除し、追想編をプレイしてポイントを集め、そのポイントで究明編の情報を開示していく。3つのシステムが絡み合って徐々に物語の全貌が明らかになっていくようになっています。
複雑なストーリーを考察するのが好きな人はもちろん楽しめます。あまりそういったジャンルに縁のなかった人も、徐々にそれぞれの繋がりが見えてくる楽しさを体験していただきたいところです。
戦略シミュレーション好き、ノベルゲーム好き、タイムトラベル物好き、セカイ系のファン、考察好き、キャラ萌え、重機萌え、昔懐かしい風景に思い入れのある人など、なんでもござれの本作。
どの層の人がプレイしてもしっかりと刺さるポイントが詰まっている作品となっています。気になる要素がひとつでもある方は、ぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。
PS4『十三機兵防衛圏』は、2019年11月28日発売。製品版への引き継ぎが可能な「序章まるごと体験版」も無料で配信中です。