ゲーム19XX~20XX第19回:『どうぶつの森』の第1作目が発売、『FFX』などの話題作も登場した2001年のゲームをチェック

社会現象となっているNintendo Switchの『あつまれ どうぶつの森』(任天堂)。今回の「ゲーム19XX~20XX」は『どうぶつの森』のシリーズ第1作目が発売された2001年のゲームを振り返ります。

その他 全般
ゲーム19XX~20XX第19回:『どうぶつの森』の第1作目が発売、『FFX』などの話題作も登場した2001年のゲームをチェック
ゲーム19XX~20XX第19回:『どうぶつの森』の第1作目が発売、『FFX』などの話題作も登場した2001年のゲームをチェック 全 20 枚 拡大写真

逆転裁判


発売日:2001年10月12日
機種:ゲームボーイアドバンス
発売元:カプコン


主人公の弁護士・成歩堂龍一が、法廷を舞台に依頼人の無実を証明すべく、さまざまな事件の謎に挑む――のちに『逆転検事』や『大逆転裁判』など数々のスピンオフ作品も生み出した人気シリーズの記念すべき第1作目です。

探偵パートで集めた証拠品や情報などをもとに、法廷パートで被告人や証人を尋問。彼らの発言と「ムジュン」する証拠を突きつけることで相手を揺さぶり、真実を解き明かしていきます。

特に面白いのが法廷での犯人や検事との丁々発止のやり取りで、「異議アリ!」をはじめとする相手の「ムジュン」を突いていくときの演出の数々はケレン味たっぷり。相手が逆襲してきて展開が二転三転するなど、謎が解けていく過程もドラマチックで、スリリングな法廷バトルに誰もが夢中になりました。

コミカルなシーンの数々も見どころのひとつと言えます。行動や言動がやたら奇天烈なキャラクターたちや、「ムジュン」を突かれたときのオーバーすぎるリアクションなどは非常に面白く、いい意味でストーリーを盛り上げていました。もちろんミステリーとしても秀逸で、終盤の怒涛の展開は今プレイしても引き込まれてしまう魅力があります。

こちらの画像はゲームボーイアドバンス版です。

こちらは初期3部作を1本にまとめた『逆転裁判123 成歩堂セレクション』の画像です(マイニンテンドーストアより。公式サイトはこちら)。

ICO


発売日:2001年12月6日
機種:プレイステーション2
発売元:SCE(現SIE)


『ワンダと巨像』(SCE:現SIE)、『人喰いの大鷲トリコ』(SIE)を手がけたことで知られる上田文人氏がゲームデザインとディレクションを務めた初めての作品です。「少女の手を引きながら進んでいく」--オーソドックスなアクションアドベンチャーに、この要素が加わったことで本作は他に類をみない傑作となりました。

主人公の少年イコが謎の古城で囚われの少女ヨルダと出会い、彼女とふたりで城からの脱出を目指すことになります。イコは自由に操作できますが、ヨルダには簡単な指示を出すことしかできず、先に進むには彼女の手を引いていかなければなりません。しかも、いたるところで謎の黒い影が現れてヨルダを連れ去ろうとします。ちょっと目を離すとピンチになるので、とにかくハラハラさせられたものです。

そんな危なっかしいヨルダですが、一方でひたすらイコを信じてついてきてくれます。その頼りなさと健気さに、思わず「守ってあげなきゃ」という使命感を駆り立てられてしまうのです。ヨルダの手を引くにはボタンを押し続ける必要があるのですが、「絶対に離さないぞ」と思うあまり、ついついボタンを押す操作に力が入ってしまったことをよく覚えています。「手をつなぐ」という行為に、これほど意味を持たせたゲームは初めてだったのではないでしょうか。神秘的かつ抒情的な世界観も素晴らしく、その魅力は発売から約20年経った今も色あせてはいません。

こちらの画像はプレイステーション2版。

こちらはプレイステーション3で発売されたリマスター版です(画像はPlayStation Storeより)。

さて、2001年の出来事というと、セガの家庭用ハード事業からの撤退に触れないわけにはいかないでしょう。インターネット接続機能などの先進的な要素で注目を集めたドリームキャストでしたが、セールスは伸び悩みセガの経営悪化の一因となっていました。1月31日、ついにセガはドリームキャストの生産打ち切りと家庭用ハード市場からの撤退を発表。このニュースに多くのセガマニアたちが嘆き悲しみました。

ちなみに、この年に異色の経営シミュレーション『セガガガ』(セガ)がドリームキャストで発売されています。経営難に陥ったセガを救うべく、クリエイターを集めてヒット作の発売を目指すというもので、その自虐的な内容からゲームファンの話題となりました。そのほか『サクラ大戦3~巴里は燃えているか~』、『クレイジータクシー2』(いずれもセガ)などがヒット作となっています。

ドリームキャスト版『クレイジータクシー2』。『1』と『2』を同時収録した『クレイジータクシー ダブルパンチ』はこちら

一方、1月26日にNTTドコモがJava技術をベースにした「iアプリ」の提供を開始しています。Java機能を搭載したiモード端末「503iシリーズ」も発売。携帯電話がゲームの新たなプラットフォームとして注目され始めますが、人気作の登場にはまだしばらくの時間が必要でした。

『FF』シリーズの生みの親である坂口博信氏が監督を務めた、映画『ファイナルファンタジー』が公開されたのもこの年です。スクウェア(当時)とハリウッドの本格コラボによる世界初の全編フルCGの映画で、大きな話題となりましたが、残念ながら興行成績は振るいませんでした。

最後に、そのほかの人気作の紹介です。やはりこの年はプレイステーション2が人気で、戦国時代を舞台にしたアクションアドベンチャー『鬼武者』(カプコン)や超人気レースゲームのシリーズ第3作目となる『グランツーリスモ3 A-SPEC』(SCE)などがミリオンヒットを記録。『METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY』(コナミ)、『Devil May Cry』(カプコン)、『エースコンバット04 シャッタードスカイ』(ナムコ:現バンダイナムコエンターテインメント)などもゲームファンの注目を集めました。

現在配信中のリマスター版『鬼武者』(画像はPlayStation Storeより)。

現在配信中のリマスター版『METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY』(画像はPlayStation Storeより)。

そのほかのハードではゲームボーイの『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵・ルカの旅立ち』(エニックス:現スクウェア・エニックス)がスマッシュヒット。名作『ドラクエIV』をプレイステーションに移植した『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(エニックス)も累計出荷本数100万本超えを達成しています。

アーケードでは超人気音楽ゲーム『太鼓の達人』(ナムコ)の第1作目が登場。バチを使って和太鼓を叩くというシンプルさが幅広い層に受け、大ヒットとなりました。「ガンダムVS.」シリーズの第1作目となる『機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオン』(バンダイ:現バンダイナムコエンターテインメント)も話題に。本作にさまざまな要素を追加したプレイステーション2用ソフト『機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオンDX』も人気作となりました。

プレイステーション2向けに移植された『機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオンDX』。モデムを介した通信プレイが可能になっていました。



さて、『どうぶつの森』は来年で20周年を迎えます。もしかしたら『あつまれ どうぶつの森』で、これを記念した何かがあるかもしれません。こちらも大いに期待したいですね。
  1. «
  2. 1
  3. 2

《仁志睦》

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]

特集

関連ニュース