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iOS/Android向けFateRPG『Fate/Grand Order』(以下、FGO)の配信開始5周年を記念して行われるメディア横断企画「『FGO』5周年記念 5メディア横断連載 潜入!FGO開発の舞台裏」。
第1回:バトルキャラ編(ファミ通.com)
第2回:宝具編(4Gamer)
各メディアがそれぞれのテーマに沿って『FGO』開発の舞台裏を紹介していく本企画にて、3メディア目となるインサイドでは「美術編」と題し、アドベンチャーパートの背景やエリアマップ、スポットアイコンなど、『FGO』の美術まわりに関する開発過程を紹介します。
アドベンチャーパートの背景ができるまで
まずは「アドベンチャーパートの背景」に関する開発の舞台裏を紹介します。今回の美術編では、6月に復刻もされた2019年水着イベント「見参! ラスベガス御前試合~水着剣豪七色勝負!」を例に紹介。
「アドベンチャーパートの背景」では、謎のアルターエゴ・Λが取り仕切る「水天宮インヴィディア・セルペンス(以下、水天宮)」の開発過程をお届けします。
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奥に見えるウォータースライダーや流れるプールなど、カジノとウォーターパークの複合施設である水天宮。本施設の背景イラスト完成までには、約4週間の開発期間が用いられました。
背景イラストではまず、到着したシナリオをもとにライターとすり合わせつつ、その場にあるべき物や場面などを思い浮かべながら、参考となる画像やイメージボードを作成します。これをもとに、次は「ラフ(大まかなイメージ)」を作成。
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ラフ作成の際には、基本的に1つの背景に対して複数案のラフを作成し、TYPE-MOON側へ提案して方向性を詰めて行くこととなります。水天宮では、協力会社と連携し上記3案のラフを提出。結果的に、よりレジャー感のある3案目が選ばれました。
ラフでOKが出た後は、大まかな着彩によって空間をデザインしていく「仮着彩」に突入します。
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水天宮の仮着彩では、カジノ+ウォーターレジャー施設ということで、スロットなどのきらびやかな要素を取り入れながら、水と光、南国の植物などを鮮やかにすることで、いかに美しい場面に仕上げるか、協力会社とも連携しながら開発が進みました。
また、謎のアルターエゴ・Λのセイントグラフにも取り入れられている「ペンギン」がシナリオ内で“泳いでいる”と形容されていたため、背景に登場させることとなったなんてエピソードも。
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3Dバトル背景になった際の見栄えを意識して「動かせる要素」を入れたこともこだわりポイントとされており、ペンギンもその1つとしてプレイヤーを楽しませることに一役買いました。
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仮着彩も終われば、いよいよ「仕上げ作業」となります。最終的な光量や空気感などを調整しつつ、その他の背景との整合性が保てるように全体を仕上げていきます。水天宮では、「こんなところがあったら行ってみたい」と思えるものに仕上げることを意識していたそうです。
仕上げ作業を終えれば背景イラストは完成に。水天宮の場合は、ラフ稿に約1週間、中間稿に約1.5週間、完成稿に約1.5週間の作業内訳となっています。なお、内容が多岐に渡るため、全体では平均2ヶ月弱ほどかかるとのこと。3Dバトル背景が必要なものについては、その工程も逆算して1ヶ月弱ほどで作成し、3Dバトル背景の開発チームにバトンタッチします。
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水天宮の担当者によれば、ペンギンの際に触れた「動かせる要素」以外にも、カジノという賑やかで煌びやかな場所を決められた画面内に広さを感じさせつつ、どう収めるかのバランスにこだわったとのこと。東京ドーム程の大きさが初期イメージだったので、映っている画角内だけで少しでも広いと感じる調整を都度行っていたそうです。
実装時のUIも考慮しており、見せたいオブジェクトの配置と空間のバランス調整を苦労した点としています。逆に良かった点では、あえて取り入れたペンギンが多くの反応を受けたことを挙げました。後にバレンタインのチョコ礼装などでも登場したため、チャレンジして良かったとのことです。
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アドベンチャーパートの背景に関しては、水天宮に加えて「ファラオカジノ」の小ネタも紹介されました。このカジノは「メジェド様姿のニトクリス(水着ニトクリス)」が支配人ということで、メジェド様の要素があふれるクスッとできるような内観を目指して開発が進行。メジェド様や仔スフィンクス、ほかにも様々なキャラクターが隠れています。
遊び心あふれる背景なだけに、雑多になりすぎないよう如何にしてキャラクターの要素を取り入れていくかのバランスが非常に難しく、完成に至るまで何度もクリエイターとのすり合わせが行われるなど、調整には苦心したそうです。
エリアマップとスポットアイコンができるまで
続いては「エリアマップ」と「スポットアイコン」に関する開発の舞台裏を紹介します。まずはシナリオ全体の舞台となる「エリアマップ(以下、マップ)」の開発過程について、ラスベガスのマップを例に紹介。
砂漠の中心に豪華絢爛な歓楽街を置いた、密度の高い都市と周囲の閑散具合によるギャップが特徴的なラスベガスの街。本マップの完成までには、約7週間の開発期間が用いられました。
マップはFGOの世界感やシナリオに合ったデザインになっているか、TYPE-MOONや時にはライターの監修を受けながら作成を進めていきます。まず、担当者がシナリオを分析してマップの初期構成を作成します。可能であれば、この段階でイメージラフまで作成。シナリオ全体の舞台となるだけあり、初期構成後はミーティングを開催し、素材の洗い出しやイメージのすり合わせ、イベントの遊び方に合わせてどうマップを作るかなどが話し合われます。
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その後、ミーティング内容をもとに「大ラフ(マップ全体の大まかなイメージ)」を作成。ここから何度も修正を繰り返し、ラフのクオリティを上げていくこととなります。ラスベガスの場合は、大ラフの時点で島のラフレイアウト及び、メインカジノの配置決めが行われました。
また、カジノに関しては2D背景(上記の水天宮など)が先行して進んでいたので、そのデザインに合わせた外観でマップに描写されています。
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大ラフが固まれば、あとは完成に向けて細部や配色の描き込み、調整を進めていくことに。担当者によって進め方は異なっており、ラフに3Dを使う人もいれば、2Dの線画ラフ→着彩ラフ→完成稿と進める人もいます。
ラスベガスの担当者によれば、砂漠の灼熱感とカジノのギラギラした世界観を、夜景ではなく明るい昼間マップで表現するのに苦心したとのこと。昼間の明るいビルでネオンサインを目立たせるために、影面にネオンを置いてライトが見えるようにするなどの工夫を行ったそうです。
また、完成稿を見ればわかる通り、ラスベガスではカジノ以外の建物も全面的に細かく描き込まれています。画面の密度が非常に高いマップとなっているため、スタッフ皆でエリア分担をして開発を進め、タイトなスケジュールに何とか間に合わせたとのこと。縮尺やサイズ感に気をつけ、魚眼パースっぽく仕上げたところも注目ポイントの1つとしています。
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最後に、クエストの配置場所となる「スポットアイコン」の開発過程を紹介。スポットアイコンは、マップと並行して別の担当者が開発を進行します。
今回は「ギルダレイ・ホテル」と「ラスベガス大通り」を例に紹介。ギルダレイ・ホテルは全3案が提出されており、2D背景に合わせた2・3案目の中でも、緑色が印象的な3案目が採用されました。カラフルになり文字も見やすくなっています。
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ラスベガス大通りは全4案が提出。2D背景に合わせた看板は4案目ですが、ラスベガスに実在する看板をイメージした1案目が最終的に採用されました。
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「見参! ラスベガス御前試合~水着剣豪七色勝負!」では、スポットアイコンが約1ヶ月弱で完成。マップよりも早い完成となったため、スポットアイコンの担当者がマップ開発の支援に入ったそうです。
「『FGO』5周年記念 5メディア横断連載 潜入!FGO開発の舞台裏【美術編】」の内容は以上となります。メインやイベント問わず、シナリオの世界観を伝える重要な役割を持った美術まわりの作業。今回は「見参! ラスベガス御前試合~水着剣豪七色勝負!」を例に紹介しましたが、別イベントのラフ案や制作過程なども見たくなりますね。
2020年の夏のイベントをはじめ、今後も様々な期間限定イベントやメインシナリオの追加に期待が高まる『FGO』。6周年に向けた新たな歩みを、共に楽しんでいきましょう。
次回は「コマンドコード編」をファミ通Appにて公開予定です。そちらもお楽しみに!
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そして今回、「マンガで分かる!Fate/Grand Order」でおなじみのリヨ氏描き下ろしイラストを使用した非売品A3ポスターを5名様にプレゼントします!ご応募される方は、下記注意事項と株式会社イードの「個人情報保護方針」に同意の上、応募フォームよりご応募ください。
【必要事項】
・名前(ペンネーム可)
・メールアドレス
・備考欄に、年齢および「FGO5周年記念ポスター希望」とご記入ください。
【応募期間】
2020年8月9日(日)23時59分まで
※当選者への発送は、2020年9月以降を予定しております。
【注意事項】
※ポスター画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。
※応募はお一人様一回までになります。
※当選したプレゼントの転売等は固く禁じられております。
※不正な応募を確認した場合は当選を取り消させていただきます。
※当選された方には、後日メールにてご連絡を差し上げます。