『フロントミッション』プラモデルレビュー!「ゼニス」編―スクエニ初のプラモデルという衝撃【年末年始特集】

2020年11月に発売されたスクウェア・エニックス初のプラモデル展開「ストラクチャーアーツ」。『フロントミッション』シリーズから立体化された第1弾より、「ゼニス」をピックアップしてご紹介!

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『フロントミッション』プラモデルレビュー!「ゼニス」編―スクエニ初のプラモデルという衝撃【年末年始特集】
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「ゼニス」を塗装―公式サイトに掲載されているタンカラーを再現


塗装の前に合わせ目消しです。前述の通り一部取り付けが厳しい部分があり、隙間が空いている部位があるためです。二の腕部を接着し隙間をパテで埋めてみると安定性が増します。パテで隙間を埋めるのはともかく、接着だけは通常の組み立てでもやっておくのが良いかもしれません。合わせ目消しを終えたら、サーフェイサー→マスキング→本塗装の順番で工程を進めます。


そのままではPOM素材への塗装が難しいため、一部分解してから挑みました。



塗装を円滑に進めるため、サーフェイサーはガイアカラーの「NAZCAメカサフ ヘヴィ」を使用。関節部や裏面を中心にマスキングを施し本塗装に備えます。なお、関節部はポリアセタール(POM素材)で構成されており対溶剤性が高いため、プライマーとしてアクリジョンのベースグレーを散布しました。マスキングを終えたら本塗装。クレオスC44タンカラーを全体に塗ります。



塗りおえてマスキングを剥がしたら、アクリジョンN18黒鉄色を公式サイトにある作例を参考に筆塗りで部分塗装します。また、基本となる塗装図やパターンがないために、折角のディテールを生かす色の選定に難しさが目立ちます。部分塗装を終え、各部に墨入れを施したら完成です。


小さくもヴァンツァーの格好良さを引き出す塗装―エアブラシの場合はPOM素材への塗装が課題か


エアブラシでの塗装自体は、モールドを埋めず綺麗に完成させられます。今回は公式サイトの作例にあったタンカラーを再現しましたが、スプリッター迷彩など表現してみてもいいかもしれません。



塗装により精密感を引き立てる事ができました。隣にいるのは同スケールのパイロット(ハセガワの1/72パイロット/グランド・クルーセットから)。


スクエニ初のプラモデルで、1/72スケールの全高10cm前後となる小ささですが、そんな不安を払拭するほど精密なディテールに溢れると共に、可動にも優れた設計であることが衝撃です。




単体価格2178円(税込)で、ここまでのディテールを持つキットはなかなかありません。しかしながら、一部パーツの合いの悪さや、組説と公式サイトでの世界観解説と塗装図(色指定)が無いことなど、まだまだ完璧と言えない部分もあります。


模型界に彗星の如く現れたスクウェア・エニックスの「ストラクチャーアーツ」シリーズ。既に第1弾の再販も決まっていることから、『フロントミッション』シリーズに馴染みあるユーザーや、初めてのユーザーにもオススメできるキットです。なお今回の第1弾は『フロントミッション』ですが、『ゼノギアス』題材の第2弾が控えており今後のシリーズ展開にも大きな期待が持てます。




総評:★★★

良い点


・パーツの裏面まで作り込まれた隙が無くリッチで繊細な造型
・丁寧な梱包
・幅広いポーズがとれる広い可動範囲
・距離が離れても一目で分かるシルエット
・POM素材パーツにも施されたディテール


悪い点


・組み立て説明書に機体と世界観、塗装図説明が無い
・紙と図が小さいため、組み立て図が読みにくい
・パーツのピン部分に残るバリ
・二の腕や大腿部パーツの合い悪さ

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《G.Suzuki》

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