アークシステムワークスが誇る、『GUILTY GEAR』シリーズに並ぶ人気タイトル『BLAZBLUE』。2D対戦格闘ゲームとして一世を風靡したシリーズですが、その最新作となるスマートフォン向けゲーム『BLAZBLUE ALTERNATIVE DARKWAR』(以下、本作)が、2021年2月16日(火)より配信開始となりました。
本作は格闘ゲームだったこれまでのシリーズ作品から趣を変え、ジャンルがRPGとなりました。しかし魅力となっていたストーリーのボリュームは、その当時と比しても遜色のない膨大なものに。
シリーズは『BLAZBLUE CENTRALFICTION』で一度休止期間となっていましたが、本作で新たな展開が見られることになります。今回は序盤部分のプレイレビューをお届けしたいと思います。

深淵なる蒼の物語の新たな展開!
チュートリアルから「認識……認識……認識」みたいな台詞が出てきたのですが、こういう単語を繰り返す台詞だったりが出てくると、「『BLAZBLUE』が帰ってきた!」みたいな気分になります。


筆者も格闘ゲームの頃はゲームセンターでかなり対戦を重ねていたクチではあるのですが、やっぱり第一線で活躍していたプレイヤーに腕前では及ばないので、アーケードでも結構色々なキャラでストーリーを確認する時間も多かったものです。
主人公については男女のどちらかの選択式。名前はデフォルトではレイとなっていますが、この衣装にまたとても既視感があります。セリカ=A=マーキュリーやヒビキ=コハクをちょっと思い出すのですが、そこに新キャラクターのシエル=サルファーが絡んでくることによって、これまでのシリーズとはまた違った物語が始まったんだと予感させてくれます。


先述したイシャナや十聖というワードから小説『BLAZBLUE‐ブレイブルー: フェイズシフト』シリーズを少し思い出したりもした訳ですが、そこに本作で様相を変えたキャラクターたちが関わってくることで興味深くなっているところも。

この序章だけでも、小説版で色んな側面を見せてくれたカズマ=クヴァルだったり、マイ=ナツメっぽいのに全然違うキャラクター性のアナザーダーク=マイだったりは特に印象に残りました。

シエル=サルファーについては主人公のパートナーみたいな立ち位置になっていくのかな? と思わせるのですが、“蒼の魔道書・写本(ブレイブルーオルタナティブ)”なるものを使用しており、これまでのシリーズで“蒼の魔道書(ブレイブルー)”を所持していたラグナ=ザ=ブラッドエッジとの関係なども気になるところ。

過去作でストーリーモードまでキッチリプレイしていたプレイヤーの方は、本作をプレイすることをおススメします。『BLAZBLUE』シリーズのキャラクターたちの新たな物語を体験できることでしょう。

格闘ゲームのシステムや技をスマホRPGでも綺麗に再現
バトルに関してはスマートフォン用のRPGということで、コマンドバトル方式となっています。“リボルバー”、“ドライブ”、“スペシャル”この3つのコマンドから同じコマンドを連続で選ぶorリボルバーならドライブ、ドライブならスペシャルのように一段階強いコマンドを選ぶことでチェインが成立。

選べるコマンド4つでチェインを成立させることで、より強力な“エクストラコマンド”に変化するといった恩恵を受けられます。このあたりはRPGでありながら格闘ゲームの頃に採用されていたシステム“リボルバーアクション”を思い出させます。


またこの時画面左下のゲージを貯めることで“オーバードライブ”を発動でき、普段は4つまでしか選べないコマンドの上限を増やして敵パーティを攻撃できるようになります。
こちらも元の格闘ゲームのシステムを上手に落とし込んでいる印象。同名のシステムが採用されており、これを発動させることでコンボを伸ばしたりできましたね。

これらの組み合わせでバトルを進めていくことになるのですが、更に格闘ゲームの『BLAZBLUE』っぽいと思わせてくれたのが画面下の“ヒートゲージ”。過去作をプレイしている方ならばピンと来た人は多いと思いますが、これを用いることで必殺技“ディストーションドライブ”と超必殺技“アストラルヒート”が使用できます。
ディストーションドライブは3本あるゲージの1本分さえ貯まっていれば使用できるのですが、これがまた格闘ゲームの頃の技を忠実に再現しており色々なキャラクターを見たくなってしまいます。

今回筆者はチュートリアル後のガチャでジン=キサラギを引き当てたのですが(※初めてシリーズをプレイした『BLAZBLUE CALAMITY TRIGGER』~『BLAZBLUE CENTRALFICTION』までずっとメインキャラクターとして使用していたので、ここで引けたのは死ぬほど喜んだ)、技がしっかり凍牙氷刃になっていて感動しました。


また通常技の方もいくつか再現されており、氷翔剣や6Bからの氷斬閃、雪華塵からの追加攻撃などは先述した3つのコマンドで見られました。これは他のキャラクターの再現も楽しみです。
キャラの詳細画面で確認できるのですが、このジンでは、超必殺技「アストラルヒート」を使用することで「煉獄氷夜」を見ることが可能です。





バトルの周回は最小限でストーリーを楽しめる!
育成についてはクエストの報酬で手に入るアイテムや、クエストで得られる経験値を集めて進めるタイプ。ただし育成アイテムを大量に手に入れられる“デイリークエスト”などがしっかり用意されているほか、クエストごとに設定された条件をクリアして最高評価の☆3を得ることでスキップチケットが使用可能に。


そもそもクエスト中は戦闘をオートで進めたり高速モードで進めたりもできるのですが、一度クリアさえしてしまえばスキップチケットの力でクエストをプレイしなくてもいいと言うのは、非常にありがたいのではないでしょうか。
最初はシナリオのボリュームもスマートフォン用ゲーム相応だと思っていた部分があったのですが、これがどうして中々のボリュームがあります。

ストーリーを読み進める方に時間を割きたいくらいにはボリュームや物語性があったので、キャラクター育成の部分の手間を極限まで軽くしてくれている部分は好印象。また育成には直接関係ない部分ではあるのですが、この画面に入ると『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』の頃のキャラクターセレクトのBGMが流れるのが中々に熱いです。

『BLAZBLUE』もそうですが、やっぱり対戦格闘ゲームのキャラクターセレクト画面のBGMは聞くだけで滾るといいますか、それこそ耳にタコができるくらい、親の声より聞いたと言っても過言ではない楽曲なのです。格上と戦う時ならこの相手に自分がどこまで届くのか……とか、同格の相手と戦うなら絶対負けない! とか、そういう気分をどうしたって思い出してしまいます。
スキル強化やキャラクターの進化についてもクエストで手に入るアイテムで行う方式となっていますが、これらの補助的機能がきっちり用意されているおかげで、ストレスなくプレイを進めることができました。
ストーリーについてはクリアした部分はメニューの“ストーリー一覧”からいつでも読み返すことができ、非常にありがたかったです。また本作に関連して新たなメディアミックス作品やコミカライズ、ノベライズなどが発売されたりするのも期待したいところ。

こうなってくると格闘ゲームの方の新作も期待したくなってしまうもので、いつの日か『
GUILTY GEAR -STRIVE-』や『グランブルーファンタジー ヴァーサス』のようなグラフィックで蘇った『BLAZBLUE』のキャラクターたちも見たくなりますよね。
今後の『BLAZBLUE』シリーズの展開を応援するためにも、まずはこの作品をプレイしてみてはいかがでしょうか。対戦格闘ゲームでは無いものの、シリーズファンなら楽しめる要素が満載です。ぜひ触ってみてください!
※記事中に使用している画像は全て開発中の画面です。