「セイウンスカイ」「ニシノフラワー」馬主・西山茂行氏の『ウマ娘』二次創作使用の許可や撤回について、本人がブログで綴る―なぜ騒動になったのか、その背景とは

「セイウンスカイ」「ニシノフラワー」の二次創作使用許可について、馬主・西山茂行氏の返答が拡大解釈され、一時大きな事態となりました。その経緯などを、西山氏自身がブログで綴っています。

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「セイウンスカイ」「ニシノフラワー」馬主・西山茂行氏の『ウマ娘』二次創作使用の許可や撤回について、本人がブログで綴る―なぜ騒動になったのか、その背景とは
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「ウマ娘 プリティーダービー」公式サイトより

ゲームにTVアニメ、コミカライズなど、多彩な展開で大きな盛り上がりを見せている『ウマ娘 プリティーダービー』。その勢いは各コンテンツに留まらず、モチーフとなった競馬や競走馬たちにも向けられており、多方面に影響を与えています。

実際の競走馬をモチーフとした「ウマ娘」たちが切磋琢磨する姿を描いた『ウマ娘 プリティーダービー』という作品をきっかけとした新たな層から、大きな関心が寄せられる点について、好意的に捉えている競馬関係者も少なくありません。こちらは一例ですが、元競走馬のナイスネイチャの誕生日を記念する寄付(バースデードネーション)が毎年行われており、昨年は約176万円の支援が集いましたが、今年は現時点で2,500万円を超える勢いを見せています。その全てが本作の影響であるとまでは言えませんが、小さからぬ一助になったのは確かなものと思われます。


一方で、その影響は必ずしもいい方向にのみ傾くとは限りません。『ウマ娘 プリティーダービー』を展開しているCygamesは、ゲームプレイの配信やファン活動(二次創作含む)について、個別にガイドラインやお知らせを掲載するなど、注意喚起と案内を徹底して行っています。

二次創作の多くは、権利者の黙認に支えられている部分があります。そのため、度を越えたものやイメージを大きく損なう表現については、相手が個人であっても権利者が厳格な姿勢で対応を求めることもしばしば。しかも本作の場合は、許諾を受けて競走馬たちの名前を借りているため、Cygames一社だけの問題では済みません。馬主や関係者が愛した馬たちが、不当な表現に用いられるような事態は、断固として止める必要があります。

そのためCygamesは、「馬主さまおよび関係者の方々が不快に思われる表現、ならびに競走馬またはキャラクターのイメージを著しく損なう表現は行わないようご配慮くださいますよう、お願いいたします」といった告知を行い、競馬界や競走馬たちへの十分な配慮を呼びかけました。


こういった考えはユーザーの間にも徐々に広まり、SNSなどで見かけるファンアートは、ウマ娘たちの日常を綴ったものや、可愛らしくデフォルメしたイラストなどが主流となり、コンテンツとファンの良好な関係を見ることができます。

しかし、「許可があれば、表現の幅を広げられるかも」と考える人がいるのも事実。そうした要望による拡大解釈が発端で、Twitter上の一角でひとつの騒動が起きました。

セイウンスカイ(画像右)とニシノフラワー(画像左)

意図せずこの騒動に関わる形となったのは、「セイウンスカイ」と「ニシノフラワー」の馬主である西山茂行氏。この2頭をモチーフとしたウマ娘たちも『ウマ娘 プリティーダービー』に登場しており、その関係から西山氏のブログやTwitterにも注目が集まっていました。

本作の影響で「セイウンスカイ」と「ニシノフラワー」への関心が高まったことについて、西山氏は「わしが愛したセイウンスカイとニシノフラワーを想い出してくれる人がいるだけでいいな」と、喜びの声を露わとします。こうした経緯を経て、時にはTwitterを通して「ウマ娘 プリティーダービー」のファンと交流を行っていましたが、そんな西山氏の元に、二次創作における馬命の使用許可を求める声が届いたとのこと。

この時の西山氏は、二次創作について十分理解していなかったものの、これまでと同じ姿勢を貫き、「どうぞお使いください」と返答。しかし、この返答を拡大解釈した一部のユーザーから、「R指定作品への使用許可が出た!」といったツイートが飛び出し、これが広まってしまいます。過熱していく事態を見た西山氏は、「しまった、やっぱりこういう何でも自分勝手に解釈する奴が出てしまったか」と考え、「どうぞお使いください」と答えたツイートを削除。しかし、拡大解釈の勢いは止まらず、西山氏が改めて「勝手に使わないでくださいよ。きちんと許可をとってくださいよ」と発言を投げかけます。

しかし、「一度OKを出した」とごねて反発する声も。そうした一部の相手に対して、西山氏は自身の体験談を踏まえた意見を述べ、「言葉の揚げ足を取るようなら、二次創作の使用をお断りします」と宣言。しかし、揚げ足を取る発言はなおも続き、場外乱闘の様相を呈していきます。


こうして、4月23日~24日にかけて騒動となったTwitter上でのやりとりは、24日の深夜に「ウマ娘は全年齢対象なので、全年齢対象となる二次創作はどうぞ。(R指定になるようなものはダメ)」「運営会社から他にお願いやガイドラインがあれば、それに従ってほしい」と西山氏が告げ、事態は収拾へと向かいました。

この件は、人気コンテンツという点に留まらず、他の作品と比べても二次創作についての姿勢に厳格さがより求められる『ウマ娘 プリティーダービー』だっただけに、大きな騒動へ発展したものと思われます。


このやり取りをリアルタイムで知った場合、発端や結末などを知らないままという方も少なくないでしょう。今回の経緯については、西山氏自身がブログ内(件名:ウマ娘・Twitter炎上の真相)にて詳細を明かしています。本作の二次創作活動を行う方はもちろん、ファンアートを楽しむ側にとっても、その線引きを見極めるため目を通しておくことをオススメします。

今回の一件は、西山氏のサービス精神や「セイウンスカイ」と「ニシノフラワー」への愛から、二次創作への寛容な姿勢を見せたところから始まりました。それは、本作を愛するトレーナー(ファン)から見て、非常に喜ばしいものです。だからこそ拡大解釈や我田引水のような思考を持ち出すべきではありません。今後も、『ウマ娘 プリティーダービー』に関わる全ての方々が、適切な関係でいられるよう願うばかりです。



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