このゲーム、胸をえぐられる…希望と絶望を描くドラマティックRPG『戦場のフーガ』幼い子供達に迫る過酷な決断【プレイレポ】

戦争×復讐×ケモノ!サイバーコネクトツー新作のシミュレーションRPGのプレイレポをお届け。

ソニー PS5
このゲーム、胸をえぐられる…...希望と絶望を描くドラマティックRPG『戦場のフーガ』幼い子供達に迫る過酷な決断【プレイレポ】
このゲーム、胸をえぐられる…...希望と絶望を描くドラマティックRPG『戦場のフーガ』幼い子供達に迫る過酷な決断【プレイレポ】 全 81 枚 拡大写真

サイバーコネクトツーによりPS4、PS5、Xbox One、Xbox Series X|S、 ニンテンドースイッチ、Steam、Epic Games Storeにて発売が予定されているシミュレーションRPG『戦場のフーガ』。


本稿では、発売に先立ってプレイする機会を得たので、その魅力をプレイレポートにてお伝えいたします。なお、今回のプレイは開発版にて行っており、実際の内容とは異なる場合もありますのでご了承ください。


『戦場のフーガ』とは?


本作は「復讐三部作」と呼ばれるプロジェクトの一つ。戦争×復讐×ケモノをテーマとしており、戦争により家族と引き離された子供達が巨大戦車に搭乗し、帝国に立ち向かっていく希望と絶望の物語です。


『テイルコンチェルト』『Solatorobo それからCODAへ』といった「リトルテイルブロンクス」シリーズと世界観を共有しており、本作はサイバーコネクトツー25周年記念作品として開発されています。


「リトルテイルブロンクス」ならではの可愛らしいデザインとは裏腹に、戦禍に巻き込まれていく子供達の過酷さを描く本作。子供達の生活や交流、そして繰り返しのプレイが求められるローグライク要素もあるという、その気になる内容を紹介していきましょう。しかしゲームを始めた時、まさか“あんな結果”になろうとは思ってもいませんでした……。


平穏な日々の終わり


自由の地ガスコの辺境にたたずむプチ・モナ村。人々はそんな小さな村で毎日をただ静かに暮らしていました。平和な日々がずっと続くと信じて。


ある夜、寝静まった子供達の耳にとつぜん、ラジオから声が聞こえてきした。


そしてその直後、村はベルマン軍の空襲に遭い、平和だった日々は一瞬にして崩れ落ちることになります。


大人達は軍に連行されていき、子供達は謎のラジオの声に従い山の洞窟へと向かいます。


たどり着いた洞窟はずっと立ち入りが禁止されていた場所。意を決して中に入り、子供達がそこで目にしたものは、今まで見たことがないような巨大な戦車の姿でした。


戦車に乗り込んだ子供達は、その力を使って村の人々を助けに行こう立ち上がるのでした。


戦禍にまきこまれていく子供達:チュートリアル編


ラジオの声に従い、巨大戦車「タラニス」を操る子供達。しかし、当然その前にはベルマン軍が立ちはだかります。


さて、ここからは本作のバトルシステムを紹介していきましょう。子供達が操縦するタラニスにはそれぞれ赤、黄色、青で表示される3つの砲座があります。砲座に配置される子供達は、それぞれが得意の武器種で敵に攻撃を仕掛けます。


子供達が扱う武器は色ごとに異なる特徴があります。赤色で表示される「キャノン」は攻撃力が高めですが、その反面、命中率は低く装填にも時間がかかります。黄色の「グレネード」は攻撃力と命中率のバランスが取れた武器。青色の「マシンガン」は攻撃力は低いですが命中率が高く、当たりにくい空中の敵も狙いやすくなっています。


本作のバトルシステムはターン性が採用されており、素早さの高いユニットから順番にターンが回ってきます。


しかし、交互にターンが回ってくるわけではないのがこのゲームの面白いところ。敵HPバーの下に表示されている時計アイコンと同じ色の武器で攻撃すると「WEAK」が発生。それにより、敵の行動順を遅延させることができるのです。


時には強固な装甲を持った敵が子供達の前に立ち塞がることもあるでしょう。敵HPバーの左側に表示される盾アイコンの数字は防御力を表す「装甲ランク」です。この数値が高いほど敵にダメージが通りにくいため、どうにか対処する必要があります。


その方法が、青色のマシンガンを扱うメイやカイルが発動することができるスキル「ピアスショット」です。このスキルは敵に攻撃しつつ、装甲ランクを1つ低下させることができるため、装甲を持つ硬い敵には非常に有用です。


敵を倒した後のリザルト画面では、経過ターン数や被ダメージ率による評価が決定。その結果に応じて、経験値と入手アイテムが変化します。


残酷な選択、そして……


雨が降りしきる夜の中。子供達は連戦に次ぐ連戦で心はすり減り、体力も消耗していきます。しかし、そこに現れたのはベルマン帝国軍大佐プレッツェル。


明らかに今までとは違う空気を感じ取る子供達ですが、それでも村の人々を助けるために立ち向かいます。


敵戦車はタラニスほどではないにしろ、かなりの大きさ。そして装甲ランクも5。ここは慎重にいくべきでしょう。


えっ…?


あまりのダメージ数値に、一瞬にして敗北を悟ります。


タラニスの機体も怪しい光を放ち、最早ここまでかと思った時、その声は突然頭の中に響いてきました。


「あなたの魂を、みんなに捧げて」ノイズにまみれた声はそう告げ、タラニスに変化が起きました。


タラニスは危機的状況に陥ると、秘められた力「ソウルキャノン」が解放されます。ソウルキャノンは“1人の子供の覚悟”によって敵を殲滅する最終兵器。


任意の子供を選択して発動することで、形勢逆転を狙えるようです。今回はメイの兄であり、子供達の中でも年長者であるマルトを選択。強力な攻撃とあっては、とうぜんデメリットもあると思いますが、この時筆者は「次の戦闘ではマルトお休みかなぁ」などと考えていました。


シーンはタラニス内部に移り、マルトは何かを発見します。


そして、覚悟を決めるマルト。見つけたその内部へと進んでいきます。


その頃、艦内にはアナウンスが響き渡り他の子供達も異変に気付きはじめました。


先程までは軽い気持ちで眺めていた筆者も、何か嫌な気配を感じずにはいられなくなってきました…。しかし、タラニスは勝手に動き出します。折りたたまれていた巨大な砲塔は変形し、怪しげな光を纏いながら充填をはじめます。


そして……。


そのあとには、ベルマン軍の戦車は跡形もなくなっていました。勝利に喜ぶ子供達ですが、そこにマルトの姿がないことに気付きます。艦内へ探しに戻ると、ある部屋の前でマルトが被っていた帽子を発見。嫌な予感が現実味を帯びてきました…。


すると、あのラジオの声がまた聞こえてきます。そして衝撃の事実を告げられます。その声によるとソウルキャノンを撃つには人の生体エネルギーが必要、つまり1人の命の犠牲が必要と語られます。その結果、勝利と引き換えにマルトは姿を消してしまいました…。


まだ幼い子供達はその事実が上手く飲み込めずにいましたが、たったひとつ「大切な人がいなくなってしまった」ということだけは理解するのでした。ここまでの展開に筆者自身も呆然としてしまいました。戦争というテーマであるにしろ、まさか小さな子供が死んでしまうとは、それも自らを犠牲として…。


敗北の果てに繰り返す


それから子供達は意気消沈したまま、先へと進みます。しかし、そんな中でもベルマン軍は現れます。


完全に戦意を喪失した子供達はもはや戦うことをやめ、そして無慈悲にもタラニスは破壊されてしまいました。


しかし、あのラジオの声が不思議なことを言い出します。


終わってしまったかに思われた子供達の時間は、なんと謎の力により巻き戻すことができるようで、どうやらプレッツェル大佐との戦いの前からやり直せるようです。


艦内での生活:交流編


時は戻り艦内。目を覚ましたマルトは頬を伝う涙になにか不思議な感覚を覚えます。時間を巻き戻すことにより、子供達は記憶をなくし、経験値も失っています。


しかし時間を戻したとて、このまま戦いに挑めばまたしても悲劇を繰り返すことになるでしょう。そこで来る戦いに向けて、艦内では様々な行動をすることができます。


タラニスは通常の戦車とはまるで造りが違います。内部はいくつかの部屋に分かれており、操縦室や居住区、その他にも色々な機能を持った部屋があります。艦内で暮らす子供達とはキャラクターを操作して交流をすることができます。


画面左上に表示されているAPを消費することで、子供達同士で会話が発生し、2人の親愛度が上がります。


また、会話をしていると稀に発生する「仲良しチャンス」では、応答の選択肢が表示され、相手が喜ぶ選択肢を選ぶことができれば大幅に親愛度が上昇します。


そして、親愛レベルが上昇すると「絆イベント」が発生。絆イベントは全キャラクターの組み合わせで見ることができ、お互いの関係を少しだけ深く覗き見ることができます。



親愛度が上昇して得られるものは他にもあります。本作の各子供には「サポート効果」というものが設定されています。効果はそれぞれの子供の性格にあったものが設定されており、パーティ画面のサブキャラクターとしてセットすることで効果が発生します。



さらに、親愛レベルが2になると「協力必殺技」が解放されます。


協力必殺技を使用するには、親愛度の高いペアを同じ砲座にセットした状態で、ハートマークで表示される必殺技ゲージを満たすと使用できます。


それぞれのペアによって協力必殺技の効果は異なり、バトル中に別の子供と切り替えても蓄積したゲージは保持されるのでうまく使い所を狙っていきましょう。


艦内での生活:施設編


艦内では子供達の交流の他にも様々な施設を利用することができます。大きなタラニス内部は、もはや巨大な家のような様相をしており、かの有名な『ハウルの動く城』を彷彿とさせます。そこで今回は施設の効果も含めてそれぞれをご紹介していきます。


◆食堂


腹が減っては戦はできぬ。戦いの前には必ず腹ごしらえしましょう。食材を消費し料理をすることで食事効果が発生。料理を作った子供の掛け声がキャラクターごとに違うのでいろんな子供で試してみるのも楽しいです。
◆工房


必要な素材を用意することで、タラニスの武器やHP・SPなどを強化することができます。素材はバトル報酬などから入手可能。
◆砂釣り場


糸を垂らして砂釣りをします。しかし、下は海ではないので釣るのは魚ではありません。戦場に転がるガラクタです。砂釣りではタラニスの改造をするための素材が手に入り、難易度によって入手できる素材が変化します。
◆農園


畑に種や苗を植えることで様々な植物を育成することができます。収穫した食材は料理に使うことができるので、食べたい料理の食材を育てましょう。「ヒツウシ」や「ワトリニ」の世話をすることもできます。
◆寝台


ここで休息した子供には経験値が入ります。また、バトル中に「ケガ」や「戦闘不能」の状態異常になってしまった子供を回復させることもできます。


各施設はストーリーの進行によって開放されていき、今回詳しく紹介した施設以外にも、洗濯所観測室、もちろん戦車なので操作室もあります。


この後、子供達は再びプレッツェル大佐と相まみえることとなります。はたして敵を討ち倒し残酷な運命を避けることができるのでしょうか。また、ストーリーが進行すると最初に登場していた子供達以外にも新たな子供が登場します。


「復讐三部作」のひとつとして開発されている本作は、小人数開発、短時間クリア、低価格販売というキーワードが掲げられています。しかし、いざプレイしてみるといい意味で裏切られるでしょう。まず挙げられるのが、コンテンツの充実性です。この記事ではバトルシーンと艦内での生活システムを紹介していきましたが、その他にも遺跡探索や、次の冒険に向かう前に村に立ち寄ることもできます。



さらにライブラリ画面からはコレクション的要素として、各カットシーンのイラストやマンガ新聞、ベルマンレポートなど様々な記録を振り返ることができます。



次に本作の魅力を挙げるとしたら、そのストーリー性は外せません。序盤で見せたベルマン帝国軍大佐プレッツェルとの戦いでは本作の真髄を知ることができるでしょう。まだほんの幼い子供達が戦争に巻き込まれ、大人達を助け出すために帝国という巨大な敵に立ち向かう姿。そして迫られる残酷な決断。そこに挿入されるボーカル入りのBGMがまた哀愁を誘います。


とても1本の記事では本作のすべての魅力を伝えきることはできず、今回紹介できたものはまだほんの一部。もし少しでも気になったら是非自分の目で子供達の結末を見届けてください。




タイトル:戦場のフーガ
対応機種:PC(Steam、Epic Games Store)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2021年7月29日
記事執筆時の著者プレイ時間:4時間
価格:通常版 4,180円(税込)、デラックスエディション 6,380円(税込)





このゲーム、胸をえぐられる…...希望と絶望を描くドラマティックRPG『戦場のフーガ』幼い子供達に迫る過酷な決断【プレイレポ】

《neko》

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]

特集

関連ニュース