これが“遊び心と技術力”を掲げる「トイロジック」だ! 自社エンジンへのこだわりから開発環境まで、岳洋一氏と社員に直撃―社長へのダメ出しも!?

『大乱闘スマッシュブラザーズX』や『新・光神話 パルテナの鏡』『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』など名だたる作品の開発に携わり、実績を積み上げてきた「トイロジック」。受託とオリジナルタイトルの両輪で邁進するトイロジックの本質と魅力とは――。

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岳社長
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『大乱闘スマッシュブラザーズX』『新・光神話 パルテナの鏡』『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』といった名だたる作品の開発に携わり、実績を積み上げてきた「トイロジック」。

2017年に発売されたニンテンドー3DS版『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』の開発も、当時話題となりました。また直近では、『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』を手がけるなど、その活躍の幅は時を重ねるごとに広がっています。

受託による開発も多い一方で、自社オリジナルタイトルのパブリッシング展開にも力を入れており、開発のみという枠に留まることなく多彩な動きを展開。そうした意欲的な姿勢は、果たしてどのような想いや狙いによって支えられているのでしょうか。

今回は、受託とオリジナルタイトルの両輪で邁進するトイロジックについて、代表取締役社長の岳 洋一氏から直接話を伺い、同社の本質と魅力に迫ります。また、新卒一期生として入社し、今やチームの中核として活躍するシニアデザイナーとToyloエンジンチームリーダーもお招きし、現場の生の声も語っていただきました。

社員が感じる“トイロジックらしさ”から社長へのダメ出しまで、余すところなくご覧ください。

■「遊び心」と「技術力」を掲げるトイロジックが、新卒採用にこだわる理由とは

――まずは、岳さんがどのような歩みを経てきたのか、その経歴からお聞かせください。

岳氏:バンダイナムコエンターテインメントが、まだ「ナムコ」だった時代にゲームプログラマーとして入社。そこで10年ほど、描画システムやモーションシステムといった、いわゆるライブラリ開発などを行いました。

関わったタイトルは、スーパーファミコンで出ていた『ファミスタ』やサッカーゲームなどですね。もう少し後になると、『タイムクライシス』『風のクロノア』などでキャラクターの制御やAIを手がけていました。

──その後、「キャビア」へと移られたんですよね。

岳氏:ええ。ナムコはいい会社だったんですが、なかなか完全新作タイトルに携わることができず、「もっとチャレンジしたい」という想いから、新しく設立されたばかりのキャビアへ開発の立ち上げスタッフとして転職しました。

当時、キャビアには開発チームが全くなかったので、私自身が開発チーム立ち上げの中心になりましたね。自分でプログラミングをしながら、デザイナーとも話し合い、モーションの発注を行いながら台詞も考え、操作系を思案しつつ声優さんに演技指導するなど、ゲーム開発に関わることは全方位的に担当していました。

こうした様々な経験をキャビアで積ませていただき、3本ほどゲームのディレクションを務めた後、自分が理想とする組織運営やオリジナルゲーム作りの環境を模索し始めました。その結果、「自分で作るしかない」という結論に辿り着き、「トイロジック」設立に至りました。

──ずっと開発畑に身を置いていた岳さんが、会社の運営や経営に携わるのは、想像以上に大変だったのでは?

岳氏:大変ではありますが、組織づくりにやりがいを感じますし、会社が成長している手応えもあります。企画立案から開発、パブリッシングまで全行程を自分たちで行える環境を作りたくて会社を立ち上げたんですが、想像していたよりもはるかに面白いですね。

──ゲームを開発する上で、トイロジックはどういった部分を大事にされていますか?

岳氏:「遊び心」と「技術力」が、弊社の企業理念です。この「遊び心」は、何か面白いものを作って、ユーザーを楽しませよう……といった想いも当然ありますが、自分たちが楽しむことが最も重要だと考えています。ゲーム作りは大変なことも多いですけど、物事を楽しみながらでないと良いものは作れません。

しかめっ面をしているより、ちょっとニヤッとしながら楽しく取り組む方が、面白いものが浮かびますよね。

――ゲーム開発においては、受託と自社プロジェクト、両方手がけられていますが、割合などはどのように考えられていますか?

岳氏:6割くらいを受託、3~4割くらいを自社プロジェクトに当てています。このバランスで行っている理由は、会社の安定性という意味もあるんですが、色々なクライアントから多様なジャンルのタイトルを受託することで、スタッフの視野を広げたり、開発ノウハウを溜めたりといった狙いがあります。

ただし受託にはデメリットもあります。例えば“クライアントのためにしなければいけない”仕事ばかりをしていると、「下請け根性」が根付いてしまう懸念がありますよね。行動する理由や責任の所在をクライアントに求めてばかりだと、本当にいいものを追求する姿勢が生まれません。

そこで、受託だけでなく社内プロジェクトを交互に体験させることで、「クライアントのニーズを汲みつつユーザーを満足させるものを作る」という意識も育みつつ、「ユーザーの感動体験をイチから自分たちで構築する」といった視点も得られる。こうした体験を通して、モノ作りの考え方をバランスよく育むことができると考えています。

──スタッフの成長を促すといった方針がしっかりとあるんですね。

岳氏:そのほか会社の成長のために意識していることと言えば、新卒採用に力を入れています。多くのご応募のなかから、ポテンシャルが高い方や弊社との相性が良い方と出会いやすいですから。

また若手の育成にも力を入れていて、若くて吸収力があるうちに現場で経験を重ねると、何年後かに中核として引っ張ってくれる人物へと成長してくれるんです。こうした若い力の成長が、トイロジックを支える大きな軸になってくれていますね。

──体験や教育の場を用意することで、若手開発者が成長し、それがトイロジック全体の発展に繋がっていく、と。

岳氏:コンシューマ系の開発会社は、スマホアプリ系の開発会社に比べると、社員の平均年齢が高いケースが多いんです。場所によっては平均年齢が45歳くらい。現場のリーダーが50歳で、40歳の平社員に指示している……なんてこともあります。

しかし平均年齢が30~31歳くらいの弊社では、若いスタッフがリーダーシップを持っており、現場では20代でディレクターを経験する者もいます。

──ちなみに今年の新卒採用人数は、どれくらいでしたか?

岳氏:今年は6名が入社しました。来年は9名の予定です。最近はコンスタントに、6名以上の採用を続けています。また定着率が高く、例えば過去3年の離職率は大体4%くらいですね。人数で言えば、3年の間に1人が辞めるかどうかです。

──先ほど少し話をされていましたが、トイロジックさんと相性がいいのは、どういった方になりますか?

岳氏:エンジニアでも企画でもデザイナーでも同じですが、新技術をガンガン習得し、新しいモノを生み出していきたいと、成長意欲がある方が良いのかなと思います。

──現在、トイロジックさんは、今後に向けてどのような構想や準備を整えているのでしょうか?

岳氏:毎年1本のオリジナルゲームを、コンシューマに向けてリリースできる会社にしていきたいと考えています。かなりのハイペースになると思いますが、世界のユーザーさんに「今年のトイロジックはどんな新作を出してくるんだろう」と期待してもらえるよう、新しい遊びを次々と生み出す会社にしたいですね。

ジャンルに関しては節操なく取り扱っていければと思っていますが、弊社の強みはオンラインアクションゲームのノウハウが豊富なことだという自負があり、それを中心に日本市場だけでなくアジアや欧米など幅広く展開できるよう目指して動いています。

ですが、自分たちで作って売る……しかも海外に向けてとなると、そこは全く経験がない部分なので、世界中の色々なパブリッシャーと組みたいと考えています。

──実際に今どのような取り組みを行っているのか、差し支えのない範囲で教えてください。

岳氏:コンシューマ向けのオンラインアクションゲームを2本予定しています。おそらく今年中に発表できると思いますが、カジュアル向けからコアユーザー向けまで幅広く制作中です。

先ほどのパブリッシャーの話と繋がりますが、ひとつは北米の会社さん、もうひとつはヨーロッパの会社さんと手を組んでリリースする形になると思います。それなりのクオリティに仕上がっているので、楽しみにしていてください。

そして、オンラインアクションゲームというジャンルを開拓する上で、大きな原動力となるのが自社エンジンの開発です。

──「Toyloエンジン」ですね。

岳氏:はい。「Unity」や「Unreal Engine」も非常に強力なエンジンなので、状況に応じて積極的に活用していますが、この「Toyloエンジン」はオンラインアクションに特化しており、大きな力を発揮してくれています。

「Toyloエンジン」の特徴を例えると、最近では100人同時に遊ぶバトルロイヤル系シューティングが盛況ですが、その規模の近接アクションも可能ですし、さらにサーバーへの負担が軽く済みます。しかも、PBR(物理ベースレンダリング)によるハイエンドグラフィックの両立も可能です。

──海外パブリッシャーとの積極的な取り組みと「Toyloエンジン」の開発が、今後のトイロジックに注目する上でのカギとなりそうですね。

岳氏:加えて、オリジナルゲームをどんどん生み出すための人材を育てていく。この”三本の柱”による体制を、今後進めていきたいと考えています。

■コロナ禍におけるゲーム開発の影響は?トイロジックの意欲的な取り組みには、驚きの挑戦も

──この1~2年は新型コロナウイルスの影響で、働き方が大きく変わったかと思います。コロナ禍における開発体制などはどのように変化しましたか?

岳氏:はじめにテレワーク環境を用意することが最も大変でしたが、「通勤がなくなり開発に集中しやすくなった」など効率が上がった面もありますので、開発への悪影響はそれほどなかったですね。ただ、デメリットもあります。在宅勤務による孤独感やコミュニケーション不足によってメンタル不調になってしまったメンバーがいました。

こうした状況を踏まえ、都内の感染者が増えているタイミングではフルテレワークで取り組み、比較的感染者が少ないタイミングの時は、週に2日は出勤、残りの3日はテレワークという体勢にしました。状況に応じて出勤とテレワークを組み合わせる形は、スタッフから好評を博しただけでなく、開発効率にとっても良好な結果に繋がりましたね。

──感染対策を配慮した上で、程度によっては出勤日を設けたんですね。

岳氏:人と会って最低限のコミュニケーションを取らないと、精神面に負担があるかなと考えまして、トイロジックではこのような施策を行っています。

それとささやかな取り組みなんですが、遠隔地から出勤する場合は、混雑を避けるために「グリーン車やライナー席を使っていいよ」と言ってあります。なので結構、悠々自適に出勤している方もいますね(笑)。

──グリーン車で!いいですね、実に羨ましいです(笑)。

岳氏:おかげさまで好評です(笑)。

──ところで良く言われているのが、リモートワークによって仕事の成果が、定量的な部分ばかり可視化されてやすくなっていて、特にゲーム開発においてはその流れが顕著なのかなと推測されるのですが、その点はいかがでしょうか?

岳氏:難しい話なんですが、ガチガチに管理すると楽しくなくなってしまうんですよね。ですから、なるべく気軽に行えるコミュニケーションの場を用意し、何をどう取り組むのか、本人が自ら宣言する形にしています。

正直なところ、もっとサボるかなと思っていたんですが(笑)、あまり細かく確認をしなくとも、それぞれのペースでモノ作りをしてくれて、スケジュール的にもほどよい感じで収まっています。

あと、コロナ禍の対策でいえば、消毒用アルコールやマスクの購入費用、PCR検査費費用など、感染予防に繋がるものに対して補助金を支給する「安全生活サポート」という新制度を取り入れました。この名前、病院に貼ってあるポスターっぽいものにしたくて(笑)。ありそうでしょ?

──朗らかなイラストが添えられていそうな感じです(笑)。テレワークへの具体的な取り組みやケア、遠隔通勤者や感染対策グッズへのサポートなど、様々な面で対策を取られているんですね。

岳氏:ちなみに、新型コロナウイルスが出てきたばかりの頃は、どんな対策が有効かも分かりませんでした。当時はリスクの大きさが測り辛かったので、徹底的にリスクを回避しようと思い、とある“一風変わった施策”も実行したことがあります。

──それは、どのような施策でしょうか?

岳氏:電車がもっとも空いている時間は始発ですよね。なので、出社時間を朝6時にしていた時期がありました。その代わり、帰るのは昼の3時に。

──なんと……!勤務時間そのものを大きく動かしたんですね。

岳氏:その時期にちょうど『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』を作っていたので、ヨコオタロウさんが「朝6時出社しているロックな企業がある」とネット上でツイートしたことがありまして、社内でもちょっとざわざわとしました(笑)。

──そういった対応の幅広さも、トイロジックさんの特色なのかもしれませんね(笑)。

■社員から見た「トイロジック」と岳氏の印象は? その魅力から社長へとダメ出しまで、新卒一期生に直撃

新卒一期生のMさん(画像左)、Hさん(画像右)

──それでは、ここからは新卒一期生・MさんとHさんも交え、社員の方々から見たトイロジックについてもお伺いできればと思います。

M氏:デザイン課で、今は60FPSを目指したアクションゲームの背景リーダーを務めています。

岳氏:Mは『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』でも背景リーダーを担当していました。あの作品の背景で評価をいただいたことで、彼女にとっても大きな自信と経験に繋がったと思います。

H氏:現在、社内で作っている「Toyloエンジン」チームリーダーを担当しています。スケジュールを管理したり、エンジンの方針を決めたりしています。

岳氏:MもHも、2010年入社の新卒の一期生なんですが、中枢スタッフとして活躍してくれています。

──岳さんに伺った通り、若い方が成長し、中核のリーダーとして引っ張っているんですね。トイロジックさんへの入社を決めた理由や経緯などを伺ってもよろしいですか?

H氏:僕らが面接を受けた当時は、まだ20人くらいの規模だったんです。もともと小さい会社に入りたいと思っていて、「大きい会社だと歯車になりそう、小さな会社だと好きなことをやらせてもらえるんじゃないかな」と勝手なイメージを持っていました(笑)。

そんなふわっとした思想で入ったんですが、新卒採用から1年くらいで50人くらいの規模に成長したので、ちょっと残念に感じましたね(笑)。

──「話が違う!」みたいな(笑)。

H氏:「あれおかしいな、倍になってるー!」って。

──その他に決め手はありましたか?

H氏:当時、飯田橋の会社説明会で、岳さんが「大規模プロジェクトを進めている」と仰っていたんです。その時、“飯田橋で大規模プロジェクト”と言えば、「プロジェクトソラ」が有名だったので、おそらくそれしかないだろうと推察しました。

それで、面接の時にカマをかけたら、面接官の方がどよめきまして。その反応を見て「よし、プロジェクトソラに関われるぞ」と、入社を決めました(笑)。

──色々な意味で大胆でしたね(笑)。一方でMさんはいかがでしょうか。

M氏:私も飯田橋の説明会に参加しました。人数が少なく、まだ実績も少ない新しい会社とは伺っていたんですが、アートに惹かれまして。

その時に岳さんが「社員を大切にし、コンシューマでオリジナルのタイトルを創っていく」と仰っていて、みんなで楽しく頑張っていけそうな会社だなと、その雰囲気の良さに惹かれて決めました。

──では、これまでお仕事をされてきた中で、トイロジックさんらしい点や、魅力を感じているポイントなどはありますか?

M氏:非常にたくさんの方と関わりながら業務を進められるのは、面白いところです。『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』の時、デザイナー間はもちろんのこと、他セクションのHさんやそれだけでなく、プランナーさんやプログラマーさんともよく話をしました。

色々な方とコミュニケーションを取りやすく、デザイン課の垣根を越えて動けるのが楽しいところだと感じています。

──所属の枠を超えて、提案や意見交換がやりやすいんですね。では、トイロジックさんらしさについて、Hさんはいかがでしょうか。

H氏:岳さんが取ってくる仕事があまりにも幅が広く、みんなにとって初めてのことが多くて、「どうしよう、どうしよう」と言いながらワイワイ作ってる──みたいな感じです。その分、僕らも成長できるのでいいところですね。

──では逆に、今後変わって欲しい面などはありますか?

M氏:主に背景担当だったんですが、「エフェクトを作ってみたい」と希望を出して、本当に担当させてもらえるなど、色んな経験を積ませてもらえるのはデザイナーとしてありがたいです。

その上で、今後の課題としては、自分は何が得意で何を求められているのかを把握し、それぞれが「専門性」を活かせる体制にしなければと感じています。

──なるほど……。広いだけでなく、それぞれが深みを目指して発揮しなければならないと。Hさんはいかがですか?

H氏:Mさんと重なるところが大きいですね。会社の規模が大きくなり、作るゲームの規模も比例して大きくなってきました。プログラム面でも、今までひとりでこなしていた作業がふたり必要になり、プロジェクトが複数走ることで担当人数を増やす必要が出てくるなど、状況が変わっていきました。

これまでは、専門家がひとりいればそれで良かったんですが、今は専門性をチーム全体で高めていく環境作りが必須になってきたと感じています。なので、今まで少数でも大丈夫だった部分を、複数で回せるようにと心がけていますね。

岳氏:本当にやらないといけない話だね。というかそれ以外に、もっと夢のある話ないの?(笑)

H氏:(笑)。夢のある話だと、自社開発している「Toyloエンジン」をより良くしていきたいです。

現状、ゲームエンジンにおいて、無料でも使える「Unreal Engine」と「Unity」が圧倒的なシェアを誇っていますが、それゆえ改造するなどしないとどのゲームも見た目が一緒になっていくような危惧を覚えています。それらでは難しいビジュアル表現などを、「Toyloエンジン」を通して実現できればと。

岳氏:「Toyloエンジン」は自社開発しているからこそ、汎用性を求めず、トイロジックで作るゲームに対しての最適解を積み上げていける。それが武器と言えますね。

──“トイロジック”に特化した専門性を持つエンジンなんですね。さらなる発展が楽しみです。では次に、お二人から見た岳さんの印象を教えてください。

H氏:岳さんはすごく社員想いな方でして、我が子……だと言いすぎなのでもうちょっと手前なんですが(笑)、まるで家族かのように接してくれているのかなと。それが信頼にも繋がり、良い関係が築けていると思います。

――Mさんはいかがですか?

M氏:岳さんは代表取締役社長という立場ですが、親しみやすいのが嬉しいですね。弊社はサークル活動も盛んで、私も所属している山部では一緒に活動していますし、ボードゲーム合宿やサバゲーなどもやられています。しかも、「誰かやってよ」ではなく自ら率先して動くタイプで、まずスケジュール決めてくれたり、美味しいごはんの情報を教えてくれたり、鍋をしたときは鍋奉行までしてくださり(笑)。ここまで距離感が近いのはすごいですね。

──役職から考えると、驚くほど身軽なフットワークを発揮されていますね。では、ダメ出ししたい点はありますか?

H氏:岳さんは、やりたがりなんです。何でも自分で決めたがりますし、アイデアマンなので色々思いつくんですが、それを全部自分でやろうとするので、抱えすぎてうまく回ってないんじゃないかなと感じる時が結構あります。

M氏:私も同じですね。面接とかも重なり、忙しい時期になると、「こんな細かいチェックに時間を割いていて、岳さん、大丈夫なのかな?」と感じることも多いです。なのでもっと周りに任せていいと思っています。

岳氏:洗い出されましたね、課題が(笑)。

──責任感の表れかと思いますが、性分のような面もあるのでしょうか?

岳氏:そうですね、やりたがりと言われると、確かにそうかもしれません。構築の途中で任せっぱなしにしてしまうのが、ちょっと向いてないんでしょうね。だから、プログラマーをやりつつ企画をやって社長も始めたり(笑)。

今も開発に携わっていて、細かい台詞を考えたりパラメータを打つようなことまでやってしまいがちなんですが、そこは見直すべきですね。弊社には優秀なスタッフが多いので、任せた方がいいですし、ここは猛省すべきところです(笑)。

──では、今後またインタビューさせていただく機会に恵まれた際、こちらの課題がどうなったのか、改めて伺わせてください(笑)。ではMさんとHさんから、トイロジックに入社したい方々に向けたメッセージをお願いします。

H氏:トイロジックはまだまだ成長する会社だと思いますし、多岐に挑戦できる環境も整っています。チャレンジ精神旺盛で色んなことをやりたい人に来ていただけると嬉しいですね。

これは個人的な所感なんですが、ゲーム業界が大きくなったことで“儲かる職業”というイメージが強くなったと感じています。僕らやもっと上の世代は、「ゲーム作りたい!」という目的で飛び込んだ方が多いと思うんですが、最近は“就職先のひとつ”という印象なのかなと。

自分としては、「ゲーム作りたい!」の人たちが集まってくれると嬉しいです。ね、岳さん!

岳氏:両方いてくれた方がいいけどね。もちろん、そういう人がいないと困るんだけど、全員が全員「ゲーム作りたい!」だと、「落ち着け!」ってなるので(笑)。

H氏:確かに、止めてくれる人は必要ですね(笑)。

──なるほど、ありがとうございます(笑)。では、Mさんお願いします。

M氏:先ほども話したように会社としては専門性を高めていければというところなのですが、今後一緒に働きたい方は、各セクションの専門スタッフをまとめて引っ張っていける、リーダータイプの人ですね。

ちょっとくらい強引でも自分の意見はっきりと主張し、全体を俯瞰で見てチームをまとめられるような方が良いですね。自分から動いて、どんどんゲームを作りたいという方は、是非!

──現場の生の声、ありがとうございます。では最後の締めくくりを兼ねて、岳さん。バシッとお願いします。

岳氏:ゲーム業界の面白いところは、技術やアイデアもふくめて“面白さ”がどんどん発展していく点です。しかも、何千人、何万人という方々が遊ぶゲームは、それだけ多くの方に影響を与えられます。よくよく考えるとすごい業界ですよね。

ゲーム業界を選び、もしトイロジックに来てくれた際には、チャレンジの全てを一緒に楽しんでもらえたら嬉しいですね。特に「やりたがり」な人には、とても楽しい場所だと思いますので(笑)。トイロジックで「あれやりたい、これやりたい」と活躍していただき、私の仕事を奪っていってください(笑)。

与えられた仕事を毎日漫然とこなしたり、「やらなきゃいけないことだけ頑張りましょう」だと、それだけで人生が過ぎていってしまいかねません。色んな“面白いこと”を世の中に発信し、感動を生み出していく人生を一緒に歩みましょう!

《臥待 弦》

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