『信長の野望』AIで武将たちが躍動する「新生」、従来作からゲーム性はどう変わる? 小笠原 賢一Pインタビュー【TGS2021】

AIや武将同士の関係性など、『信長の野望・新生』で気になる点をプロデューサー小笠原 賢一氏にお聞きしました!

_ 全般
アイコン
アイコン 全 15 枚 拡大写真

「東京ゲームショウ2021 オンライン」にて、シブサワ・コウ40周年記念作品『信長の野望・新生』をプロデュースする小笠原 賢一氏にインタビュー。サブタイル『新生』に込めた想いや本作のコンセプト「AIで躍動する武将たち」の狙いを聞きました。


小笠原 賢一氏

──『信長の野望』シリーズでは、これまで印象的なサブタイトルが付けられてきましたが、今回、『新生』とした理由をお聞かせください。

小笠原氏:本作はコロナ禍による影響の中で開発しており、コロナに打ち勝つ勇気が出るようなサブタイトルにしたかったのと、発売予定時期がシブサワ・コウ(コーエーテクモゲームスゼネラルプロデューサー)が最初のゲーム作品『川中島の戦い』を出しから40年だったため、節目にふさわしい新しい一歩ということで『新生』という名を付けました。

──「AI」に力を入れているとの事ですが、どのようなAIを目指しているのでしょうか?

小笠原氏:今まで配下武将はいわゆる「駒」のような扱いでしたが、現実では国人衆など、様々な意思を持った「人」がいて成り立っていました。味方も含めて意思を持って動く武将を制御して天下を目指す…そんなAIを目指しています。コンセプトは「AIで躍動する武将たち」です。

どの武将をどこに任せるかで発展の様子が変わる

──大名と武将の関係は、今までと異なるものになるのでしょうか?

小笠原氏:今までは、プレイヤー自身が配下武将に細かく指示を与えていくもので、『信長の野望』シリーズの伝統で当たり前となっていますが、これは「命令しないと武将が何もしない」ということでもあります。でも、実際にはそんなことは無かったはずで、最新の研究では国人衆や地侍が全て命令を聞くわけでは無いことも分かってきています。今までの「命令する大名と、ただ命令されるだけの武将」という関係を変えたいと思っています。

配下から多彩な提案がなされるシーン

──では、大名と武将の関係が変わる中で「城」の扱いはどうなるのでしょうか?

小笠原氏:城が支配する土地領域を『新生』では「郡」と表現しています。郡には郡ごとに土地を所領する武将がいて、過去作に比べ独立しています。また、今作では「大名個人の米は直轄領から」というように、実際の歴史に近いシステムになっています。ただ、商いに関しては租税が大名に収入として入る他、賦役(労働力)も集約して集められるという特権があります。

──今作は大名の下の武将にも権限が与えられているのですね。そうなると、戦闘はどのように変化するのでしょうか?

小笠原氏:今作では武将が自律して動きますが、とはいえ一介の武将ができることは限られています。大名は全体に命令を出せる象徴であり、たとえば、複数の城から兵力を出させ、城を攻略する…といったことができるなど、引き続き大名の力も強いです。

また、城主は郡のとりまとめ役となり、郡の総和が城の力となります。戦闘においても、城に集まった郡の兵力を城主が率いていく形です。

敵味方大軍勢が入り混じって戦うシーン

──郡の要素が増えたことで、ゲームプレイに複雑性が増しそうですね。

小笠原氏:確かに説明を聞くと大変そうに感じるかもしれませんが、序盤はミクロなマネジメントからスタートするのでご安心ください。慣れてきた中盤や後半は今まで通り城単位で戦略を練るマクロな視点で楽しめます。

──お話を来ていると、これまでと比べ現実世界のマネジメントにより近いイメージを受けます。そのあたりのリアリティにこだわった形でしょうか。

小笠原氏:苛酷な戦国時代において、大事だったのはやっぱり人同士の関係性だったと思うんです。プレイヤーが大名になるのは今までの『信長の野望』と同じですが、大名と武将間だけでなく、武将同士の関係性にもAIを適用することでよりリアリティを感じられるようにこだわっていて、たとえば「この武将とこの武将は仲が悪い」などがあります。また「この武将は反抗的」といった個性も付与していて、リアリティを感じられるようにつくっています。

国を大きく発展させるには、家臣の力が不可欠

──AIとのやり取りについてもう少し詳しくお聞かせください。

小笠原氏:大名とのやり取りにおいてはコンパニオン的なものになるよう開発しています。
プレイヤーの希望をAIがくみ取り、行動しようとしているときに手助けや指示を仰ぐような存在です。

──過去作でも委任機能は、後半の作業量が多くなる局面でも手間なくプレイできると好評でした。これを更に発展させたものになるのでしょうか。

小笠原氏:委任機能は「設定して任せるだけ」という閉じた状態になってしまっていましたが、『新生』では大名と武将が適宜コミュニケーションをとるような設計にしてあります。ただ、全て自動で行ってくれるわけでは無く、たとえば「城を発展させ天下を取る」というダイナミックな行動は大名であるプレイヤーが行うなど、従来作からの伝統を大切にしています。

プレイヤーが介入しなくても、武将たちは自らの意思で最善と思う手を選ぶ

──今回革新されたAIは、戦闘においてはどのような影響を与えるのでしょうか。

小笠原氏:大名であるプレイヤーは俯瞰したマクロな視点から戦闘を指揮していくことになり、AIは目の前のミクロなことに応じて動くことになる。具体的には攻略対象はプレイヤーが示して、そこに至る道のりなどは各城主、武将がそれぞれ判断して動いていきます。

敵と兵力差があり厳しい戦いを強いられそうなときは、命令を拒否してAIが進軍をストップすることもありますし、「止まらずに突っ込め」のような命令変更も可能です。ベースはAIがしてくれるが、特殊な動きはプレイヤーがする、という分担になります。

多方面から敵の本拠地に向かって出陣するシーン

──今まで通り、武将を逐一動かしたりはできるのでしょうか?

小笠原氏:例えば、「止まれ」のような細かいマネジメントはできますが、絶対に勝てないような戦いでは命令を拒否してくる場合もあります。もちろん、細かく指示を出そうと思えば出せます。その点は幅広い人に楽しんでもらえるようにしていますね。

──先ほど命令を拒否してくる、というお話がありましたが、武将の「個性」もプレイに大きく影響を与えてきそうですね。

小笠原氏:プレイヤーが見られるようにするかは分からないですが、忠誠度はもちろんですが、好戦的かどうかなど武将の性質や属性はしっかりと決めてあります。さらに史実の武将同士の関係性に応じて行動するようにもしています。「AIで躍動する武将たち」というコンセプト通り、個性的に動くような武将を目指し、調整しています。

刻一刻と変化する戦場で、武将は局面を判断して進軍する

──開発のなかでの苦労したポイントは?

小笠原氏:やはりAIの調整が難しいです。しっかりと作れば作るほど「プレイヤーがいなくてもいいのでは?」という状態になってしまい、これは意図していたことではないということで、根本から作り直すこともありました。プレイヤーが『信長の野望』をプレイしているという感覚を大事にしつつ、AIを調整する点は苦労しました。

──最後に、シリーズファンに向けてメッセージをお願いします。

小笠原氏:新しく進化したAIで、配下武将を躍動させるというコンセプトでつくっています。発表からここまであまり情報を出してこなかったのですが、ここからは『信長の野望・新生』がどのようなゲームなのか、月一回のペースで情報を出していければと思っています。新しい挑戦の詰まった『信長の野望・新生』をぜひ楽しみにしていてください!

──ありがとうございました!

《大塩》

この記事の感想は?

この記事の写真

/

特集

関連ニュース