【編集者募集!】“ゲームメディア2.0”を目指す―「インサイド」新編集長・沖本茂義に聞く展望

イードが運営するゲームメディア「インサイド」にて編集者を募集中! 募集の背景とインサイドの目指す方向性とは? 沖本茂義編集長が語る。

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イードが運営するゲームメディア「インサイド」にて編集者を募集しています。

今回は、インサイドの編集長・沖本 茂義さんに、募集の背景とインサイドの目指す方向性について聞きました。沖本編集長が目指す「ゲームメディア2.0」とはなんなのか、インサイドはどんな世界観を実現していきたいのか?


▲プロフィール。1990年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒。大学時代よりアニメライターとして活動を開始し、『オトナアニメ』『アニメージュ』『アニメ!アニメ!』等アニメ誌やWEBニュースサイト、各種ムックやブックレットで執筆。2016年に株式会社イードにアニメ!アニメ!編集部員として入社、デスクを経て編集長に。2021年7月よりゲームWEBサイト「インサイド」の編集長を務める。 Twitter@ockeysan

――現在ゲームメディア「インサイド」で編集長を務める沖本さんですが、もともとはアニメ系の編集者だったんですよね。

はい。2016年6月にアニメ!アニメ!編集部の編集者としてイードに入社し、2021年7月からインサイドの編集長を務めています。

――イード入社以前、フリーのアニメライターとして活躍していたそうですが、そもそもなぜライターを始められたのですか?

もともとアニメが好きだったというのが大きいです。親が転勤族ということもあり、引っ込み思案な性格から転校先で馴染めないこともあって…そんなときに観たアニメが『新世紀エヴァンゲリオン』だったんです。「なんで誰もわかってくれないんだよ…!」というシンジくんの心情や境遇に共感していましたね。

アニメ好きではあったのですが、「アニメを作りたい!」というようなタイプではなく、語るのが好きで。高校生のときにアニメブログを開設して、作品レビューを行っていました。「なぜアニメが面白いのか」というのを昔から考えていて、そこを追求していきたかったんです。
大好きなアニメ作品を “布教”したいという欲求もあったし、作品を語ることが自己表現でもあったのですが、今思えば「俺はこんな風にアニメを観てるんだぜ、こんなに知ってるんだぜ」というオタク特有のマウンティング意欲もあったとは思います(笑)。

その頃から、ぼんやりと将来はアニメライターになりたいと思っていました。

――確かにマウンティングはあるかもしれないですね(笑)。「僕が一番、ガンダムをうまく使えるんだ」みたいな。そこからどのようにイードと関わるようになったのでしょうか?

大学生の頃からアニメライターとして活動を開始し、アニメ誌などで少しずつ仕事を重ねていくなかで、「アニメ!アニメ!」でもニュース記事を書き始めるようになったんです。そこから作品レビューやイベントレポート、インタビュー取材などひと通り経験したあと、当時の編集長から「うちで編集者として働かないか」と声をかけられイードに加わりました。

編集部に加わってからは、まずデスクとして記事全般の編集業務に携わりました。キャリアアップするにつれて、編集業務だけでなく、タイアップ記事の広告営業から、どうやって収益をあげていくのかという数値管理まで任されるようになりました。編集者であってもビジネス視点を求められるのがイードの特徴だと思いますね。

アニメ!アニメ!時代に沖本さんが手がけた企画記事。声優の木村昴さんとなぜかラップバトル。 https://animeanime.jp/article/2017/11/22/36054.html

『この世界の片隅に』片渕須直監督へ「アニメを通して戦争を伝える意義」をインタビュー 。 LINEニュースとの共同企画。 https://animeanime.jp/article/2021/08/13/63190.html

――その後、インサイドの編集長を任されることになりますが、ゲームもお好きなのでしょうか?

アニメにハマる前は、ずっとTVゲームをしているような子どもでした。90年生まれで、初代『ポケットモンスター』やニンテンドー64の『大乱闘スマッシュブラザーズ』などが世代的に共通体験ですね。

心の3本をあげろと言われたら『スーパーロボット大戦IMPACT』、『ファイナルファンタジーVII』、『つよきす』です。僕は「ファーストガンダム(『機動戦士ガンダム』)」が大好きなんですけど、その理由は『IMPACT』でシャアに出会ったからなんです。

『FFVII』ではグラフィックの美しさにゲームの進化を感じましたし、クラウドのカッコよさやエアリスの悲劇にグッとくるものがありました。『つよきす』のキャッチフレーズが「強気っ娘攻略アドベンチャー」なのですが、その名の通り強気なヒロインと恋愛をするんです。……僕は女の子になじられたい欲求がありまして、『エヴァンゲリオン』でも「レイ派か、アスカ派か?」と聞かれたら圧倒的にアスカなんです。

――なるほど、わかりやすいですね…ここからは沖本さんが担当するインサイドについてお聞きできればと思います。

インサイドはアプリゲームやNintendo Switch、PS4・PS5などの家庭用ゲームなど幅広く紹介するニュースメディアです。イードでは全部で3つのゲームメディアを運営していますが、インサイドがカジュアルにゲームを楽しむ読者に向けたメディアです。それに対してGame*SparkはインディーゲームやPCゲームを楽しむコアな読者をターゲットに運営されています。GameBusiness.jpはゲーム業界で働く方に向けて、業界向けの最新情報を発信するメディアです。

沖本さんが編集長を務めるインサイド。https://www.inside-games.jp/

――ゲームと一口に言っても、様々な切り口で運営されているということですね。インサイドの方向性を詳しくお聞きできますか?

ゲームそのものだけではなく、「ゲームとコミュニケーション」に焦点を当てて運営しています。特に今は動画時代であることも相まって、「ゲーム実況」の人気がとてつもないです。ストリーマーやVTuberがゲームをプレイするのを見て盛り上がったり、ゲームを通じて配信者同士がコラボする様子を楽しんだりする。ゲームをプレイしなくてもゲームを楽しむ、ゲームをコミュニケーションのツールとして捉える「ゲームを通じた体験」そのものを楽しむ層が増えてきました。

そうした今のゲームユーザーに届けたいということで、インサイドは「ゲームメディア2.0」を標榜しています。

――ゲームはプレイしないけど狩野英孝さん(*)のゲーム実況は観ている、という友人がいるのを思い出しました。

ひと昔前はアニメ、ゲームはサブカルチャー的なイメージも強かったですが、若い世代中心にそういった価値観はなくなりつつあるように感じます。いまや、ジャニーズの山田涼介さんや女優の本田翼さんもゲーム配信をする時代ですから。ちょっと前では考えられないですよね。

『Apex Legends』のカスタムマッチイベントに山田涼介さんやHIKAKINさんなどの豪華メンバーが参加。https://www.inside-games.jp/article/2021/08/05/133721.html

(*)参考:【#1】狩野英孝デッドバイデイライト神プレイ集【勝手に斧振らないで】https://www.youtube.com/watch?v=wF8xojkZ724



――たしかに。ゲームやアニメが一種のファッションのようなものになってきていると感じます。具体的には、どういった記事を掲載しているのでしょうか?

ゲームとコミュニケーションに欠かせないのは「人」の存在です。「ゲーム×人」という軸で大きな反響があった記事でいうと小籔千豊さんのインタビューですね。Yahoo!トピックスにも掲載され、ゲームを知らない、と言う人にも届いたのではないかと思います。

「フォートナイト下手くそおじさん」こと小籔千豊さんにゲームを通じての親子関係やお子さんの人格形成について語っていただいた。https://www.inside-games.jp/article/2021/03/05/131286.html

他には、「ゲーム×VTuber」という軸で『Getting Over It』という理不尽な難易度のゲームを淡々とプレイする鈴原るるさんからアンガーマネジメントを学ぼう、という企画記事も展開しました。

長時間配信に定評のある鈴原るるさんの姿勢からアンガーマネジメントを学ぶ企画。https://www.inside-games.jp/article/2021/06/30/133233.html

――単に「誰々がゲームをプレイしました」という記事ではなく、ゲームの中でその人が何を感じているか、といったことを展開されていると。

他には、読者とのコミュニケーションを大事にしていて、アンケート記事も掲載しています。例えば「リメイクしてほしい作品はなんですか?」、「泣きゲーといえば?」といったふうに読者からコメントを集めて発表する、というものです。

反響があったもので言うと、『ウマ娘』に登場するタマモクロスを題材にしたアンケート記事ですね。タマモクロスは育成ウマ娘化を待望されているのですが、なかなか実装されず…というキャラクター。そこで、「実装してほしいタマモクロスは?」というアンケートを実施し、選択肢を全部タマモクロスにしたんです。

「くっ、タマモクロスに負けた…」https://www.inside-games.jp/article/2021/10/10/134668.html

――某鼻毛真拳の少年漫画の人気キャラクターランキングみたいなことを…

察しがよくて嬉しいです(笑)。この記事には、タマモクロスを演じる声優の大空直美さんも反応してくれて…

インサイドはYahoo!ニュースに記事を配信しているので、そちらをご覧になった様子。

他にもゲームメディアが数多くある中で、ストレートに王道のことをやっても差別化はできませんから、編集部、協力してくれるライターの皆さんとも、「ゲーム×コミュニケーション」という軸で「ゲームメディア2.0」を目指して面白い記事を届けようとメディア運営を行っています。

――今回は編集者を募集ということですが、その背景をお聞かせください。

現在、インサイドの月間ページビューは1000万PV。自分が編集長になったタイミングで、この数字を2倍の2000万PVを目指すという高い目標を掲げました。達成のためには、記事の量を増やし、企画の質を磨く必要があります。そこを一緒に目指してもらえる方に加わってほしいと考えています。

――どういったことをお任せする予定なのでしょうか?

ニュース記事や企画記事の編集・ディレクションはもちろん、Google Analyticsを用いたデータ分析からメーカーの広報担当とのコミュニケーションまで幅広くお願いする予定です。

ルーティーンな業務だけをお任せするつもりはなく、「一緒にメディアを育てて行こう!」というマインドで、アイデア出しから実際の行動まで移せる方に来てもらえると嬉しいですね。あと、イードはゲーム以外にもアニメ・映画・自動車などいろんな業界の情報をインプットできるので、広くアンテナをはっている方には面白い環境だと思います。

――インサイドのこの部分だけ、と言う感じではなく、幅広く業務をお任せしたいということですね。

そのとおりです。毎朝、ゲーム事業部のメンバーで朝会をやっているのですが、その場では前日のPV(ページビュー)を見るなど振り返りもしっかり行っています。データ分析には力を入れていて、企画がよかったのか、タイトルの付け方がよかったのか、サムネがよかったのか…スプレッドシートで管理し、数字をベースに話し合って、ベストプラクティスをチームで共有しあっています。PVはライターさんにも開示していて、数字を根拠にフィードバックし、次の記事のすり合わせをしているので、WEBメディアの編集者として成長できると思いますね。

お見せできる範囲が少なく残念ですが、毎朝数字をベースに編集部で話し合っている。

逆に言えば、数字を無視して、「とにかく自分が面白いと思う企画をやりたい!」という人には合わない環境かもしれません。もちろん「好き」という気持ちも大事ですが、読者の反応を見ながら「こうすればPVが伸びるんだ」というマーケティング感覚がある方に仲間になってほしいです。

――鍛えられそうな環境ですね。沖本さんはアニメの編集者も経験していますが、ゲームとアニメ業界で異なると感じるのはどういったところでしょうか?

アニメの場合、版元や声優事務所に「原稿チェック」を求められがちなど独自の風習があります。これは多くのアニメ作品が製作委員会方式をとっていたり、版元にとってキャラクターは財産でありメディアに画像提供する場合は「報道」ではなく「協業作業」いう意識が強かったりなど、業界のビジネスモデルに起因するところです。(*)

そのため、面白い企画記事を思いついても「これはメーカーチェックが必要そうだな」「この企画は嫌がられそうだな…」とどうしても頭によぎってしまうんです。そのぶん、「PVさえ取れればいい!」というよりは、業界関係者としっかりリレーションを構築しながら、おもしろい記事を一緒につくっていくことを意識してコンテンツづくりを行ってきました。

ゲームでも原稿チェックを求められることはあるのですが、メーカーが一社主導で動いているところが多いためか、アニメ業界と比べるとそこまで不自由さは感じないですね。

先ほど、ジャニーズの山田涼介さんなど芸能人のゲーム実況も増えていると話しましたが、そういった背景もあって、ゲーム業界はいま非常に勢いがあります。コロナの巣ごもり需要で、ゲームをプレイする人たちも増えてきました。今このタイミングでゲームの編集者として働くのは、波に乗れる、ワクワクしながら働ける絶好の機会だと思います。

(*)参考:アニメのジャーナリズムのこれまでとこれから 各メディアの特性や“アニメ業界の独自風習”まで徹底議論(アニメ!アニメ!)https://animeanime.jp/article/2019/12/09/50251.html

――なるほど。逆に、大変だと感じることはありますか?

作品理解にかかる時間ですね。アニメの場合、1クールのTVシリーズなら24分×12話なので1日あれば見れちゃいますし、映画作品なら2時間で終わります。一方、ゲームはタイトルにもよりますが、クリアまでに何十時間とかかってしまうものも多いです。

さらにアニメの場合、アニメライター・編集者にとって“見るべき作品”というのがある程度まとまっているのですが、ゲームはジャンルがかなり細分化されています。RPG、アクション、ストラテジー、インディーゲーム…一編集者が全てを網羅するのは不可能に近い。幸いにも、インサイドとは対極のGame*Sparkがあるので、常に作品の情報交換しながらメディアを運営しています。

――同じゲームといえど、ジャンルが異なるメディアを持つ強みですね。今後インサイドでやりたいことはありますか?

今はメディアの価値が問われている時代です。昔はメディアが情報源の時代でしたが、今やメーカーが自ら情報を発信し、個人のインフルエンサーも現れ、誰でも情報を取りにいける、発信ができるようになりました。メーカーのプレスリリースを掲載するだけのメディアは、価値が薄まっていくでしょう。

そんな中でインサイドは、コミュニケーションを軸にメーカーと読者をつなぐハブにもなりたいと考えています。例えば、メーカーの開発者にインタビューをする際、事前に読者から質問を募って聞いていく、といったような。読者の声を、しっかりメーカーに届けられるようなメディアでありたいと考えています。

こういった企画を実施していくためにも、インサイドをともに育てていけるような仲間が必要なんです。今勢いのあるゲーム業界で、編集者として活躍したい方は、まずはカジュアル面談でもよいので、ぜひ話を聞きにきてください!

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《山崎 浩司》

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